FC2ブログ










真夏のようです


232 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/21(火) 18:44:16.28 ID:KXY/JThn0

木がじいじいと鳴いています。
空はまるで海のようで、私たちは全ての事に溺れているのでした。
地面の土は温かく(というか熱く)熱は空だけでなく地面からも感じ取れます。
季節は今、夏です。

真夏のようです



234 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/21(火) 18:47:07.12 ID:KXY/JThn0

いつもと変わらない天井は私のことを馬鹿にしていました。
「何か反抗してやろうかしら」とも思いましたが、起き上がるのも億劫なのです。
嫌に蒸し暑いこの部屋が、私は嫌いです。
タイマーをつけていてもいつの間にか止まってしまうエアコンも、
穴の開いてしまった網戸も、
面倒な洗濯物も、私は大嫌いです。
唯一この部屋で愛おしいのはこの羽毛布団だけ。
最近やっとバイト代で買ったんですよ。
私が愛おしさに包まれていると、ピンクの電気機器が私を呼び出しました。
ディスプレイにはあの人の名前。

(*゚ー゚)「・・・またきてる」



237 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/21(火) 18:51:26.57 ID:KXY/JThn0

自分でフっといて、今更やり直したいなんておかしいと思いません?
わたしは携帯の電源を切って、中身のチップも抜いてしまいました。
ああこれで自由なんだと思いました。
決してそんなことは無いのにね。

時計は午後一時を指しています。
私ったらこんな時間まで寝ていたの。
開けっ放しのカーテンからは白が漏れ出ています。

(*゚ー゚)「出かけようかしら」



238 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/21(火) 18:53:50.74 ID:KXY/JThn0

がたたん。がたたん。
ゆったりとした音とともに私の体も揺れます。
窓の外はゆっくりと、といっても速くに横へ流れて行きました。
このまま何処まで行こうかしら。
ジャージとジーンズ姿で私は少しだけ考えます。
うん、でもまあどうでもいいか。

車内は冷房が程よく効いていて、とても気分が良いです。
それに乗っている人も少ない。
私は小さく伸びをして足をぐっと先に出しました。
本当は駄目なんですけど、今だけ。ちょっとだけ。



240 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/21(火) 19:00:18.13 ID:KXY/JThn0

やがてアナウンスが聞こえて、ここが最後の駅なんだと知らせました。
仕方がありません。
私は重たいからだを押します。
うう。おもたい。
ぐっと力をだして、プラットホームへ飛びました。
コンクリートでできたせいか、それはとてつもなく熱そうです。
ああ。なんだかチョコレイトの気分ね。



242 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/21(火) 19:01:43.90 ID:KXY/JThn0

そんな時、ひゅうっ。
それは音を立てて髪の毛や服を引っ張っていきました。
ホームの外側の草花達がぱらぱらと幸福そうに笑っています。
馬鹿馬鹿しいわ。
そう想った私はちょっとだけそれを睨んで、風のやんだ頃に歩き出しました。

季節は今、夏です。

[ 2009/04/21 20:45 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿


更新は止まっていますがコメントはご自由にどうぞ
修正・削除依頼等、何かしらの連絡はコメントもしくはメルフォよりお願いします
拍手だと高確率で長期間気づきません

スパム対策のため"http"と"@"を禁止ワードに設定しています
URLを書き込む際は"h"を抜いて投稿してください













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://gyokutonoyume.blog116.fc2.com/tb.php/1697-004129d9