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(´<_` )はいつも恋するようです


821 :(´<_` )はいつも恋するようです:2009/05/27(水) 16:46:37.26 ID:AomHNSUJO


 ガヤガヤとした、人込みの激しい繁華街。俺たちは買い物を終えて、街を歩いていた。

(´<_` )「デレ、バスの時間大丈夫なのか」
ζ(゚ー゚*ζ「ん~?バス?あ、ああ!忘れてた!」
(´<_`;)「おいおい。ほら、急ごう」

 大変~と、駆け足になるデレに対して、俺はのんびりとした足取りで後をついて行く。急ごうなんて自分で言ったくせにな。

ζ(゚、゚*;ζ「弟者くん、遅いよー!」
(´<_` )「ああ、ごめん」

 しばらく走ると、大きなバスターミナルが見えた。デレが乗るバスは、シベ板行きだから、すぐ右側に見えるはずだ。



824 :(´<_` )はいつも恋するようです:2009/05/27(水) 16:52:41.20 ID:AomHNSUJO


(´<_` )「デレ、ほら。あっち」
ζ(゚o゚*;ζ「え?あ~!」

 デレが俺が指差した方向を見たとき、もうすでにバスは発車していた。俺たちは、シベ板行き。とランプのあるバスの後ろ姿をただ、見送るしかなかった。
あーあ。確か、次のバスは15分後だったはず。

ζ(゚、゚*ζ「……行っちゃった」


 (´<_` )はいつも恋するようです。




826 :(´<_` )はいつも恋するようです:2009/05/27(水) 16:55:14.76 ID:AomHNSUJO

 15分の間、俺たちは色んなことを話した。今日見に行った映画の話や、美味しいご飯屋さんの話。
 近所のスーパーが潰れたんだって、なんてどうでもいいことまで。

ζ(゚ー゚*ζ「あ、もう、バス、来たみたいだね」
(´<_` )「……ああ」

 シベ板行き、と先程見送ったバスと同じ、正面についているランプが赤く点滅している。

ζ(゚ー゚*ζ「じゃあ、また」



827 :(´<_` )はいつも恋するようです:2009/05/27(水) 16:59:47.01 ID:AomHNSUJO

 にっこりと笑いながら手を振るデレに俺もまた手を振り返す。
 バスの扉がぷしゅん、と空気の抜けたような音を立てて閉まり、バスがゆっくりと動き出した。
 デレは一番後ろの席に座っていて、くるりと振り返り、俺が見ていることに気付いくと、こちらを向いた。


   ヾζ(゚ー゚*ζ


 またね!
 多分、そう言ったんだと思う。口の動きを読んだので、だいたい合ってると思うけれど。



828 :(´<_` )はいつも恋するようです:2009/05/27(水) 17:05:26.82 ID:AomHNSUJO


(´<_` )「……」

 いつも、いつも。二人で出掛けた日の別れの時間、その時間がくるたびに、俺はデレに恋をしているようだ。

 無邪気に笑って、何度も手を振る彼女に、がらにもなく、胸がこう、きゅん、としてしまう。

(´<_` )「……さて、俺も帰るとするか」

 なあ、デレ。
 俺たちは、なんなのだろうか。
 友達以上、恋人未満。
 そんな在り来たりな言葉が、歩きだそうとする俺の頭の中に浮かんでは消えていった。



830 :(´<_` )はいつも恋するようです:2009/05/27(水) 17:09:52.54 ID:AomHNSUJO


 別に、俺とデレは、付き合っているわけでも、なんでもない。恋人っぽいと思えるところは、偶然にも携帯のストラップがお揃いだった、なんてことだけか。

 ―――二人でいることは、とても自然に思える。俺の勘違いでなければ、きっと、デレもそう思っている。……はず。

 友達から、恋人へと進むことを、俺は望んでいる。けれど、デレは、彼女はどうなのだろうか。



832 :(´<_` )はいつも恋するようです:2009/05/27(水) 17:14:05.32 ID:AomHNSUJO


 彼女は、これ以上俺たちが一つになるなんてことは、考えてはいないのだろうか。それとも、心の準備が出来ていないだけ、とか。

(´<_` )「ふう……駄目だ、答えが出ないな」

 この気持ちに、気付いてほしい。けれども、気持ちを打ち明けることは、なんだか、彼女傷つけることのように思えてしまって。
 言えなくて、辛くて、打ち明けたくて、出来なくて。




834 :(´<_` )はいつも恋するようです:2009/05/27(水) 17:18:06.14 ID:AomHNSUJO


 夢の中であれば、そう、まるで映画のワンシーンのように彼女を抱き締めている自分がいる。
 けれど、そんな妄想をした分、期待した分だけ、結果次第で苦しみが勝るのかと想像すると、やはり、行動にはうつせないわけで。

(´<_` )「……」

 数歩踏み出したはいいのだけれど、なぜだか、今日はここから離れたくなかった。
 たった今デレの乗ったバスがあった場所を見つめてみる。



835 :(´<_` )はいつも恋するようです:2009/05/27(水) 17:23:31.46 ID:AomHNSUJO


 びゅん、と強い風が一つ、吹き抜ける。
 あー、センチメンタルとか、なんか、そんな気分になりそうだ。まるで中学生とか、そんな年の恋みたいに。

(´<_` )「……また、来てしまうんだろうな」

 嫌でも、ここに。
 ……次はどうしようか。
 いつものように、寂しいくらい手を振る彼女へと、手を振り返す?それとも、それとも……。

(´<_` )「……帰ろう」

 胸ポケットに入れていた携帯を取り出す。ぐるぐると電話帳を一周、二週……。
 きっと答えは出ない。また、いつもの堂々巡りだ。
 いつも別れ場所、恋のバス亭。
 けれども今日は、一歩前に進んだ気が、した。

 ―――PPPPPP……

「あ……デレ?すまない、バス、降りたか?」

「……あの、今から、逢いに行っても、大丈夫、か」











836 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/27(水) 17:25:11.63 ID:AomHNSUJO

これで終わりです。支援ありがとうございました。
ちなみに、これは「いつも僕は恋するんだろう」と言う曲を元に書かせていただきました。



[ 2009/05/27 22:30 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

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