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ノハ ゚⊿゚)は走り出すようです


831 :ノハ ゚⊿゚)は走り出すようです:2009/04/29(水) 14:28:34.51 ID:s8Vmfup+O

 ここは過疎化の進んで廃れてしまった町。そして私はそこに住む、平凡な将来を約束されていた少女だった
 そう、数分前まではそうだったのだ
しかし信じられるだろうか?日課の早朝マラソンのときに気分が高揚し

ノハ ゚⊿゚)「……時よとまれっ!!」

と冗談で叫んだだけで本当に時がとまってしまうなんて…


  ノハ ゚⊿゚)は走り出すようです



835 :ノハ ゚⊿゚)は走り出すようです:2009/04/29(水) 14:29:54.18 ID:s8Vmfup+O

 自分以外の音と生物の気配がしない大地をヒーは何かから逃げるように駆け抜けていく
  さっぱり状況が掴めないヒーは、走りながらわかった事を頭の中でまとめる…
 (私が当たった草花は空気との摩擦で燃えて消える。
 しかし耐熱性に優れている私も私の服も無事だ
 そして周囲が見えると言うことは光はとまっていない
 つまり私が最低限必要としている物は時がとまっていない
 二つ目に、空を見上げると雲は動いている。
つまり時がとまっている範囲には限界がある。その範囲内から逃げ出せれば!)

 火照った体を休めることもなくヒーは走り続ける
 彼女が今、最優先していることはこの空間から逃げることであろう
 しばらくすると暗雲が立ちこめてきた
 (雨か…。 体がますます冷えるな
 !?)



836 :ノハ ゚⊿゚)は走り出すようです:2009/04/29(水) 14:31:26.73 ID:s8Vmfup+O

 ヒーは自分が悪寒を感じているのに気がつく
 そのの原因を考えて間もなく、すぐさま背後から音がする
 すかさず振り向いたヒーの目に映ったのは黒や灰色といった色の肉の塊であった
 (あれは…。あれに捕まったら駄目だ!)
 直感的にそう感じたヒーは走るスピードを上げる
 しかし逃げても逃げても相手は追ってくる。その上、背後からだけではなく至る所からその化け物は襲ってくる

 疲れることを忘れてヒーは逃げ続ける
 だがしばらくしてある事に気がついたようだ
(これは…。やられた!)
 回避するように逃げ道を変えていたヒーは相手に誘導されていたらしく
 知能があるかどうかも不明な物体に、はめられていたのた
 気づいた所で既に遅い。奇妙な肉の塊はヒーの周りを囲んでいる
 (どうする、絶体絶命だ!)
 化け物達が、じりじりとヒーに近づく  (考える暇はない、こいつらを踏み台にして逃げる!それしかない)
 勢いよく飛んだヒーは相手を踏みつけようとする
 



837 :ノハ ゚⊿゚)は走り出すようです:2009/04/29(水) 14:32:56.57 ID:s8Vmfup+O

着地に失敗したヒーは派手に転ぶ
 その隙に化け物達はヒーに群がり始める
 (息が、体が…!) 体の自由が奪われる
 ヒーがもがいても触れることのできない相手ではどうすることもできない
  遠くから誰かが不思議な声でヒーに話しかける



  ――こっち…来…

 ――…やく…い

 薄れる意識の中ヒーは相手に話しかけた
 (この場から逃げ出せるならとっくにそうしている…)

 ――君に……できる。そ…力…ある…

 (力?なんのことだ)
 ――死に…のか?早…解き放て

 (嫌だ!



ノハ#゚⊿゚)「こんな所で死んでたまるかあああああああ」

 ヒーの雄叫びと共に、体がうっすらと赤い光に包まれ、
まとわりついていた塊達が弾け飛び煙のように消え去る



839 :ノハ ゚⊿゚)は走り出すようです:2009/04/29(水) 14:34:10.68 ID:s8Vmfup+O

 (なんだこれは?
) 
 ――さ…、……へ早く…い。…を破壊しろ

 謎の声は場所を示しているようだがヒーには聞き取れない
  魔物を消したヒーの光消えてしまい、一部は消滅したとはいえ奇妙な塊はまだ残っている。ヒーには立ち止まっている暇は無い
 (仕方がない。声の聞こえる方向へ走るか…
 捕まったときの力をコントロールできないヒーは化け物を避けながら走りだす 
 (あれは本当に私がやったのか? まあいい。声の主に詳しく聞いてやるさ



840 :ノハ ゚⊿゚)は走り出すようです:2009/04/29(水) 14:35:43.78 ID:s8Vmfup+O

 声のする方向へ走っていくとそれは森の中から聞こえるのがわかった。
 (山道を走るのは慣れているけど疲れる…
  しばらくは山道を走っていたが、途中で道がない坂の下から声している
 日々鍛えた体力は底をつきかけているため、遠回りしている余裕はない
 (こうなりゃ直進だ! どうにでもなれ)
 崖と言っていい坂道をヒーは木々の間を止まることなく滑り落ちていく

いや、止まれないようだ… 

ノハ ゚⊿゚)「うおおおおおおお」

木の枝に足を引っ掛けたヒーは豪快に転げ落ちていく
 
ノハ ゚⊿゚)「いてえええええええ」

幸いにもヒノキの葉やぬかるんだ土といったものがクッションとなり大事に至るまでにはならなかったようだ
 (五体満足だけど…。打ち身とか痛いもんは痛いさ )




844 :ノハ ゚⊿゚)は走り出すようです:2009/04/29(水) 14:37:38.89 ID:s8Vmfup+O

 (それより…こんな所に神社?)

 ヒーが転げ落ちた先に古びた神社が見える
誰も参拝していないらしく、入り口にすら道を見つけることができない

 ――こっち

 声がはっきり聞こえるので場所は間違いではないようだ
 ゆっくりしている暇もない。意識があるかわからない化け物の方が崖から落ちるのに躊躇せず、早いからだ
 ヒーは急いで境内へと入っていく

 (声はこの辺りからか?)
 辺りを見回していると古びた社が目に入る
 
 ――破壊を

 どうやら社の中から聞こえるようだ
 ヒーは社をぶち壊す。社の破壊は声の主は望みとは違うだろうが、そんなことはどうでもいい
 
 (私を呼んでいたのはこいつか…)
 ヒーの右手には刀が握られている
 
ノハ ゚⊿゚)「おい刀、何がどうなっているかと私を呼んだ理由を話せえええ」

 ――早く破壊を

 ヒーの質問の内容を無視して刀は答える



847 :ノハ ゚⊿゚)は走り出すようです:2009/04/29(水) 14:39:12.28 ID:s8Vmfup+O

 武器が殺戮を求めているとは物騒な話しではないか
 そんな恐ろしいものに頼っていいのだろうか…、などと考えているうちに化け物達が追いついてきた

 (気にしている暇はないな…)
 ヒーは鞘を投げ捨て構える

 刀身が曇っていることや、罅が入っていることに、彼女は気にする様子がない
 (骨董品だろうと何か力があるならそれでいい)

ノハ ゚⊿゚)「刀よ、願いを叶えてやる!」

 ヒーはそう叫ぶと化け物に斬りかかった
 綺麗な線を描いた刀は折れることもなく、相手の体を切断し、
真っ二つに斬られたれた相手は体を保てずに溶け出す
 (触れる前に切れているのか?手応えがない
 だが頼もしい限りだ、これならいける!)
 そのまま勢いに身を任せヒーは群れの中に飛び込む
 化け物はこの刀に恐怖を覚えるらしく、一斉に宙に逃げ出していく



848 :ノハ ゚⊿゚)は走り出すようです:2009/04/29(水) 14:40:26.94 ID:s8Vmfup+O

 (ん?)
 逃げ出してた先での化け物の様子がおかしい
 どうやら混ざり合って巨大化しているようだ
 化け物達はもの凄い勢いで合体し、ヒーは圧倒される  
 全ての化け物が一つになったらしく、ヒーの身長の倍ぐらいの大きさになったものが目の前に落ちてくる
 表情はこわばりながらも彼女は逃げ出さない
 (こいつさえ倒せれば悪夢は終わる!)  彼女の性格上、対抗できるのに逃げ出すことはできないらしい
 ヒーは踏み込み、真上から刀を振り下ろす。
 しかし、確かに刀は当たったようにだが化け物に変化は見られない

 (効かない!?)

そもそも刀を恐れずに寄ってくる時点で予想がつくものだが、ヒーにはそんな余裕はなかった
 
 化け物がヒーににじり寄る
 (これはヤバい。また捕まったら…
  もしまた捕まったら私はさっきの光は出せるのだろうか?)



852 :ノハ ゚⊿゚)は走り出すようです:2009/04/29(水) 14:41:54.90 ID:s8Vmfup+O

 (いや、今すぐ自分の意識で出すんだ。さっきの感覚を思い出せ!)
 ヒーは刀を左手に持ち、右手に意識を集中させる
 すると、右手がうっすら輝きだす

ノハ ゚⊿゚)「死ね、化け物おおおお」

 ヒーの輝く拳から繰り出されたパンチは閃光と共に相手に大きな風穴をあけるが、まだ化け物は消滅する気配はない
 そこで、すかさずヒーは自分があけた穴に入り込み、片手で刀を振り回す
 暴れるまわる刀に魔物は散り散りにされて、やっと煙となって消滅する
 (これで終わりだよな…)
 
 ――…を破壊して

 (まだ何かあるのか!



855 :ノハ ゚⊿゚)は走り出すようです:2009/04/29(水) 14:44:14.75 ID:s8Vmfup+O

 ―― 私を破壊して。私を解放して

 どうやらこの刀は殺戮を望んだのではなく、自分を役目から解放してくれる人間を探していたらしい
 (勘違いをして悪い事をしたな…。 これがあれば私の身を守ることができるかもしれないけど…
  今までもこのような使われ方をされてきたのだろう。今度は私がこの刀を役目から解放する番だ)
 ヒーは刀を近くにあった岩に叩きつける
罅の入った刀は簡単に割れ、そこから砂のように散っていった

 ――ありが……。
ノハ ゚⊿゚)「お互い様だ」

 そう言い放つと彼女は緊張の糸が切れたようで、自分を支えられなくなった体でその場に座りこむ。安心感を感じた瞬間、睡魔が彼女を襲う
 (少し休もう…)




858 :ノハ ゚⊿゚)は走り出すようです:2009/04/29(水) 14:46:34.32 ID:s8Vmfup+O

――今お前を襲った相手は、生命の負の力が凝縮された生命体だ
 お前の力に目をつけて、取り込もうとしたらしい
 だが、お前はそこで力を使えるようになった
 そのおかげでお前は襲われることは無くなる
 しかし、世界中にはお前のように力があるものは少なくなく、あいつらの被害から自分を護れない人間が多くいる
 一応対抗できる神器はあるのだが、一般人の手にはいらない
 もしその人々を助けたいなら、これからお前は今のような下級の相手ではなく、もっと凶悪なものを相手にする事になるだろう

 選択権はお前にある。自分の道は自分で決めろ…




862 :ノハ ゚⊿゚)は走り出すようです:2009/04/29(水) 14:47:53.07 ID:s8Vmfup+O

 ヒーはふと目を覚ます
 (どこまでが夢なのかわからないな
 今ヒーにしなければいけないのは赤の他人の心配よりも自分の心配である
 (私には力があるのか。半信半疑だが確かめてみるか  そう考えたヒーは集中しながら大声で叫ぶ

 「ノハ ゚⊿゚)「……時動き出せっ!!」

 強風と共に森の木々が騒ぎ出す
 (夢のお告げも本当かもな。なら私の道は決まってる)

ノハ ゚⊿゚)「面白い人生になりそうだああああ!」



868 :ノハ ゚⊿゚)は走り出すようです:2009/04/29(水) 14:49:23.93 ID:s8Vmfup+O

 霊刀を封じ込めていた鞘を何かの約に立つだろうと思い拾い上げ、彼女はそれを片手に自宅に向けて走りだす
 どんな困難があろうと、きっと立ち止まることは無いだろう。彼女には力も勇気もあるのだから…

終わり







お題
早朝マラソン
ノハ ゚⊿゚)「……時よとまれっ!!」
骨董刀に憑いた霊

[ 2009/04/29 21:05 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

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