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从 ゚∀从が('A`)の幸せをプロデュースするようです


311 :从 ゚∀从が('A`)の幸せをプロデュースするようです:2009/05/06(水) 13:10:53.65 ID:nXkV71UX0

ブーンから誘われた。
高3の夏休み、俺たちは受験生で勉強漬けだ。
勉強ばかりでも息が詰まるから、息抜きしようということらしい。

( ^ω^)】『ツンも来るから、いつもの公園に5時半だお』

夕方5時半までは、まだまだ時間がある。

('A`)「海が近すぎる家ってのもあれだな ウミネコうるせー」

('A`)「ゆりかもめ乗りたいが金がない 声優の駅アナ聞きたい 一度で良いから」

('A`)「………ツンも来るのか……」

从  从「おい」

('A`)「…………おにゃのこの声が聞こえた気がした」

('A`)「気のせいだな」

从#  从「聞けっつーの!!」

('A`)「あーはいはい…………あれ?」

从# ゚∀从「何か言えっ!!」

('A`)「ロリがいr

       从 ゚∀从が('A`)の幸せをプロデュースするようです



312 :从 ゚∀从が('A`)の幸せをプロデュースするようです:2009/05/06(水) 13:12:33.67 ID:nXkV71UX0

(メ'A`)「いてー……で、」

从 ゚∀从「ここか、鬱田ドクオの部屋は…座敷わらしの配属先は選べないって言ったって、何でこんな奴のところに送られなきゃいけねーんだ!?」

('A`)「…? 座敷わらし? え、住み着くと幸せになるってやつ?」

从 ゚∀从「あーまーそうだな。俺は新人座敷わらしのハインリッヒ。ハインって呼んでくれ」

('A`)「は、はぁ………夢か」

从# ゚∀从「夢じゃねーよっ!! もう一度殴ってやろうか!?」

何だこいつ。突然家に押し掛けて座敷わらし?
……あーあれだ。ドッキリカメラだ。カーチャンも人が悪い。どっかにカメラ仕込んであんだろ。

('A`)「で、その座敷わらしが…何で俺の家に」

从 ゚∀从「あーそれはだな。俺ら新人座敷わらしがプロになるための最終試験みたいなもんだ。
    試験内容は『住み着いた部屋の人間を幸せにしてやる』。つーわけで…」

从 ゚∀从+「俺がお前の幸せをプロデュースする」

('A`)「mjd?」

从 ゚∀从「mjd。この様子じゃ…とても幸せたぁいえねーな……よし、嘘だと思ってるお前に見せてやるよ。そーれ!!」

ハインと名乗った座敷わらしが手を振り上げると、床の上の散乱物が全て元あった場所へ戻って行く。
ゴミの山も燃えるゴミ燃えないゴミ資源ゴミに綺麗に袋に分けられて从 ゚∀从「何だこのティッシュの山」

死にたい。



314 :从 ゚∀从が('A`)の幸せをプロデュースするようです:2009/05/06(水) 13:15:02.71 ID:nXkV71UX0

从 ゚∀从「とりあえず部屋の掃除は完了だ。しっかし、お前高3受験生だよな?」

('A`)「一応」

从# ゚∀从「工房のくせに18歳未満お断りなゲームや本持ってるんじゃねーよ!! 高校生だったらもっと健康的な何かやれっ!!
      テメーどうせ帰宅部だろーが!!」

('A`)「……いや、一応天文部に」

从 ゚∀从

从 ゚∀从「ごめん」


从 ゚∀从「さて、冒頭の口ぶりからすると、なんか気になってる女性がいるみてーだな?」

('A`)「ああ、幼なじみのツン。ずっと昔から一緒だった」

从 ゚∀从「ふーん……」

それだけ言うと、ハインは突然炎を出し………炎!?
やめろやめろ! まだこの家ローン残ってんだぞ!?

从 ゚∀从「あー。この火は幸せの障害となるものだけを燃やす炎なんだぜ?」

('A`)「えと、つまり、俺の18歳未満お断りコレクションは…」

从 ゚∀从「さようならだ」

……さようなら。



316 :从 ゚∀从が('A`)の幸せをプロデュースするようです:2009/05/06(水) 13:17:54.90 ID:nXkV71UX0

从 ゚∀从「はともかく。そのツンって奴と一緒になれれば、あんなものいらないよな?」

('A`)「はい…………」

从 ゚∀从「というわけで、お前がツンと一緒に幸せになれるように! 俺も協力してやるぜっ!!」

('A`)「……はぁ」

从 ゚∀从「そういや今日の5時半、ツンに会いに行くって行ってたよな?」

('A`)「ああ。幼なじみその2のブーンも一緒」

从 ゚∀从「ははぁ…こりゃチャンスだな。よし、服買いに行くぞ!」

え、ちょ、待っ。まだ5時半までには時間が。現在正午をまわったばっかり

从 ゚∀从「テメーは黙ってれば中の上なツラしてんだから、髪ボサボサでセンス0の洋服着てそれを潰してんじゃねーよ!!」

という無理矢理すぎるハインに乗せられ、服を買いに行く羽目になってしまった。
ついでに髪も。……先々月から貯めてた小遣いよさようなら。

从 ゚∀从「あ、言っとくけど。俺の姿はお前にしか見えてねーからな。うっかり外で話そうものならお前は変人になる」

('A`)「あーはいはい」

律儀な座敷わらしだ。
途中うっかり外で話して変人になりかけたり、気に入ったと思ったらハインに思い切り却下されたりで時間はかかったが、
どーにか服選びも髪切りも終わり、ハインは満足したみたいだ。



320 :从 ゚∀从が('A`)の幸せをプロデュースするようです:2009/05/06(水) 13:19:56.77 ID:nXkV71UX0

--夕方5時半 公園

( ^ω^)ノシ「おいすー」

ξ゚⊿゚)ξ「あれ、ドクオ? 髪切った?」

('A`)「あ、ああ、まあ…」

从 ゚∀从(だぁぁ!! そんな情けねー声出してんじゃねーよ!!)

隣のハインがうるさいが、この2人には見えていないので放っておく。

('A`)「ところでこれからどうするんだ?」

ξ゚⊿゚)ξ「んー、一緒にカラオケにでも行かない?」

Σ('A`)「今から!?」

弱った。美容院行ったり服買ったりでほとんど小遣いは残っていない。

('A`)「そ、その…今俺金がな( ^ω^)「金ぐらい貸してやるお! ブレーコーだお!」

漢字で書け。
そう言う訳で俺はブーンに半ば拉致されるようにカラオケへと行く羽目になった。

ここで思った。あれ? ハインなら金くらい出せるんじゃね?

从 ゚∀从「あー、使える能力には個人差があるからな。もーちょいレベルアップしないと使えねえ」

そうですか。



321 :从 ゚∀从が('A`)の幸せをプロデュースするようです:2009/05/06(水) 13:22:42.99 ID:nXkV71UX0

小さい頃は海に近いこの公園で遊んだっけ。
一歩一歩、ブーンとツンと一緒に歩を進めた。俺が左で、ブーンが右。俺たちのお姫様は真ん中。
ブーンと俺は、ツン姫を守る騎士だ……って言って遊んでたっけ。今思うと早すぎた厨二病のように感じる。

感傷に浸っていると、突然隣のツンが話しかけて来た。

ξ゚⊿゚)ξ「ドクオ、あのね………私、ブーンと付き合うことになったの」


今、なんて?


('A`)从 ゚∀从「「……今、なんて?」」

ξ゚⊿゚)ξ「だから、今私ブーンと付き合ってる。その…ブーンは秘密にしたいって言ってたけど、幼なじみでしょ?
     教えておいた方がいいと思って」

嘘だ。ずっと思い続けてここまで来たのに。
なんだそれ。
髪も整えて。服も着飾って。
空回ってるじゃねえか。俺もハインも。
俺のために手を回してたハインも。完璧な空回りじゃねえか。

でも…ブーンは良い奴だから。ちょっとピザだけど、良い奴だから。
ツンが惹かれたのだって分かる気がする。
じゃあ、俺にできることはもう1つしか残ってないわけだ。

从 ゚∀从「………そっか……もう、ツンは……ブーンと」



323 :从 ゚∀从が('A`)の幸せをプロデュースするようです:2009/05/06(水) 13:25:19.87 ID:nXkV71UX0

仕方ねえ。もう諦めるしかないか。
いま俺にできるのは、幼なじみの幸せを願う事だけk

( ゜ω゜) 「熱いっ!? 熱いお!?」

ξ゚⊿゚)ξ「ブーン!? ブーン!? 何で燃えてるの!?」

     从 ゚∀从『あー。この火は幸せの障害となるものだけを燃やす炎なんだぜ?』

从# ゚∀从「ドクオはツンと幸せになりたいって言ってた! ドクオの邪魔をするなよ!!」

('A`)「ハイン!!」

( ゜ω::... 「熱い……熱いお……」

(:::...... 「あつ…………」

ブーンが燃え尽きた後には、風に舞う灰だけが残っていた。

ξ゚⊿゚)ξ「………ブーン? そんな……」

ξ;⊿;)ξ「いやああああああああああああ!!」

ツンはその場に崩れた。
俺はその場を離れるだけで精一杯だった。

从 ゚∀从「何で逃げるんだよ? ほら、今だぜ? 今のうちにツンを…」

ひっぱたいた。
見えてるとか見えてないとかもうどうでもいい。



325 :从 ゚∀从が('A`)の幸せをプロデュースするようです:2009/05/06(水) 13:28:20.49 ID:nXkV71UX0

(#'A`)「そんな幸せなんかいらねえよ!!」

从# ゚∀从「何で!? お前はツンと一緒になりたかったんじゃなかったのかよ!? ブーンの記憶だって、ツンから消してやるから!!」

(#'A`)「それで友達を失うんならいらねえよ!!」

从 ゚∀从「…………ごめん」

(#'A`)「ブーンを元に戻せよ!!」

从 ;∀从「……………」

沈黙。
俺はその沈黙を「できない」と受け取った。

从 ;∀从「……ドクオ………ごめん………」

いくら謝ったって。いくら泣いたって。
ツンの笑顔も、ブーンも、戻らないんだよ。

(#'A`)「何が幸せプロデュースだよ! 何が『お前を幸せにしてやる』だよ! もうツンのことは吹っ切る! だからブーンを元に戻せ!!」

从 ;∀从「…………ごめん………」

遠くから聞こえるツンの泣く声と、目の前から聞こえるハインの泣く声が、混ざって。
俺はどうにもできなかった。

ブーン、ごめん。ツン、ごめん。ハインも……ごめん。

     「あれあれ~? ハインちゃん?」



329 :从 ゚∀从が('A`)の幸せをプロデュースするようです:2009/05/06(水) 13:31:52.39 ID:nXkV71UX0

('A`)从 ;∀从「え?」

確かに聞こえた。どこか間延びした、それでいて通る声。
そこに立っていたのは、髪の色以外はハインとそっくりな……座敷わらし?

从 ;∀从「姉ちゃん、なんでここに?」

从'ー'从「妹の最終試験の様子が心配だったから、降りて来ちゃった。 …ハインちゃん、ご主人様を怒らせちゃったの?」

从 ;∀从「……姉ちゃんっ!!」

とてとてと、ハインはもう1人の座敷わらしのほうに駆けていく。


从'ー'从「……そっか……ハインちゃんも悪気はなかったんだよね? ご主人さまを幸せにしたくて」

从 ;∀从「うん……でも……ドクオ、そんな幸せいらないって……」

从'ー'从「……そうだね。でも、お姉ちゃんも、好きな人と一緒になる代わりに、ハインちゃんがいなくなりますって言われたら…」

从'ー'从「ハインちゃんを選ぶかな」

从 ;∀从「………でもぉ………俺、時間元に戻したり、そんな術使うには……力たりねぇから………ドクオの幸せ消しちゃったよ………」

从'ー'从「……じゃあ、お姉ちゃんがちょっぴり力を貸してあげる。後はハインちゃんが、ご主人様を幸せにするんだよ?」

从 ;∀从「………うん」

完璧に蚊帳の外だった。その会話を見つめているしかなかった。
やっと会話が終わった時、もう1人の座敷わらしとハインは、しっかりと手を繋いでいた。



330 :从 ゚∀从が('A`)の幸せをプロデュースするようです:2009/05/06(水) 13:34:30.78 ID:nXkV71UX0

从'ー'从「……術を使う方法は、分かってるよね?」

从 ;∀从「うん……姉ちゃんの力、ちょっと、借りる」

('A`)「………」

从 ;∀从「ドクオ……ごめんね……」

2人の座敷わらしが手を振り上げた。
6時15分を指していた時計の針が戻っていく。

やがて、時計はちょうど6時を指した。
振られてしまった、あの時間を。

ξ゚⊿゚)ξ「だから、今私ブーンと付き合ってる。その…ブーンは秘密にしたいって言ってたけど、幼なじみでしょ?
     教えておいた方がいいと思って」

('A`)「そっか……」

('∀`)「……じゃ、幸せになれ。幼なじみから言えるのは、もうそんだけだ」

ξ゚⊿゚)ξ「…ありがと、ドクオ」

( ^ω^)「ツーン! ドクオー! 置いてくおー!?」

从 ゚∀从「……ドクオ」

('A`)「…なんだ」

从 ゚∀从「お前を…ちゃんと幸せにできなくてごめん」



332 :从 ゚∀从が('A`)の幸せをプロデュースするようです:2009/05/06(水) 13:38:34.70 ID:nXkV71UX0

('A`)「もう、いいんだよ」

いつのまにか空に上っていたのは、一番星。位置的に、白鳥座のデネブだろうか。

白鳥座は、一般に伝えられている神話の他に、別の伝説があるらしい。
失恋によって死んだアポロンの息子は、死後に白鳥に変えられた。そんな話。

('A`)「今なら飛んでける気がする」

从 ゚∀从「………さすが天文部員。無駄に詳しいんだな」

从'ー'从「………ハインちゃん、ドクオ君に色々教えてもらっちゃったね」

从 ゚∀从「まーな」

    「ドクオー!? 何してるんだおー!?」
    「さっさと来なさいよー!!」

从 ゚∀从「ほら二人が呼んでるぜ? さっさと行きな?」

('∀`)「……ああ」

それだけ言うと、俺は2人のほうに駆け出した。
追いついてから振り向くと、2人の座敷わらしは、もう見えなくなっていた。


俺の慌ただしい夏の一日は、こうして過ぎて行ったのだった。



333 :从 ゚∀从が('A`)の幸せをプロデュースするようです:2009/05/06(水) 13:41:43.56 ID:nXkV71UX0

---数日後

('A`)「とりあえず、勉強だな……やること無いし」

从  从「おい」
从  从「こんにちは~」

('A`)「え?」

从 ゚∀从「久しぶりだなドクオ!」
从'ー'从「おひさしぶり~」

('A`)「ななな何でここに!? 知らない間に帰ったんじゃなかったのか!?」

从 ゚∀从「いや、最終試験結局不合格でさ。追試受けることになって」

从'ー'从「今度はお目付役ってことで私も一緒だよぉ~」

('A`)「ってことは、つまり」


从 ゚∀从「お前をもっともっと幸せにしてやる!!」
从'ー'从「というわけで、よろしくね~」


('A`)「………」

どうやら、この騒がしい座敷わらしとの共同生活は、もうしばらく続くらしい……

おしまい







335 :从 ゚∀从が('A`)の幸せをプロデュースするようです:2009/05/06(水) 13:46:09.91 ID:nXkV71UX0

>>311-312>>314>>316>>320-321>>323>>325>>329-330>>332-333

使用お題
ゆりかもめ
ウミネコ
座敷わらし

弟にPC貸せと言われ続けながら投下してますたorz



[ 2009/05/07 22:08 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

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