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('A`)は荒んだ世界に送られたようです


642 :('A`)は荒んだ世界に送られたようです:2009/05/03(日) 12:58:46.76 ID:quu/oGl7O

―お前に特殊な力を与えてやろう
描いた物を自由に取り出せる能力
これでお前はこの世で生き延びるんだ
すぐには死ぬなよ。つまらないからな



('A`)は荒んだ世界に送られたようです



646 :('A`)は荒んだ世界に送られたようです:2009/05/03(日) 13:00:52.88 ID:quu/oGl7O

ドクオは目が覚めると見知らぬ土地にいた。
そこは辺り一面岩だらけの沙漠で、生命の気配も感じず
空は薄暗く、ただ風の音しか聞こえない。

(何をしていたんだっけ…)
記憶の糸をたぐり寄せても何も思いだせない…。
悩みながらドクオは立ち上がると
荷物を背負っていることに気づいた。
いつの間にか肩には実用的で飾り気のない
ザックがかけられていたようだ。

ドクオは誰の物かを気にする様子もなくそれを漁る。
(中身は…)
ザックの中にはスケッチブックと短い鉛筆、絵の具といった作画道具と
少量の水と食料しかない。

ドクオは何かが書かれている事を願い
スケッチブックを開くが
無慈悲にもそのスケッチブックはドクオの期待を裏切った。

悲嘆していたドクオはあることに目がつく
(スケッチブックにしては変だな)
外見は普通のシンプルもので変わった様子はないが、
紙一枚一枚に「参考」と書かれた欄があり、
紙は固く防水性もあるようだ。

だからと言って今のドクオには何の意味ももたらさない。



647 :('A`)は荒んだ世界に送られたようです:2009/05/03(日) 13:01:57.54 ID:quu/oGl7O

ドクオは落胆しながらそっと呟く。
('A`)「どうしよう…」
「どうしたんだ?」

背後から声がする。
慌てて振り返るとそこには腕を組んだ女性がいた。
髪には寝癖があり、顔は―

ノパ⊿゚)「じろじろと顔を見て私はそんなに美人か?」

驚いて首を横に振る。

(しまった!)
フラグも糞もありゃしない。bad end直行だ。

いや、相手が男であっても話しを聞き出すために
相手をおだてる必要があったのである。
どう弁解しようか考えているドクオに女性は笑いながら言った
ノパ⊿゚)「気弱に見えたが案外図太いのだな
    それよりこの世界に来たばかりかい?」

どうやら彼女は気にしていないらしい。
嘘をつく必要も無いので素直に答える。

('A`)「はい、気がつけばここにいました。
   何がどうなっているのでしょうか?」
ノパ⊿゚)「やっぱり新人さんだね。すぐにわかったよ。
    この世界では人に頼らないのが基本だけど
    特別にこの私、ヒートが教えてあげよう。」



651 :('A`)は荒んだ世界に送られたようです:2009/05/03(日) 13:03:29.40 ID:quu/oGl7O

……。

それから何時間がたったのだろうか…。
実際は時計の長針が一周したぐらいなのだが
少なくともドクオにはその倍の時間は流れたように感じた。
それもそのはず、ヒートと名乗った女性は
ドクオに質問をさせる暇も与えずひたすら
愚痴や私情を交えながら語り続けているのだ。
確かに今のドクオにとって有り難いのだが…。
(簡潔に話して欲しい)

ノパ⊿゚)「―という訳だ。わかったかい?」
やっと話しが終わったらしい。
所々で記憶が飛んでいたが
取り敢えず首を縦に振る。

するとヒートはドクオに人差し指を突き付ける。

ノパ⊿゚)「途中で話しを聞いていないのは知ってるぞ。
    まあ、久々に人間に会ったので興奮してしまって、
    長話になったのは悪かったのだけどね
    取り敢えず要点を纏めるからよく聞いてちょうだい」
ドクオは気まずそうに頭を掻くがやはりヒートは気にしてない。



654 :('A`)は荒んだ世界に送られたようです:2009/05/03(日) 13:04:38.44 ID:quu/oGl7O

ノパ⊿゚)「さあ、まとめるよ」

―この世界では奪い合い、殺し合いが基本で
全ての人間が何かしらの能力をもっている
但し、何者かから与えられた各々の能力には欠点があり
その欠点はだいたい4つのタイプに分けられる
1.自分に合ってない
2.何らかの制限がかかっている
3.代償が大き過ぎる
4.そもそも使いものにならない

能力が使えないなら武器を作ればいいと思うがそう甘くない
武器になりそうな素材が欠乏しているのだ
どうしても武器が欲しければ他人から奪い取る必要があるわけで
どうしても拳で勝負しなければいけないのさ

他にも設定は考えたが短編で使わないから省くよ

ノパ⊿゚)「わかったよね」

この内容のものを引き伸ばして話し続けるヒートは
要らない才能があるのだろうとドクオは感心する。



655 :('A`)は荒んだ世界に送られたようです:2009/05/03(日) 13:06:06.51 ID:quu/oGl7O

(それと…。能力に関して僕は彼女の言うところの1だな)

ドクオの絵は犬がキメラになり
美しい風景は地獄になってしまうのだ。
その絵を人様の目につくようにする能力は
ドクオにとって嫌がらせとしか思えない。

それにしても最後の一文以外にも不可解な点がある。

辺りは岩だらけなのに武器になる素材が無いはずがない。
そう思うとドクオは石ころを拾い上げる。
しかしドクオが手に取った瞬間、
石は塵になって消えてしまった。
(嘘ではないのか…)



657 :('A`)は荒んだ世界に送られたようです:2009/05/03(日) 13:07:01.46 ID:quu/oGl7O

しかしそれでも矛盾点が生まれる。
殺し合いが基本の世界で、自分は格好のエサであったのに
親切にもいろいろと教えてくれたヒートのことである。

(只の優しい人か、それとも…)
急いでドクオは立ち上がりヒートに頭を下げる。

(;'A`)「どうもありがとう。僕はもう行きます」

急いでドクオは逃げ出す。

ノパ⊿゚)「ちょっと待った!」

(逃げ出した事を怒られるか
殺されるか、どっちだ)

ノパ⊿゚)「殺し合いが基本だと言ったよね」
(後者か!最悪だ)

ドクオは瞬時に振り向き、ペンとノートを取り出す。

ノパ⊿゚)「いい反応だね。」  

(;'A`)「見逃してもらえませんか?」

ヒートは顔の前で指を振る。

ノパ⊿゚)「それは駄目だよ。」



658 :('A`)は荒んだ世界に送られたようです:2009/05/03(日) 13:08:36.56 ID:quu/oGl7O

じりじりとヒートは間合いを詰めてくる 。
(絵を描く隙をつくらなければ!)
ノートに菱形に近い四角を描き
固い壁 と書き込みそれを取り出す

ヒートが足を止める
ノパ⊿゚)「ほうほう、それが君の能力か
    しかしそんなものでどうする気だ?」

取り出されたもの、それは手のひらサイズで薄く
普通ならば足止めにもならないものだった。

(#'A`)「ちくしょう!」

すぐさまそれを投げ捨てる

ノパ⊿゚)「おや、失敗かね?まあいい
    私の能力を見せてやろう」

そう言いながら近いてきたヒートが
一瞬で視界から消える

(いつの間に!?)
気がつくと懐に潜り込まれている。
ガードをする暇もなく鈍い音と共にドクオの腹に衝撃がはしった。



662 :('A`)は荒んだ世界に送られたようです:2009/05/03(日) 13:10:40.68 ID:quu/oGl7O

だが、軽かったようでドクオはまだ倒れていない。
すぐさまステップで距離をとる

ノパ⊿゚)「驚いたか? 私の能力は瞬間移動だ
    1回使うと距離(m)分だけ、
    使えなくなるけどな」

ヒートが無駄なお喋りをしている間に
ドクオは歪な線で銃を描く。

ノパ⊿゚)「あー!セコいぞ、卑怯だぞ」

そんな事を言われても構うものか。
生き延びるためにも必死なのだ。

ドクオはそれを取り出し、ヒートに向け構える。



665 :('A`)は荒んだ世界に送られたようです:2009/05/03(日) 13:11:46.93 ID:quu/oGl7O

('A`)「銃を作り出したぞ、勝負ありだ!」
ノパ⊿゚)「本気か!」

('A`)「後悔しても遅い!」

ノパ⊿゚)「いや、本気でそれが…」

('A`)「え?」

トリガーがない。描き忘れたいた。
弾を撃てない銃などL字型の鈍器でしかないだろう。
唖然としているドクオにヒートが話しかける。

ノパ⊿゚)「殺し合いなんだから真剣にやってもらわないと困るな」

真剣で無いのはどっちだ――というツッコミを入れられる立場でもない



667 :('A`)は荒んだ世界に送られたようです:2009/05/03(日) 13:12:26.57 ID:quu/oGl7O

他のものを描こうとするドクオにヒートは襲いかかる。

ノパ⊿゚)「接近戦に持ち込めばお前は能力は使えない!」

確かにその通りだ。
かといって持ち物を捨てる訳にはいかないので
ドクオはノートを持ったまま応戦するはめになる。



668 :('A`)は荒んだ世界に送られたようです:2009/05/03(日) 13:13:49.23 ID:quu/oGl7O

ノパ⊿゚)「オラァ!」

不意打ち出なければ往なすことぐらいできるが
問題はその先である。

相手の攻撃は軽いが手数が多く、
反撃の手を与えてくれないのだ。
(一撃食らう覚悟で仕掛けるか)

ノパ⊿゚)「考え事をしていて勝てるとでも!」

顔に向かって右ストレートが飛んでくる 。
(今だ!)

ドクオはノートを持っている左腕でそれを叩き落とす。
そしてそのまま顔に向かって右でフックを狙う。
(もらった!)

ヒートの口元が一瞬緩む。



669 :('A`)は荒んだ世界に送られたようです:2009/05/03(日) 13:14:39.58 ID:quu/oGl7O

確実に当たると予想していたのだが
顔を上げられ避けられる
それだけならまだしも視界外から
ヒートの倒れた勢いを利用した一撃が
頬に直撃する。

打たれた衝撃視界が揺らぎ
立て直すためにもステップで避ける

ノパ⊿゚)「今の、狙うなら腹だよ
    まあ、腹にきていても
    避けていたけどね」



670 :('A`)は荒んだ世界に送られたようです:2009/05/03(日) 13:15:35.65 ID:quu/oGl7O

(これは接近戦では勝てない)

かと言ってもヒートが能力を使う時間を与えてくれるはずがない。

ノパ⊿゚)「ぼさっとしてたら命を貰うよ!」
考える暇さえも与えてくれないようだ。

地面を蹴る音と共にヒートが近づいてくる。
(防戦しか出来ないのか)
そう思った瞬間、ヒートがドクオの捨てた壁で
足を滑らして派手に転ける姿が目に入る。

(チャンス!)
仕返しと言わんばかりに
ドクオは顔を殴りにいく。

('A`)「一撃でKOだ!」



678 :('A`)は荒んだ世界に送られたようです:2009/05/03(日) 13:27:00.94 ID:quu/oGl7O

ドクオの体がヒートに覆い被さり、
拳が当たる瞬間、彼女が消える。
そして同時にその場合に影ができる。

ノパ⊿゚)「私だって頭ぐらい使うのさ!」

声と共に後頭部に強烈な蹴りがはいる

(脳が揺れる…)

ドクオは立ち上がろうとするも力が入らない。

「もう終わりか?」

視界外からヒートの声がする。

(まだ死にたくない…)

ドクオは最後の力を振り絞り
背中に背負ったザックに手を入れ
何かを引っ張り出す。

ドクオのその手に握られていたのは
変哲もない水色の絵の具だ。



680 :('A`)は荒んだ世界に送られたようです:2009/05/03(日) 13:28:29.77 ID:quu/oGl7O

(やっぱり一発逆転はないのか。だけど…)
ドクオはノートに絵の具を直接ぶちまける。
そしてその横に汚い字で文字を書きそれを取り出す。

「何をする気だ?」

('A`)「せめて巻き添えだ…」

ドクオのノートから水が溢れ出す。


「こら、待て!私は高地に非難したから止めろ!」

しかしもう遅い…
水が染み込みにくいこの沙漠。
全てを巻き込み押し流すだろう。

(失敗したか…)

水の中でドクオの意識が薄れていく。



682 :('A`)は荒んだ世界に送られたようです:2009/05/03(日) 13:29:13.62 ID:quu/oGl7O

―中々面白いものを見せてもらった
引き続き、せいぜい頑張れよ

(お前は誰だよ…)

「起きて!」

誰かが呼ぶ声が聞こえる。
でも自分は死んだはず。
ああ、夢だったのか
夢から覚めたらまた
平凡な自分がいるのだな。
悪夢はもうこりごりだ…

ドクオはそっと目を開ける。
そこには美人ではない女性の顔が見える 。

('A`)「悪mでは無かったのか…」

ノパ⊿゚)「おや、君は私に散々殴られても
    私が天使に見えるのか」

どうやらヒートには悪魔に聞こえたらしい



685 :('A`)は荒んだ世界に送られたようです:2009/05/03(日) 13:30:19.60 ID:quu/oGl7O

ヒートは安心した様子でドクオに話しかける。

ノパ⊿゚)「とりあえず意識が戻ってよかったよ
    君の荷物も回収しておいたから安心しな」

(ヒートがいるのになぜ自分は生きている?)
ドクオがふと疑問に思う。

('A`)「なぜ殺さなかった?」

ノパ⊿゚)「元々殺す気は無かったよ」
ドクオの介抱から解放されたヒートは
その場で座ったまま口を開く。

ノパ⊿゚)「私が人を殺す場合は返り討ちにする時だけと決めている
    たとえこんな世界でも人の気持ちは忘れたくないのでな」

では何故自分は襲われたのか
そんな事を考えていることを察したのか
ヒートはまだ続ける。



687 :('A`)は荒んだ世界に送られたようです:2009/05/03(日) 13:32:37.50 ID:quu/oGl7O

ノパ⊿゚)「私は仲間を探しているんだよ
    この世界の創造主をぶっ飛ばすな。
    だけど中々人間のままで生活している人が少ない。
    そこで、この世界に来たばかりの君の力を試したんだ
    ただ、やり過ぎたみたいだね。
    自殺されると思わなかったよ」

(自爆のつもりだったんだけどね)

やはり最後のは無謀であったらしい。



688 :('A`)は荒んだ世界に送られたようです:2009/05/03(日) 13:34:00.24 ID:quu/oGl7O

ノパ⊿゚)「仲間探しと言ったけど
    ここまでやられたら
    一緒に旅をするのは嫌だよね」

ヒートは悲しそうな表情でそう言うと
荷物をまとめて、立ち上がる。

('A`)「ちょっと待った!
   創造主を倒す話
   それに乗った!」

ヒートは驚いてドクオを見つめる。

('A`)「実際、無理矢理こんな場所に連れと来られて
   腹がたってた所だから、この誘いは嬉しい
   殴られたことに関しては意識がとんでるから
   全く覚えてないから気にするな」

丁重に解放してもらっていて
許さないと言うほど心は狭くもない。

ヒートは満面の笑みでドクオの手を掴み
そのまま上下にぶんぶん振る。

ノパ⊿゚)「ありがとうか! そしてよろしく、相棒」

ここは余程荒んだ世界なのだろうか
一抹の不安があるけれど独りでないから大丈夫だろう…。



689 :('A`)は荒んだ世界に送られたようです:2009/05/03(日) 13:35:44.13 ID:quu/oGl7O

ドクオはその場でバイクを描き取り出す。
('A`)「取り敢えず行こうか」

彼女のペースにはまり続けたくないので
ドクオから話を進める。

だが残念な事に

ノパ⊿゚)「タイヤが楕円形なのはいいとして
   エンジンが付いてないよ、それ」

('A`)「あ!」

日々殺戮が行われてるこの世界で
二人の旅が始まる…


終わり







お題
時計
矛盾

いろいろと言いたいことがあるだろうと思うので
批評をお願いします


[ 2009/05/03 23:21 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

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