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|  ^o^| 大きな樫の木の下で ('A`)のようです


68 :|  ^o^| 大きな樫の木の下で ('A`)のようです:2009/04/29(水) 18:26:56.22 ID:WihTdZBVO

 私立ヴィップ高校の校庭の片隅には、一本の樫の木が立っている。

 創立以前から此の地に根を下ろしてきた、由緒ある古木だ。

 そして開校当初から、ただ静かに新入生を迎え入れ、在校生を見守り、卒業生を見送ってきた。

 この木の下をお気に入りの場所とする生徒も、決して少なくはない。

 卒業式の日に此処で誕生したカップルは――なんてオサレな伝説は無いけれど。




|  ^o^| 大きな樫の木の下で ('A`)のようです




69 :|  ^o^| 大きな樫の木の下で ('A`)のようです:2009/04/29(水) 18:28:57.94 ID:WihTdZBVO

 天高く馬場肥ゆる秋。

 そんな常套句がちらほらと使われ始めた頃、樫の木は久々に悩みを抱えていた。

|  ^o^|(なーんか最近、こいつしか来ないんだよなあ)

('A`)ハァ

 根本の辺りに座り込み、上体を幹に預けた姿勢で嘆息し続ける痩身の少年。

 彼の名は欝田ドクオ。二学期に入ってから転校してきたばかりの一年生だ。

|  ^o^|(友達とかいないんだろうか?)

('A`)「友達とか無理だろ、実際……」

| ;^o^|(うおっ、サイコメトられた?)

('A`)ハァ

|  ^o^|(……やっぱりただの偶然か)

 勿論、ドクオはそんな特殊能力など持っていない。ごくごく普通の高校生だ。



70 :|  ^o^| 大きな樫の木の下で ('A`)のようです:2009/04/29(水) 18:30:54.40 ID:WihTdZBVO

 が、顔はフツ面とも言い難く、性格も暗い。更に転校生というオマケ付き。

 なかなか友達が出来ないのも仕方がなかった。

 ――――加えて、初日の挨拶も酷いものだった。

(;'A`)「お、お、オオカミ高校ってとこから転校してききましゅた」

(;'A`)「欝田ドきゅオって言いまし」

(;'A`)「き、気軽に“ドックン”て呼んで下ひゃいっ!」

 ざわ……ざわ……。

 飛び交う囁き声は上手く聞き取れなかったが、この時、ドクオは思った。

( A )(……視線で人を刺し殺すことって可能なんじゃないだろうか)

(´・ω・`)「あー……うん。みんな、“ドックン”が早くクラスに溶け込めるよう、仲良くするんだぞ」


 ――――中途半端な担任のフォローは、まるで傷口に塗り込まれるタバスコのようだった……。



72 :|  ^o^| 大きな樫の木の下で ('A`)のようです:2009/04/29(水) 18:32:38.36 ID:WihTdZBVO

| ;^o^|(ははっ、ときめきの欠片もないメモリアルだな)

('A`)「ま、たとえ挨拶が成功してたとしても、ぼっちになるのは時間の問題だったろうけど……」

|  ^o^|(禿同)

('A`)ウツダシノウ

| ;^o^|(辛気臭ぇええ。こんなのが毎休み時間に放課後と居座ってちゃ、そりゃ誰も寄り付かんわ)

 生徒たちの他愛もない話の立ち聞きを楽しみとしている樫の木にとって、是非とも打破すべき現況であった。

|  ^o^|(ハインちゃんのオッパイも見れなくなっちゃったしなあ……)

 だから決断した。

 ――――こいつの性根を叩き直してやろう、と。



75 :|  ^o^| 大きな樫の木の下で ('A`)のようです:2009/04/29(水) 18:34:03.78 ID:WihTdZBVO

|  ^o^|「おい、ドックン」

?('A`='A`)?

|  ^o^|「俺だよ、俺。お前がもたれかかってる樫の木だよ」

(;'A`)→(  )「は?」

|  ^o^|「よっ。話すのは初めましてだな」

(;'A`)「ええっ? 何? どゆこと?」

|  ^o^|「お前があんまりウジウジしてるもんだから、ちょっとアドバイスしてやろうかと思ってさ」

(;'A`)「いっ、いやいや、話し掛けてくれんのは嬉しいけど、こういうドッキリとか勘弁してよ」

|  ^o^|「ドッキリ?」

(;'A`)「だから、どの枝に隠れてんの?」

| ;^o^|(ああ、そういうことね……)



77 :|  ^o^| 大きな樫の木の下で ('A`)のようです:2009/04/29(水) 18:35:31.58 ID:WihTdZBVO

(;'A`)「俺、視力あんまり良くないからさ。何処に居んのか全然分かんないんだけど」

| ;‐o‐|(ハァ……。まあ、いきなり信じろって方が無理か……)

(;'A`)「おーい。マジで何処なの?」

|  ^o^|「うん。別に信じなくても良いや。取り敢えず俺の話を聞け。五分だけでもいい」

(;'A`)「え~。でも、そう言う人に限って大抵長話するからなあ」

| #^o^|「……もう放課後だし、どうせ予定とか特に何にも無いだろ?」

(;'A`)「うっ……」

|  ^o^|「何れにしても、だ。人生の先輩がこうして助言してやろうってんだから、素直に聞け」

(;'A`)「えっ、先輩だったんすか? すいません。てっきりタメかと……」



79 :|  ^o^| 大きな樫の木の下で ('A`)のようです:2009/04/29(水) 18:37:18.32 ID:WihTdZBVO

|  ^o^|「そうだよ。大先輩だよ。お前よりずっと年上だ」

(;'A`)「ずっと……って、どんだけダブってんすか?」

| #`o´|「ぶち殺すぞ!」

(;'A`))「ひいっ、す、すんませんしたッ!」

|  ^o^|「ははっ、冗談冗談。お前の担任の物真似しただけだ。そんな気にしなくていいよ」

(;'A`)(物真似? あの先生そんなキャラなの? つーか全く冗談に聞こえなかったんすけど……)

|  ^o^|「とにかく本題に入ろうか。お前の悩みは友達が出来ないってことだろ?」

(;'A`)「えっ?(……あ、そっか。さっきの聞かれちゃってたのか……)」

|  ^o^|「 だ ろ ? 」

(;'A`)「あ、はい。そうです」



80 :|  ^o^| 大きな樫の木の下で ('A`)のようです:2009/04/29(水) 18:39:18.47 ID:WihTdZBVO

|  ^o^|「何で出来ないんだと思う?」

( A )「…………んと、俺は見ての通り不細工だし、それに――」

|  ^o^|「はい、駄目~」

`(;'A`)「えっ?」

|  ^o^|「いきなり不正解~」

(;'A`)「何でですか?」

|  ^o^|「顔とかそこまで関係ないから。不細工でも友達たくさんいる奴なんて幾らでもいるだろ?」

(;'A`)「それはまあ、そうですけど……」

|  ^o^|「お前に友達がいない一番の原因は、その内向きな暗~い性格だ」

(;'A`)「はあ……それもまあ、理解はしてますけど、性格なんて変えようと思ってもなかなか……」

|  ^o^|「だよなあ」



82 :|  ^o^| 大きな樫の木の下で ('A`)のようです:2009/04/29(水) 18:40:43.65 ID:WihTdZBVO

(;'A`)「“だよなあ”って、そんなあっさりと……。じゃあ、どうしたらいんすか?」

|  ^o^|「筋トレしようぜ」

(;'A`)「は?」

|  ^o^|「 筋 ト レ し よ う ぜ 」

(;'A`)「いや、聞こえてますけど意味が分かんないっす。筋トレと性格って何も関係なくないすか?」

|  ^o^|「いや、あるよ。お前が自信を持てないでいる要因の中で比較的いじり易いのは、そのヒョロヒョロの体つきだからな」

(;'A`)「うーん。確かに自慢できるような身体じゃないけど、そんなの意識したこと無いっすよ」

|  ^o^|「ん、そうか。でも昔から言うだろ? “健全な魂は健全な肉体に宿る”ってな」

('A`)「そんなもんすかねえ……」



84 :|  ^o^| 大きな樫の木の下で ('A`)のようです:2009/04/29(水) 18:42:22.18 ID:WihTdZBVO

|  ^o^|「そんなもんだ。で、やりますか? やりませんか?」

('A`)(マンドクセ。でも、やらないっつったら、また怒るんだろうなあ……)

|  ^o^|「 や り ま す か ?  や り ま せ ん か ? 」

(;'A`)「うぅっ……わ、分かりました。俺、やります。宜しくお願いします。えっと……」

|  ^o^|「ん? どした?」

(;'A`)「あ、いえ。その……お名前まだ教えてもらってないんすけど」

|  ^o^|「ああ、名前ね。でも今まで必要なかったから、特に決めてないんだよなあ」

('A`)「そのくらいの設定はしっかりしといた方が良いんじゃないすか?」

| ;^o^|「何だよ、設定って。やっぱりまだ信じてないのか」

(;'A`)「あ、すいません」



86 :|  ^o^| 大きな樫の木の下で ('A`)のようです:2009/04/29(水) 18:44:16.94 ID:WihTdZBVO

|  ^o^|「まあいいさ。そうだな、単に樫の木ってんじゃ堅苦しいからカッシーでもカッシーナでも好きなように呼んでくれ」

(;'A`)(うわあ……やっぱりこの人、かなり痛いかも……)

|  ^o^|「どうする?」

(;'A`)「えっと……じゃあ宜しくお願いします、“カッシー”先輩」

|  ^o^|「おk。かなり厳しく指導するけど、必ず俺みたいな逞しい体にしてやるからな」

(;'A`)「はあ……カッシー先輩って幹も太けりゃ枝振りも立派ですもんね」

|  ^o^|「だろ? 見てみろ、この上腕二頭筋」

(;'A`)(おお、見事にノッてきたな。上腕ってどの枝のこと言ってんのか全く分からんけど)

|  ^o^|「まあ流石に人間じゃここまでビルドアップするのは不可能だけどな」

('A`)デスヨネー



88 :|  ^o^| 大きな樫の木の下で ('A`)のようです:2009/04/29(水) 18:46:17.96 ID:WihTdZBVO

|  ^o^|「でも俺のメニューについてこれれば、お前も将来的にはヒデのようになれるかもしれんぞ」

('∀`)「マジっすか!? 俺サッカー観るの好きなんすけど特に中田は――」

| ;^o^|「ちょ、待て待て。何いきなりサッカーの話してんの?」

(;'A`)「え? いや、だから俺が中田英寿のファンだったってことを」

|  ^o^|「お前さ、俺ら今、何の話してると思ってんの?」

(;'A`)「えっと……筋肉の話ですよね?」

|  ^o^|「じゃあヒデっつったらビルダーの山岸秀匡。通称“ビッグヒデ”のことに決まってんだろ」

(;'A`)シラネーヨ

|  ^o^|「ん? 何か言ったか?」

(;'A`)「いや、何でもないっす」

| ;^o^|「……ひょっとしてヒデじゃ不満か?」



90 :|  ^o^| 大きな樫の木の下で ('A`)のようです:2009/04/29(水) 18:47:52.53 ID:WihTdZBVO

(;'A`)「や、決してそのようなことは。むしろ逆にハードル高すぎて――」

|  ‐o‐|「まあ、お前がアーノルドに憧れる気持ちは良く分かる。全盛期の頃のアイツには俺も一目置いていた」

(;'A`)(アーノルドってシュワちゃんのことか? ていうか人の話はもう全く聞いてねえな、この人)

|  ^o^|「何しろ“オーストリアン・オーク”、オーストリアの樫の木と呼ばれた男だからな」

(;'A`)(ああ、だからお気に入りなんだ)

| ;‐o‐|「でもな、お前の骨格じゃ無理だ。残念だが俺の力もそこまでは及ばない」

(;'A`)「いや、ですから、趣旨変わってません? 俺は別にボディービルダーになりたいわけじゃ――」

|  ^o^|「だが、お前の心意気は伝わった。さっそく今日からトレーニングを開始するぞ」

(;'A`)(……これはもう駄目かも分からんね)



93 :|  ^o^| 大きな樫の木の下で ('A`)のようです:2009/04/29(水) 18:49:40.89 ID:WihTdZBVO

 ――――そして地獄のような鍛練の日々が始まる。

 言い渡されたメニューを自宅でこなし、翌日に報告するという形式だったが、手抜きは出来なかった。


|  ^o^|「ドクオ……お前、カーフレイズの回数ごまかしたろ?」

(;'A`)「え? いや、そんなことは……」

| #`o´|「嘘をつくな。俺が指示した回数の半分しかこなしてない筈だ」

(;'A`)「なっ、何でそれを!?」

|  ^o^|「それくらい筋肉の張り具合を見れば分かるさ」

(;'A`)「マジすか。けど半分だけでも、ふくらはぎパンパンで……」

| #^o^|「ふくらはぎじゃない。“下腿三頭筋”と言え、愚か者」

(;'A`)(どっちでもいいだろ、そんなの)



96 :|  ^o^| 大きな樫の木の下で ('A`)のようです:2009/04/29(水) 18:51:55.53 ID:WihTdZBVO

|  ^o^|「大体な、そんなだから駄目なんだ、お前は。いいか? “筋肉がノーと叫ぶ時は自らの意志でイエスと答える”んだ」

(;'A`)「そんな無茶な」

| #`o´|「無茶なものかっ。お前はアーノルドの言葉を否定するつもりか?」

(;'A`)(またシュワちゃんかよ。どんだけ好きなんだ)

| #‐o‐|「どうなんだ?」

(;'A`)「……すいません。以後気を付けます」

|  ^o^|「そうか。なら良い。人は誰しも失敗を犯しながら成長していくものだからな」

(;'A`)(良いこと言ってるつもりなんだろうけど、何だかなあ)

 ――――毎日がこの調子でドクオは心身共にヘトヘトだったが、悪いことばかりでもなかった。



99 :|  ^o^| 大きな樫の木の下で ('A`)のようです:2009/04/29(水) 18:53:35.70 ID:WihTdZBVO

|  ^o^|「……なあ、ドクオ」

(;'A`)「何すか? 今回は手ぇ抜いてませんよ」

|  ^o^|「俺は何もいたずらに筋肉をいじめ抜けと言ってるんじゃないぞ」

(;'A`)(ホントかよ)

|  ^o^|「もっと筋肉と対話しろ。一方的に言うことを聞いたり、聞かせたりするだけじゃあ駄目だ」

(;'A`)「はあ」

|  ^o^|「筋肉との対話の中で人は徐々に真の限界を知る。己の弱さや強さを確りと見据えることが出来るようにもなっていく」

(;'A`)(えっ……)

|  ‐o‐|「そうやって鍛え上げられた肉体でこそ掴み取れるんだ。本物の自信ってやつはな」

(;'A`)「カッシー先輩……」

|  ^o^|「そして、そこまでいけば後はもう大丈夫だ。友達なんか自然と出来るようになるさ」



102 :|  ^o^| 大きな樫の木の下で ('A`)のようです:2009/04/29(水) 18:55:50.76 ID:WihTdZBVO

( A )「俺、俺……カッシー先輩のこと誤解してました」

| ;^o^|「え?」

( A )「……カッシー先輩はただの筋肉バカで、単に俺で遊んでるだけだと思ってたんす」

| ;^o^|「ちょwwwおまっwww」

( A )「でもっ、でも本当は……そこまで俺のこと考えてくれてたなんて……」

|  ^o^|「ドクオ……」

(;A;)「おで、がむばりますっ。今まで以上に。本気でカッシー先輩についていきます!」

|  ^o^|「よくぞ言ったドクオ! それでこそ俺の一番弟子だ!」

(;A;)「はいっ!」

|  ^o^|「褒美に明日からはポージングも教えてやる。もちろん此処でな」

(;'A`)「えっ?」



 ――――本当の地獄は、これからだった……。



104 :|  ^o^| 大きな樫の木の下で ('A`)のようです:2009/04/29(水) 18:57:52.03 ID:WihTdZBVO

|  ^o^|「さて、それぞれのポーズの流れはもう覚えたな?」

(;'A`)「はあ、一応は」

|  ^o^|「じゃあ俺の後に続いて復唱しながら一個ずつ練習な」

(;'A`)「でも、まだ野球部の奴らとかいますよ?」

|  ^o^|「それがどうした?」

(;'A`)「いや、トレーニングですら人目に付くとマズイからとか言って自宅でやらせてたじゃないすか」

|  ^o^|「なんだそんなことか」

(;'A`)「そんなことかって……ポージングなんかしたら目立ちまくりですよ」

|  ^o^|「努力する姿を人前に晒すのは格好悪いが、その成果を見せるのは何も恥ずかしいことじゃないだろう」

(;'A`)(やっぱりこの人、ただの筋肉バカだ……)

|  ^o^|「さあ、まずはフロントダブルバイセップスからだ」

(;'A`)(帰りてえ……)



106 :|  ^o^| 大きな樫の木の下で ('A`)のようです:2009/04/29(水) 19:00:15.31 ID:WihTdZBVO

| #‐o‐|「 返 事 は どう し た ? 」

(;'A`)「は、はいっ!(……こうなりゃヤケだ)」

|  ^o^|「“夢見よ上腕二頭筋!”」

<(//A//)>「“夢見よ上腕二頭筋!”」

|  ^o^|「反転してバックダブルバイセップス! “羽ばたけ荒鷲の僧帽筋!”」

<(   )>「“羽ばたけ荒鷲の僧帽筋!”」

|  ^o^|「ナイスカットぉおおっ。次は振り返ってアドミナブル&サイだ! “駆けろ草原の腹直筋!”」

〈(//A//)〉「“駆けろ草原の腹直筋!”」

|  ^o^|「キレてるキレてるぅううう!」

〈(//A//)〉(もうやだ……。でも、何だろう。この感じ……)

 カッシーの巧みな(?)煽りに持ち前の妄想癖を刺激され、ドクオは次第にのめり込んでいった。



108 :|  ^o^| 大きな樫の木の下で ('A`)のようです:2009/04/29(水) 19:02:46.01 ID:WihTdZBVO

|  ^o^|「ここから決め台詞はフリーだ。お前の魂の叫びを聞かせてくれ。サイドチェストぉおおお!」

(;'A`)「もっ、“燃えろ情熱の大胸筋!”」
∟ノ

|  ^o^|「デカいデカーい! サイドトライセップスぅううう!」

(*'A`)「“唸れ上腕三頭筋!”」
|  〉

 ――五体に刻み込まれたマッチョの妄想

(  )「“咆えろ鬼面の広背筋”」
〈  〉

 ――今や繰り出すポーズの全てに
   〟
('∀`)「モストマスキュラー!」
<   >

 ――筋肉の方程式は当てハマった


 にわかビルダー 欝田ドクオ 16歳の秋…………

 灼熱の時間(とき)――――――


| ;^o^|「ビューティフル……」



110 :|  ^o^| 大きな樫の木の下で ('A`)のようです:2009/04/29(水) 19:05:14.99 ID:WihTdZBVO

 ――――それから二年と半年の歳月が流れ、遂にドクオも卒業の日を迎えた。


|  ‐o‐|「今日でドクオもヴ高を去るのか……。寂しくなるな」

( 'A`)「カッシー先輩は結局ダブりっぱなしでしたね」

| ;‐o‐|「お前もいい加減しつこいね」

( '∀`)「ははっ、冗談ですよ。流石にもう信じてますって」

|  ^o^|「お、そうかそうか。嬉しいなあ」

(;'A`)(早朝や深夜にいきなり来てみても必ず居たからなあ)

|  ^o^|「ところで、今日は珍しく学ランなんだな。久しぶりに見たぞ、お前のその格好」

( 'A`)「はあ、卒業式くらいはちゃんと着てけってカーチャンがうるさくて」

|  ^o^|「なるほどな。で、既にボタンが一個もないけど、もしかして――」

(;'A`)「や、最初っから付けてないっす。胸囲がデカくなりすぎて締めらんなくなっちゃったんすよ」



113 :|  ^o^| 大きな樫の木の下で ('A`)のようです:2009/04/29(水) 19:07:25.46 ID:WihTdZBVO

|  ^o^|「そうか……。しかしお前も立派になったな。初めて会った時はただのモヤシだったのに」

( 'A`)「結局、友達は出来ませんでしたけどね」

| ;^o^|「あー……でも告白されたことは何度もあったろ。此処でさ」

(  A )「野郎ばっかでしたけどね。ショボン先生とか内藤とか二年のビロードとか他にも……」

| ;‐o‐|「わるい」

(´・ω( '∀`)「いっすよ。カッシー先輩には感謝して――」

(´・ω・`) Σ('A`;)「るぅおっ!」

(´・ω・`)「ドックン、卒業おめでとう」

(;'A`)「あ、ありがとうございます」

(´・ω・`)「卒業祝いのプレゼントがあるんだけど受け取ってくれるかな?」

(;'∀`)「……それはもう喜んで」

ジャーン(´・ω・`)つ-▲-▲-

( 'A`)ドウミテモ ブラジャーデス ホントウニ アリガトウゴザイマシタ

|  ^o^|(いいなあ)



115 :|  ^o^| 大きな樫の木の下で ('A`)のようです:2009/04/29(水) 19:09:35.45 ID:WihTdZBVO

(´・ω・`)「さっそく着てみてもらえないかな?」

(;'A`)「いやいや、俺は女装の趣味とかないですし。たとえあったとしても、こんな所でブラなんか……」

(;´・ω・`)「何言ってんの? これブラじゃないよ。大胸筋矯正サポーターだよ」

  |  ^o^|(そうそう。ドクオもまだまだ勉強不足だな)

(;'A`)「……そんなん知らないっすよ。つーか、どっちにしたって見た目は一緒でしょうが」

(´・ω・`)「やれやれ、君は本当に馬鹿だな。だから興奮するんじゃないか」

(;'A`)(マジキチ)

  | ;^o^|(これは酷い)

(´・ω・`)「さあ早く!」

( ´ ・ ω ・ ` )「さあ、さあ!」
 つ-▲-▲-⊂

((;'A`))「救命阿ッー!」


「「ちょっと待ったぁああああ!」」



118 :|  ^o^| 大きな樫の木の下で ('A`)のようです:2009/04/29(水) 19:11:53.98 ID:WihTdZBVO

( ^ω^)「ショボン先生。抜け駆けは許しませんお」

(;><)「そうなんです!」

(´・ω・`)「なんだお前らか。人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んでしまえばいいと思うよ」

(#^ω^)「……盗人猛々しいとは正にこのことですお」

(;><)「死ねばいいのはアンタみたいな“性職者”の方なんです!」

  | ;^o^|(ラウ~ンド1)

(´・ω・`)「ぶち殺すぞ」

  | ;^o^|(ファイッ!)


ギャーギャー ワーワー ギャーギャー

======┌(;'A`)」(逃げるなら今のうち)

 三つ巴のガチホモバトルの開戦を告げる合図と共に駆け出したドクオ。

 その背中を、樫の木だけが、何とも言えないような複雑な表情で見送った。

| ;^o^|(達者でな)



120 :|  ^o^| 大きな樫の木の下で ('A`)のようです:2009/04/29(水) 19:14:33.65 ID:WihTdZBVO

 ――――その後、ドクオは名門ヴィップ大学のボディービル部での活動を経て単身渡米。

 斯界の最高峰Mr.オリンピアを八連覇した偉大な漢、ロニー・コールマンの師事を仰いだ。

 そして数年後にはアーノルドクラシックを制し、悲願のMr.オリンピア初出場を果たす。

 調整ミスで入賞こそ逃したものの、日本人としては山岸秀匡以来、史上二人目となる快挙であった。

 校内の噂話でニュースを伝え聞いた樫の木も、それを我が事のように喜んだ。

|  ^o^|(まさか本当にここまでの男、いや、“漢”になるとは)

| ;‐o‐|(でも、そのせいで高校出てからも例のガチホモトリオに付け回されたらしいからな。友達は未だに出来てないかも……)

 残念ながら、今の樫の木にそれを確かめる術は無い。



122 :|  ^o^| 大きな樫の木の下で ('A`)のようです:2009/04/29(水) 19:16:22.20 ID:WihTdZBVO

 ――――しかし、専門誌M&Fのインタビューで、ドクオはこう答えている。

 ――ボディービルを始めた切っ掛けは?

( 'A`)「こういう言い方すると怒られちゃうかもしれないですけど、一人の“友人”との出会いです」

 ――その友人の方もボディービルを?

( 'A`)「ええ。基本は一から十まで彼に教わりました。僕は文字通り“彼の下で”鍛練を積んだのです」

 ――文字通り?

( 'A`)「ええ」


( '∀`)「大きな樫の木の下で」



     ~完~







125 :|  ^o^| 大きな樫の木の下で ('A`)のようです:2009/04/29(水) 19:18:39.53 ID:WihTdZBVO

以上です
支援どうも~

お題は

・大木
・ふくらはぎパンパン

の2つでやらしてもらいました

叩くなり、つねるなり、なでるなり、何でも良いので感想くれたら嬉しい

[ 2009/04/29 21:08 ] 総合短編 | TB(0) | CM(2)

おもしろかったよー 次回作に期待( ´∀`)
[ 2009/05/01 02:03 ] [ 編集 ]

今からベンチ頑張ってくる。気合い入った。
[ 2009/05/13 19:30 ] [ 編集 ]

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