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( ^ω^)絡みあう推理のようです


195 :( ^ω^)絡みあう推理のようです:2009/05/18(月) 11:46:25.31 ID:ZDkPC7T+O

('A`)「週刊誌で連載が始まったよな」
 
ドクオに言われて、ジョッキを片手にしたツン女史は意外そうな顔をした
 
ξ゚⊿゚)ξ「見たの? ドクオの目に留まるとは光栄だわ
     ええ、今週からスタートしたのよ」
 
VIPを舞台にした「赤い雨」という長編推理小説だ。主人公の一家がVIPに赴任した所で
まだ物語は動いていないが、現地の怪しげな日本人がすでに登場している
 
( ^ω^)「ブーンも読みましたお。冒頭からいきなり面白い展開だお」
 
ツンは肩をすくめる
 
ξ゚⊿゚)ξ「そうかしら? 準備不足であわてて書き始めたから
ドキドキしてるんだけど。週刊誌での連載は初めてだしね」
 
ドクオが「ズリと軟骨」とカウンターの向こうに注文した
時たま三人で食事をするのだが、いつも同じ物を食べている気がする
 
今日のご飯はツンオススメの焼き鳥だ



196 :( ^ω^)絡みあう推理のようです:2009/05/18(月) 11:47:23.35 ID:ZDkPC7T+O

('A`)「ツン、最近、V***に行っただろ?」
   
ショボくれた親父から注文を受け取りながらドクオが言うと
ツンは首を傾げた。V***はニュース速報近郊の町である
   
ξ゚⊿゚)ξ「友達を訪ねに行ったけど…どうしてドクオが知ってるの? 
     もしかして、どこかで見られたのかしら」   
('∀`)「いや。推理しただけだ」
  
軟骨を手に、ドクオはにやにや笑った。どうして判ったのか考えてみろ、ということらしい。
推理作家二人を相手に大胆な男だ。
   
ξ゚⊿゚)ξ「まさか、クーから聞いたんじゃないでしょうね? クーっていうのは私の友達なんだけど」
   
ドクオは「いいえ」と言う。 
('A`)「誰に聞いたわけでもない。推理だと言っただろ」
 
ツンは無言になり考えだした。この座興に真剣に取り組んでいるようだ。私も何か答えなくては



197 :( ^ω^)絡みあう推理のようです:2009/05/18(月) 11:48:22.42 ID:ZDkPC7T+O

しかし、さっぱり分からなかった。VIPが舞台の小説から急に話題に飛んだのが引っ掛かる
だが、VIPとV***とは何の関連もない。V***はとりたて何もない町で、最近何も耳にしていない
  
( ^ω^)「お? ドクオは、先月V***で起きた殺人事件の捜査に加わったんだお
     それと関係があるんじゃないかお?」
  
ドクオは探偵として名をあげていて、良く警察の事件に関わっている
  
ξ゚⊿゚)ξ「ちょっと、ブーン。どう関係してるのよ。私が事件の真犯人みたいじゃないの」
  
ツンに突っ込まれた。そんなつもりはなかったけれど、そうも取れる
  
('A`)「あの事件は解決ずみ。犯人は自供してるし、物的証拠もある。昨日も証拠固めに立ち合った」
   
と、ツンは財布をまさぐって、一枚の紙切れをつまみ出す。ケーキ屋のレシートだった



198 :( ^ω^)絡みあう推理のようです:2009/05/18(月) 11:49:37.44 ID:ZDkPC7T+O

ξ゚⊿゚)ξ「あった。駅前でクーに手土産を買ったレシート。まさかドクオ、これを覗いたの?」
 
もちろん彼がそんな泥棒のような真似をするわけがなく、彼女の財布に手を伸ばすチャンスもなかった
 
( ^ω^)「判らんお。やっぱり現場にツンの靴の痕が遺ってたのかお」
 
ξ#゚⊿゚)ξ「しつこいわよ、ブーン」
  
先輩作家に叱られた。出題者は珍しく食欲旺盛で、追加したつくねを黙々と食べている
 
その時、ツンが指をパチンと鳴らした。そして、十秒ほど間をおいてから、探偵に言う
 
ξ゚⊿゚)ξ「ところでドクオ。車の修理はいつできそう?」
 
ドクオの車はしょっちゅう調子がおかしくなっていたが、目下、修理中であるという話はなかった
どうして判るんだ、と目線を送ると
 
ξ゚⊿゚)ξ「推理しただけよ。ねぇ、ドクオ?」



200 :( ^ω^)絡みあう推理のようです:2009/05/18(月) 11:50:55.58 ID:ZDkPC7T+O

('A`)「来週工場から返ってくる。今週は不便だったな」
  
二人はチューハイを頼み、私だけが取り残される。彼らは何を判ったのだろうか?
 
宴が終わりにさしかかった頃、「教えて欲しい?」とツンが言うので
丁寧にお断りした。私にだって推理作家の意地がある 
  
   ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
そうとも。私は暇だった。だから電車に乗りV***までやってきた。
   
現地で調査すればヒントが掴めるのではないか、という期待を元にホームを降りた
改札口近くの看板に視線が吸い寄せられた。もしかするとあれではないか?シャキン歯科。
 
さらに手掛かりを求め、私はキョロキョロとホームを見渡した。



202 :( ^ω^)絡みあう推理のようです:2009/05/18(月) 11:51:54.45 ID:ZDkPC7T+O

すると、改札を抜けたところで、今度はポスターを見つけた。モララー幼稚園
シャキンにモララー。どうやら見えてきた
 
ドクオは殺人現場に調査に行ったのだから現場の方へ歩いてみる。しだいに私の頬はゆるんでいった
 
「赤い雨」の登場人物の名前に次々と遭遇するのだ。フサギコ酒店。ミセリ美容院。
 
特徴的な名前が揃えば偶然とは考えられない。ツンは、この駅から友人宅まで
目にした名前を採取して、新作の登場人物に振り分けていたのだ
 
不精といえば不精だが、同業者として気持ちは分かる。登場人物名を考えるのは面倒な作業だ
 
ドクオは週刊誌で「赤い雨」を読んだ後で町を歩いた。だから気がついたのだ
謎がひとつとけた



203 :( ^ω^)絡みあう推理のようです:2009/05/18(月) 11:52:46.16 ID:ZDkPC7T+O

もうひとつの謎も分かる。ツンはこう推理したのだ。ドクオがネーミングの秘密を見破ったということは
ドクオも駅で降りて町を歩いたわけだ。ふだんのドクオなら、車を使うはず。なのに歩いたということは
車が運転出来ない状況だったのだ
 
判ってみれば他愛もない
 
これだけの答えを導くためわざわざ出向いた自分がおかしくなり、苦笑した。
すると自分が笑われたと勘違いしたわけでもないだろうに、傍らの家の犬に吠えられた



205 :( ^ω^)絡みあう推理のようです:2009/05/18(月) 11:54:33.10 ID:ZDkPC7T+O

その家の表札にはトソンとあった
 
いつだったかツンはこう言っていた
 
ξ゚⊿゚)ξ「私は犬に吠えられるのが苦手なの。人生で十番目位に嫌」

 
天啓が降ってきた。私は鞄から携帯を出し、ツンにかける。午後三時だというのに、眠そうな声が出た
 
( ^ω^)「ブーンだお。寝てたかお?」
 
ξ゚⊿゚)ξ「今起きたとこ」欠伸
ξ゚⊿゚)ξ「何か用?」
 
ぱっちり目を覚まして差し上げよう。私は名探偵の気分で言った
 
 
 
 
 
 
 
 
( ^ω^)「赤い雨の犯人は、トソンだお」
 
受話器が落ちる音がした

[ 2009/05/19 21:06 ] 総合短編 | TB(0) | CM(6)

これいいなーすごいいい
[ 2009/05/19 21:37 ] [ 編集 ]

管理人様へ
 
間違いを変更して頂きありがとうございました
[ 2009/05/20 03:22 ] [ 編集 ]

短いけどよかった
[ 2009/05/20 12:55 ] [ 編集 ]

元ネタは「推理合戦」か
[ 2009/05/20 22:01 ] [ 編集 ]

>>2
お気になさらずー
これからも頑張ってください( ^ω^)
[ 2009/05/20 23:16 ] [ 編集 ]

有栖川有栖の短編が元ネタか
もう少しオリジナル要素があればよかった
[ 2009/05/23 13:51 ] [ 編集 ]

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