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('A`)追いかけるようです


643 :('A`)追いかけるようです:2009/04/29(水) 01:28:41.44 ID:lUdb42EP0

シーツが柔らかい、伸びをするれば肌に引きつくようなそれは白い光を放っているようだった。

「あぁ・・・」

また、ここだ。

「やっぱり無理なのじゃ」

「うん」

月に照らされる彼女の体はきれいだった。

「妹者はドクオのことを好きになれないのじゃ」

「うん」

首元に顔をうずめて、腰に手を回す。女特有の滑らかな肌が心地よい。

「妹者が本当に好きなのは・・・」

シーツを潜っていた両手を彼女の耳へと覆いかぶせる。
彼女の両方の耳をふさぐと肌と肌が擦れ合った音さえ聞こえなくなる。もう不思議にも思わなくなった。
小柄なはずの自分の手なのに頭まで手が届いてしまうのは彼女が女の子だからだろうか。

「    」

自分の名を奏でようとしない唇など見ていたくはない。僕はそっと目を閉じた。

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645 :('A`)追いかけるようです:2009/04/29(水) 01:32:50.08 ID:lUdb42EP0

('A`)「・・・」

思春期だと一言で切り捨てられるような夢だ。数えるのを忘れてしまうほどに見たとしてもそれは変わりはしないだろう。
いつだってベットの中で語られる言葉は変わらない。
それがただただ悲しくてたまらないのだ。

('A`)「諦めてんのかなぁ」

ノパ⊿゚) 「諦めたら試合終了だぁああああああああ」

窓を打ち始めた雨を横目で見て自らに語りかけるように言った言葉はどこかで聞いた言葉によって会話となった。

('A`)「俺はグレてねぇぞ」

冗談めいて言えど胸の中がストンと落ちたような感覚は拭えずにいた。
そんな彼の些細な感情など置いてきぼりで楽しげな会話はとりとめとなく続いたはずなのに。

(*‘ω‘ *) 「どうしたっぽ?」

('A`)「ん?」

(*‘ω‘ *) 「元気がないっぽ」

顔を覗き込ませて言う彼女に本当のことを言うわけにもいかない。

('∀`) 「なんだよ、俺のこといつも見てくれてんの?」



647 :('A`)追いかけるようです:2009/04/29(水) 01:35:09.74 ID:lUdb42EP0

(*ω *) 「・・・」

('A`;)「あれ?」

冗談で怒るやつもいる。まずいことしたかな。

(*‘ω‘ *) 「ぷっ。こんなんで動揺しちゃうなんてまだまだ子供っぽね」

特徴的な赤い頬を更に赤くしてせせら笑う。

('∀`) 「ちょっ、ふざけんなし」

またケタケタとそれはそれは楽しいことかのように声をあげる。
嫌じゃない、きっと興味がないだけなのだろう。笑顔は否が応うにも虚ろになる。
おそらく自分の宝箱は小さいのだろう。とても友人と想い人両方を入れるスペースはないようだ。
雨音がひどくなる。想う心といくつも重なる地面を打ちつける音が交じり合う。

*******************



649 :('A`)追いかけるようです:2009/04/29(水) 01:38:16.22 ID:lUdb42EP0

l从・∀・ノ!リ人「皆既日食が楽しみでしかたないのじゃ」

少しだけ薄暗くなったグラウンドを眺めて、彼女はいつものように朗らかに笑う。

('A`)「それだったら天文学部に入ればよかったのに」

l从・∀・ノ!リ人「あそこはDQNのすくつなのじゃ。しかも先月唯一あった望遠鏡も盗まれたそうなのじゃ」

('A`)「えー、なんだそれ」

飾りっ気のない会話がこんなに華やかに見えるのは彼女が愛らしい声が途切れることなく楽しげに投げかけられるからだ。
元来ゆっくりとした会話が好きだった。同級生はただ楽しんでいたかったらしくそんな会話などできなかった。
流されやすい性格と少しだけ周りの雰囲気さえ読めさえすれば・・・なんていうことはない。いつものメンバーとやらの頭数に入っているのだ。
無理はしていないつもりだった。全校生徒が部活に入ることという校則に従って、しぶしぶと、人数が少なくて大変じゃなさそうな
このパソコン部に入るまではずっとそう思っていた。

同じ部活の人間と段々と過ごすうちに大切なことに気がついてゆけたようだ。
こちらが楽しませようとしなくても会話自体を楽しむということを彼らは教えてくれた。
こちらは受け入れるだけなのにたったそれだけで求められるに値するということを彼女は教えてくれた。
今まであった日常にやがて胸にゆっくりと重しがされてゆく。
夢でさえ彼女を頼る日々が続く。

l从・∀・ノ!リ人「誰かと一緒に見たいのじゃ」

('A`)「・・・」

普通なら安い誘い文句だが、その普通と彼女のズレといささかの緊張を考えると簡単な言葉さえ出ない。



650 :('A`)追いかけるようです:2009/04/29(水) 01:41:03.19 ID:lUdb42EP0

l从・∀・ノ!リ人「星って一人で見ると寂しくなるのじゃ。もしかしたら家で見たほうがいいのかも知れないのじゃ」

頭に浮かんだテンプレートのような短文を口に出さずにいてよかった。

l从・∀・ノ!リ人「星を見ると吸い込まれそうで怖いのじゃ。暗闇に星と一人は寂しいのじゃ」

('A`)「星が好きじゃなかったっけ?」

跳ね上がった後にゆっくりと落ちた心拍数は、太陽は月に分類されるのかとか他のことを考える余裕を与えるまでとなってきた。

l从・∀・ノ!リ人「好きだけど寂しいのじゃ。でも月は別なのじゃ」

('A`)「ふーん」

l从・∀・ノ!リ人「顔を出してくれるのじゃ。星は小さいからいなくなってもわからないのじゃ」

小さな星では目で追わない間に消えてしまうのが寂しいのか。

('A`)「月は雲に隠れてもわかるからね」

l从・∀・ノ!リ人「そうなのじゃ」



652 :('A`)追いかけるようです:2009/04/29(水) 01:44:37.54 ID:lUdb42EP0

本当は半分も分かりはしていないのに理解されたことが嬉しいのか寂しげだった少しだけ笑みがこぼれる。

l从・∀・ノ!リ人「ドクオ・・・」

('A`)「何?」

空気が変わった。無機質な活動の音だけが聞こえる。

l从・∀・ノ!リ人「ドクオもなのじゃ」

グラウンドにもう人はすっかりいない。

l从・∀・ノ!リ人「見てるとなんだか寂しくって仕方がないのじゃ」

*******************

こんなにも一緒にいれて安心できた人はなかなかいなかった。とても嬉しかった。
見ていると寂しくて仕方がないと言われてしまった。心がザワザワと揺れた。


君は不思議な人でした。月にかかった雲は流れてゆきましたか?星は一緒に居てくれましたか?
宝箱はいつでも空けておくよ。月と共に居たいと願い、星を追いかけていった君へ。
君と月を探しに行こう。寂しくないように、いつでも照らせるように。







653 :('A`)追いかけるようです:2009/04/29(水) 01:47:29.05 ID:lUdb42EP0

('A`)追いかけるようです

お題

・ノパ⊿゚)か('∀`)
・白い部屋
・流石兄弟か妹者
・(*ω *)

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耽美ってなんじゃい

[ 2009/04/29 20:56 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

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