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( ><)と川 ゚ -゚)は親子のようです


141 :( ><)と川 ゚ -゚)は親子のようです:2009/04/27(月) 20:09:33.12 ID:66FU3ykaO

一人はつまらない。
一人は怖い。
一人は寂しい。
でも、何故か一人で居たいんだ。

( ><)と川 ゚ -゚)は親子のようです

川 ゚ -゚)「…」
川 ゚ -゚)(買い物に行くか…)
部屋の真ん中でポツンと座る私は午後五時半、やる事も無いので買い物をする事にした。
こんなボロアパートの一室に盗まれそうな物は特に無いが、部屋の鍵を掛ける。
ただ買い物に行くために鍵を掛ける。
他に意味があるとするならば習慣だから。
いつもと同じ道、いつもと同じ風景、いつもと同じ一日、これの繰り返し。
ただ、今日は違った。
「うぅ…ひぐっ…」
川 ゚ -゚)(子供の…泣き声?)
もう目と鼻の先にスーパーが見えているのに、当初の予定である買い物より子供の泣き声が気になった。



143 :( ><)と川 ゚ -゚)は親子のようです:2009/04/27(月) 20:11:06.37 ID:66FU3ykaO

声のする方向には確かVIP公園があった筈だ。この時間帯は、あまり子供が居ないのはわかっていたが、子供と思われる声はVIP公園の方向から聞こえる。
川 ゚ -゚)(子供というのは不思議だな…何故入りたがるのか)
私が見ている方向には、子供には大きいであろうジャングルジムがある。その鉄でできた網目の中に子供は居た。
川 ゚ -゚)「どうした?何故泣いている?」
子供の扱いは苦手、というより子供に関しての知識はほとんど無い。なのに声をかけてしまった。
( ><)「………」
私の声に反応したのか、泣くのをやめたようだ。しかし、うつ向いたままで口を開かない
川 ゚ -゚)「黙ったままではわからないだろ?」
( ><)「……ないんです」
川 ゚ -゚)「ん?」
うつ向いたまま子供は、今にも消えそうな声で返事をした。



145 :( ><)と川 ゚ -゚)は親子のようです:2009/04/27(月) 20:13:39.30 ID:66FU3ykaO

( ><)「わかんないです…ここがどこかわかんないです…」
川 ゚ -゚)「?…母親や父親はどうした?一緒じゃないのか?」
久しぶりに人と話をした気がする。引きこもりがちな自分が、ここまで喋っているのは不思議だ。
( ><)「起きたらここに居たからわかんないです…」
川 ゚ -゚)「…そうか」
思わず怒りで握り拳を作ってしまった。私の考えが正しければ、この子供は捨てられたのだ。それも寝ているうちにこの公園に…
(; ><)「!…血が出てるんです!」
川 ゚ -゚)「えっ?」
指の爪が食込み、握り拳から血が垂れている。夕日に照らされてまた違った色に見える。
(; ><)「怪我をしたら洗うってお母さんに言われたんです!だから洗うんです!」
川; ゚ -゚)「お、おい…」



147 :( ><)と川 ゚ -゚)は親子のようです:2009/04/27(月) 20:16:39.82 ID:66FU3ykaO

ジャングルジムの鉄の網を綺麗に掻い潜り、出てきた子供は私の手を掴み強引に引っ張る。どこからこんな力が出るのだろう。
公園の蛇口で手を洗う。ひんやりとした水が気持ちいいが傷口にしみる、
(; ><)「手を洗ったら絆創膏を貼るんです!絆創膏は…」
(; ><)「無いん…です…」
川 ゚ -゚)「安心しろ、そこまでしなくても大丈夫だ」
(; ><)「なんでなんですか?わかんないです…」
川 ゚ -゚)「ああ、それは…」
川 ゚ ー゚)「大人の特権だ」
久しぶりに笑った気がする。こんな普通の会話も悪くはない。
しかし、簡単には崩れない。人との関わりを遮断する壁は…
ふと空を見上げると綺麗な夕日はその場に無く、代わりに星がちらほらと姿を現した。
川 ゚ -゚)「そういえば君の名前を聞いていなかったな、名前は?」
( ><)「ビロードなんです!」



151 :( ><)と川 ゚ -゚)は親子のようです:2009/04/27(月) 20:21:04.80 ID:66FU3ykaO

川 ゚ -゚)「ビロードか、いい名前だ。私はクーと呼んでくれ」
川 ゚ -゚)「それでだビロード、もう暗くなるし一人では危険だ。だから…良ければ私と一緒に行動しないか?」
何を言っているんだ私は。いくらビロードが子供でも見知らぬ女についていくる筈が無いのに…
( ><)「わかったです!」
川; ゚ -゚)「えっ…?いや待つんだビロード。知らない人にはついて行っては駄目だと教えてもらわなかったのか?」
( ><)「クーは知らない人じゃないです!今知ってる人になったです!」
自分で言うのもおかしな話ではあるが、ビロードを見つけたのが私で良かった。もしこのままにしていたらすぐに人を信用してついて行くだろう。それが危険な人物だとゾッとする。
川 ゚ -゚)「そ、そうか…とりあえず私の家に行こうか。ここよりはマシな筈だ」
買い物に行く筈だったが、ビロードの事が気になるし、急いでいる訳でも無かったから買い物は明日行く事にしよう。



153 :( ><)と川 ゚ -゚)は親子のようです:2009/04/27(月) 20:23:29.95 ID:66FU3ykaO

帰り道にビロードは自分の事を語ってくれた。
母親の事、父親の事、学校生活の事、友達の事。一つ一つを楽しそうに笑顔で喋るビロードを見るたびに胸が苦しくなる。
話に夢中になっているとあっという間に到着した。私の家、いや、ただの休憩所に。
川 ゚ -゚)「見ての通りのボロアパートだが、私の部屋は毎日掃除しているのでな。狭さ以外で不快に思う事はないだろう」
( ><)「楽しみなんです!」
今にも壊れそうな鍵穴に鍵を差し捻る、鍵独特の音がした後ビロードは私よりも早く扉を開け部屋に入った。
(* ><)「広いんです!」
ビロードはこの部屋を広いと言う。必要最低限の生活用品しか置いてない部屋は狭いながらも空きがあるからだ。私には殺風景という言葉が似合うと思うが。



154 :( ><)と川 ゚ -゚)は親子のようです:2009/04/27(月) 20:25:14.81 ID:66FU3ykaO

川 ゚ -゚)「お腹空いているだろう?何か食べたい物があるなら聞くが?」
( ><)「沢山あってわかんないです…」
私は冷蔵庫の扉を開けて中を確認してみた。卵が無駄に多い気がする。子供が好きそうで卵を使う料理といえばアレぐらいしかない。
川 ゚ -゚)「オムライス…だな、オムライスにしよう」
(* ><)「わーい!楽しみなんです!」
両手を上げてバタバタと動く仕草が可愛らしい。不思議とオムライスを作る手に力が入る。
半熟に焼いた卵にチキンライスを乗せて包むだけの簡単な物だ。
(* ><)「…」
ビロードがはしゃいでいたのは最初だけで、どうやらオムライスができるまで静かにしているようだ。そんな風に母親に言われていたのだろうか。



157 :( ><)と川 ゚ -゚)は親子のようです:2009/04/27(月) 20:26:59.19 ID:66FU3ykaO

川 ゚ -゚)「できたぞ。冷めないうちに食べてくれ」
( ><)「あっ、ケチャップ…」
川 ゚ -゚)「ん?ああ、成る程」
子供はオムライスの上にケチャップをかける場合、文字を書いて遊んだりするらしい。食べ物で遊ぶな、と言いたいところだが今回は許そう。
川 ゚ -゚)「何を書くんだ?」
(* ><)「今日の事を書くんです」
私が渡したケチャップでビロードはオムライスの卵の上に「しあわせです」と書いた。
川 ゚ -゚)「意味をわかって書いているのか?」
( ><)「よくわかんないです…わかんないけど、なんだかクーと一緒に居ると体がポワーってなるんです」
川 ゚ -゚)「そうか…幸せか」
私と一緒に居ると幸せ?そんな馬鹿な事が…私こそわからないさビロード。
半日も過ごしていないんだぞ?独り身なんだぞ?家族に…見捨てられた女なんだぞ?



159 :( ><)と川 ゚ -゚)は親子のようです:2009/04/27(月) 20:31:53.41 ID:66FU3ykaO

( ><)「ハムッ!ハフッ!」
私が高校生の頃、父は家を出ていった。何故だろう、私が何かしたのか?母が何かをしたのか?母は私の学費を払うために必死で働いた。私も勿論アルバイトをして楽になって貰おうと思った。
(; ><)「あっ…こぼれちゃったです」
だが母は突然家に帰って来なくなった。そう、父のように。
私が貯めていたアルバイト代でなんとか学校は卒業できた。美術の専門学校に行きたかったがそんな事もできる筈が無く、就職するしか無かった。
( ><)「ゴミ箱の場所がわかんないです…」
親戚の流石家に引き取られてからは安定した生活を送ってはいた。しかし、流石家の人々は私を「可哀想な子」という風な目で見てくる。その目線が耐えられなくて出ていった。そして現在ボロアパートで一人暮らしをしている。



160 :( ><)と川 ゚ -゚)は親子のようです:2009/04/27(月) 20:33:21.88 ID:66FU3ykaO

そして人との関わりに壁を作った。職場でも、近所でも、何もかもに。そんな私と一緒にいて幸せなのか?
( ><)「ゴミ箱はどこなんです?」
不意にビロードが私の顔を覗き込んできた。
川; ゚ -゚)「っ!驚かさないでくれ…」
考え事をすると周囲が見えなくなる、と誰かに言われた気がするがここまでとは思わなかった。
川 ゚ -゚)「ゴミ箱はテレビの横だ。見にくいから覚えておいてくれ」
( ><)「あったんです!」
川 ゚ -゚)(覚えておいてくれ…か)
川 ゚ -゚)どうせすぐに忘れるのに…)
ビロードが捨て子だとしても、私には養う事はできない。人間関係的な問題、金銭的な問題、そして何より他人なのだ。



161 :( ><)と川 ゚ -゚)は親子のようです:2009/04/27(月) 20:34:32.84 ID:66FU3ykaO

川 ゚ -゚)「さて、そろそろ寝る準備をするか」
窓の外はすっかり暗くなり、夜空には小さい星がちらほら見える。
( ><)「手伝うんです!」
川 ゚ -゚)「ん、すまないな」
押し入れの扉を開けて敷布団を取りだそうとする。ビロードは必死に敷布団を持とうとするが、意外に重くそのまま埋もれてしまった。敷布団の間から出てきたビロードはそれでも笑顔だ。
寝る準備ができた途端にビロードは布団へ向かう。それから横になり数分も経たずに寝てしまった。
( ><)「すー…すー…」
川 ゚ ー゚)「ふふっ…気持ちよさそうな寝顔だな」
隣で寝ているビロードの頭を撫でる。これが母性という物なのか?認めたくは無い、いや、認めてはいけない。認めたら私が私では無くなりそうな気がする。
明日は警察署に行こう…もしかしたら捜索願いが出ているかもしれない。勿論ビロードは連れて行かずに。
次第に瞼が下がってくる、明日はやる事が増えて大変だ。





163 :( ><)と川 ゚ -゚)は親子のようです:2009/04/27(月) 20:35:40.76 ID:66FU3ykaO

川 ゚ -゚)「そう…ですか、わかりました」
翌日、仕事の帰りに警察署に寄った。勿論捜索願いが出てるかどうかだ。しかし、予想通り捜索願いは出ていなかった。
川 ゚ -゚)(早く帰ろう、あまりビロードを一人にはしたくない)
ビロードには部屋を出るなと言ってあるし、大丈夫だろう。それでも不安なのか、私は無意識に走っていた。
川; ゚ -゚)「た、ただいま!」
アパートに着いた途端に扉を壊す勢いで開けた。走った時に出た汗と不安な気持ちで出た変な汗が気持ち悪い。
それでもビロードの笑顔を見れば忘れる。
( ><)「おかえりなんです!」
そうこの顔、この笑顔。今の私はこの笑顔を見たくて堪らないでいる。
( ><)「クー?」
川 ゚ -゚)「ん?どうした?」
( ><)「僕、本当に学校に行かなくていいんです?」
川 ゚ -゚)「ああ、今全部の学校は長い休みなんだ」



164 :( ><)と川 ゚ -゚)は親子のようです:2009/04/27(月) 20:36:24.17 ID:66FU3ykaO

当然嘘だ。ビロードの行っている学校が不明な今は家から出すにはいかない。
いつまで私はビロードを騙しつづけるのだろう。今すぐ本当の事を言いたい、でもそれを知った時のビロードの姿は見たくはない。だから嘘をつく。
川 ゚ -゚)「今日の夕飯はカレーだ。おかわりは勿論あるぞ」
(* ><)「カレーも大好きなんです!」
カレーならビロードも食べるだろうと思っていたが案の定好物のようだ。作る私も嬉しい気持ちになるようなこの笑顔は一人の時では絶対見れなかっただろう。
カレーができる頃には既にスプーンを持って準備万端なビロードの姿があった。皿に盛って机に置くとビロードは無我夢中で食べ始めた。またあの笑顔、私を癒してくれる笑顔。
そして私はこの時確信したのだ。
私はビロードを離したくない、ずっと一緒に暮らしたいのだと。



172 :( ><)と川 ゚ -゚)は親子のようです:2009/04/27(月) 20:46:10.25 ID:66FU3ykaO

──時が進むのは早い。
あれからもう一ヶ月が過ぎた。
ビロードはすっかり私になついていて、私はビロードが居なくてはいけないような人間になっていた。
もう警察署には行ってない。どうせ捜索願いは出されていないだろう。一週間前までは毎日行っていたが、やはり出されていなかった。
だが今日捜索願いが出されていたら?そうなったらビロードを両親の元に返さなければならないのか?嫌だ。私はビロードを手放したくない。一度手放したような人間に何故返す?どうせまた捨てるんだろう?なら私の傍で暮らした方が幸せなのではないか?
思ってはいけない気持ちがどんどん溢れてくる。私は歪んでいる。こんな歪んだ人間にビロードを幸せにできる筈がない。できる筈がないのに、ビロードを幸せにできると思っている自分がいる。
でもいつかはビロードに話さなくてはならない。その日は少しずつ、確実に迫っていた。



174 :( ><)と川 ゚ -゚)は親子のようです:2009/04/27(月) 20:49:47.16 ID:66FU3ykaO

川 ゚ -゚)「ビロード、大事な…話があるんだ」
( ><)「何なんです?」
机を挟んで向かい側にビロードを座らせる。全て打ち明けよう。この歪んだ私とこの生活に決着を付けるために。
このままではお互いのために良くない。
川 ゚ -゚)「ビロード、実は君は両親に…」
その時だ、玄関のインターホンが鳴った。それも一回だけではない、何回もだ。
川 ゚ -゚)「…すまない、少し待っててくれ」
嫌な予感がした。この扉を開いた先にいる人物、それが誰なのか。
もしかしたら…もしかしたら…
そんな筈はないと自分に言い聞かせ、扉を開けた。
ξ ゚-゚)ξ「…」
見知らね女性がいる、歳は私と同じくらいか?だがどこか若々しい雰囲気が漂っている。珍しいものを見るように私を見た後女性は口を開いた。



175 :( ><)と川 ゚ -゚)は親子のようです:2009/04/27(月) 20:50:55.00 ID:66FU3ykaO

ξ゚⊿゚)ξ「息子は…ビロードはここに居るの?」
ああ、やっぱりそうか。神様は酷い事をしてくれる。丁度打ち明けようという時に出会わせるのだから。
川 ゚ -゚)「ああ…だがこの話は外でしよう。ここでは流石に…な」
ビロードがこちらに気づかないうちに私とビロードの母親は玄関の外に出る事にした。
先に口を開いたのは母親の方だ。
ξ゚⊿゚)ξ「さっ、息子を返してちょうだい。ここまで世話してくれてありがとね」
川 ゚ -゚)「その前に、どうしてこの場所がわかった?」
ξ゚⊿゚)ξ「簡単よ、貴方と息子が一緒に居たところを見た知り合いに聞いて、色々調べてるうちにわかったのよ」
川 ゚ -゚)「そうか…では話を戻そう。今更返してくれだって?ビロードを捨てた貴方が何故そんな態度でその言葉を言える?」



178 :( ><)と川 ゚ -゚)は親子のようです:2009/04/27(月) 20:52:54.96 ID:66FU3ykaO

ξ゚⊿゚)ξ「決まってるじゃない、「親」だからよ。貴方みたいな「お母さんごっこ」をしている身じゃないのよ」
川# ゚ -゚)「私は何を言われても構わない、だが貴方は一度ビロードを捨てた!しかも警察に捜索願いも出していないじゃないか!」
ξ゚⊿゚)ξ「あれは主人と話して決めた事よ。警察まで出てくるような面倒事にはなりたくないしね」
川# ゚ -゚)「本当に心配なら警察が出てきても問題ない筈だろ?何より一度捨てておきながら、返してくれだなんておかしいじゃないか」
ξ゚⊿゚)ξ「はぁ…わからないの?それを決めるのは私達「親」なの。貴方じゃないの」
そうだ、いくら私が熱くなったところで所詮は他人だ。「お母さんごっこ」では「親」には勝てない、わかっていた事じゃないか。わかっているのに…私は…それを否定したい。
川 ゚ -゚)「私は…ビロードを貴方に返す訳にはいかない」



180 :( ><)と川 ゚ -゚)は親子のようです:2009/04/27(月) 20:54:12.12 ID:66FU3ykaO

ξ#゚⊿゚)ξ「…いい加減にして、これ以上事を大きくしないでよ」
川# ゚ -゚)「もう一度言う、私はビロードを貴方には…」
(; ><)「ふ、二人ともやめるんです!」
すぐ後ろの扉が開き出てきてたのは…ビロードだ。目にはうっすらと涙が浮かんでいる。
川; ゚ -゚)「ビロード!?まさか…聞いてたのか…?」
(; ><)「…」
しまった。流石に熱くなりすぎた。多分全部聞いてしまっただろう。捨てられた事も、私が親の元に返す気が無い事も。
ξ゚⊿゚)ξ「丁度良かったわビロード、さっ、帰りましょ?こんな女の所に居ても何も無いわよ?」
もう、終わりか…この生活も。やはり私は人間関係の壁をもっと高く作るべきだった。こんな辛い事はもう経験しないと決めたのに。
( ><)「…です」
母親がビロードの手を掴もうとした、と同時にビロードはその手を強く払った。



182 :( ><)と川 ゚ -゚)は親子のようです:2009/04/27(月) 20:55:03.09 ID:66FU3ykaO

ξ;゚⊿゚)ξ「…っ!」
川; ゚ -゚)「…えっ?」
どうしたんだビロード?母親だぞ?母親にそんな事しちゃいけないだろ?
( ><)「嫌です!行きたくないです!」
( ><)「僕は…僕は…クーと一緒に居たいんです!」
そんな…有り得ない。私と一緒に居たいなんて。何故?どうして?
ξ;゚⊿゚)ξ「どうしたのよビロード!私よ?貴方の母親のツンよ?」
ξ;゚⊿゚)ξ「私は貴方を何年も育てて来たのよ?こんな女と違って!」
そうだ、私とビロードが過ごしたのは僅か一ヶ月。そんな短い間に私はビロードに特別した事は無い筈だ。
( ><)「僕…お母さんに嫌われたのはわかってたんです」
( ><)「でもなんで嫌われたかはわからなかったんです」
( ><)「だからお母さんに泣いちゃ駄目って言われても泣いちゃったんです」



184 :( ><)と川 ゚ -゚)は親子のようです:2009/04/27(月) 20:59:23.75 ID:66FU3ykaO

いつ泣いていた?私が仕事の時?警察署に行っている時?よく考えればいくらでも泣ける時間はある。
( ><)「お母さんはご飯を作ってくれなかったんです」
( ><)「でもクーは作ってくれたんです」
( ><)「それからお手伝いしたら褒めてくれたんです」
これは私の勝手な思い込みだと思うが、母親はきっとビロードに無関心だったんだろう。ご飯はきっとコンビニか何かの弁当、一生懸命に手伝っても何も反応しなかった筈だ。
( ><)「友達のドクオ君が言ってたんです、「俺のかーちゃんは怖いけどお手伝いしたら褒めてくれるんだ」って」
( ><)「フィレンクト先生は「母親という人は一緒にいると幸せになれる人を言うんだよ」って言ってたんです」
( ><)「僕は幸せってなんだかわかんないです…」
( ><)「でもクーと一緒にいたら体がポワーってなったんです」



185 :( ><)と川 ゚ -゚)は親子のようです:2009/04/27(月) 21:00:20.64 ID:66FU3ykaO

( ><)「僕はこれが幸せなんだと思ったんです」
良かった、私はビロードを幸せにできてたんだな。こんな私でも誰かの役に立てるなんて。
( ><)「だから…だから…」
( ><)「僕のお母さんは…」
ξ#゚⊿゚)ξ「もういい!」
さっきまで黙っていた母親は叫んだ。その口調には怒りが込められている。
ξ#゚⊿゚)ξ「あんたみたいな馬鹿な子供、産まなきゃ良かったわ!居ても邪魔でしかなかったし、ウザかったし!」
小刻みに震えながら手で髪をクシャクシャと掻いた。言動からもわかるが相当苛ついているようだ。
ξ#゚⊿゚)ξ「ふん、いいわ!精々頑張りなさい!血の繋がらない親子がどの程度の物か楽しみにしているわ!まぁ、どうせもう会わないでしょうけどね」
ξ#゚⊿゚)ξ「それから…」
母親はメモ帳とペンを取り出し何かを書き始め、書き終えると紙をちぎり私に差し出した。



187 :( ><)と川 ゚ -゚)は親子のようです:2009/04/27(月) 21:01:48.47 ID:66FU3ykaO

ξ#゚⊿゚)ξ「この子の学校の住所と電話番号。貴方知らないでしょ?勘違いしないでよ?私は貴方達が必死になってる姿を笑いたいだけなんだからね!」
ξ#゚⊿゚)ξ「精々頑張って授業参観でも、運動会でも、周りと違う親子で参加する事ね」
そのまま振り返りもせずに母親はその場を立ち去った。何故こんなメモを?本当に嫌いなら最後に息子を助けるような事はしないと思うが。
ただ、今私でもわかる事はビロードが母親として私を選んでくれた事だ。
川 ゚ -゚)「ビロード、私は母親に向いてないぞ?」
( ><)「そんな事ないんです」
川 ゚ -゚)「今まで嘘をついてきた、嘘つきは泥棒の始まりなんだ」
( ><)「しょうがないんです」
川 ゚ -゚)「母親の所に帰りたいと思った事があっただろ?私は行かせないために色々した」



189 :( ><)と川 ゚ -゚)は親子のようです:2009/04/27(月) 21:03:02.16 ID:66FU3ykaO

( ><)「でも嫌じゃ無かったんです」
川 ゚ -゚)「もしかしたらそれはビロードを騙すためのお芝居かもしれないぞ?」
( ><)「僕にはお芝居かわからなかったんです…」
川 ゚ -゚)「ふふっ…ならお芝居かもしれないな」
( ><)「じゃあ「お母さん」みたいな時はお芝居なんです?」
川 ゚ -゚)「…そんな事」
川 ; -;)「ある筈無いじゃないか!」
思わずビロードを抱きしめる、暖かい。私はきっとこうして抱きしめたかったのかもしれない、母親として息子を。
(* ><)「お母さん…苦しいんです」
もう離さない、この子は私が最後まで育てよう。私から旅立つその日まで。
まず学校に連絡して事情を説明しなければ、服も似合うのを買わないと、ああ、それから近所付き合いも良くしないとな。明日から大変だ、暇じゃなくなる。
でも、それが楽しみで仕方がない。

( ><)と川 ゚ -゚)は親子のようです 完


[ 2009/04/27 21:11 ] 総合短編 | TB(0) | CM(1)

イイハナシダナー
[ 2009/06/01 00:00 ] [ 編集 ]

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