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川 ゚ -゚) The illness of the second gradeのようです


548 :川 ゚ -゚) The illness of the second gradeのようです:2009/04/05(日) 02:53:50.73 ID:HFGtXy4AO

煌々と煌めく、緑色の炎があった。
それは小指程の大きさだったが、瞬く間に人の体躯ほどにまで膨れ上がる。
膨張を続ける炎は、やがて大河をひと跨ぎにしてしまう程の巨人になった。
足元では、野が焼け、川が乾上がり、僅かに残っていた生き物達が、骨も残さず燃え尽きていった。


巨人は振り返ると、玉座の男に向け、一度恭しく礼をした。

( ・∀・)「行け」

男がそれを軽く手で払うと、緑の巨人はもう一度振り返り、私に向けてその拳を振り上げ、振り下ろす。




549 :川 ゚ -゚) The illness of the second gradeのようです:2009/04/05(日) 02:57:08.91 ID:HFGtXy4AO

視界を覆う、エメラルドの揺らめき。
それはゆっくりと、実際には凄まじい速さで私を叩き潰しにくる。

川 ゚ -゚)「……逃げればいい」

跪く私に向けられた、大きな背中。
あの巨人から見れば、蟻のようにちっぽけな存在なのだろう。
しかしそれは、私にはあの巨人ですら霞んで見える程大きく見えた。

( ^ω^)「そう急かすなお。
       あれを片付けてから、ゆっくり逃げても僕の勝手だおね?」

男は盾を投げ捨て、剣を地面に突き刺した。

( ^ω^)「ついでにあいつを倒すのも、僕の勝手だお」

彼はそう言うと、単身迫りくる空の草原へと飛び立った。




551 :川 ゚ -゚) The illness of the second gradeのようです:2009/04/05(日) 02:59:09.84 ID:HFGtXy4AO

⊂二二二(#`ω´)二⊃「おおおおおおおお!!」


こだまする、雄叫び。
光にも近い速さで空を駆ける彼の身体は、炎を纏い赤く輝いていた。
眩い深紅の星が、深緑の宇宙へと飲み込まれていく。

川;゚ -゚)「ブーン……」

痛む身体に鞭打って立ち上がり、彼の姿に目を凝らす。
たった一匹の蟻が、世界をひっくり返そうと奮闘していた。

川;  - )(私は……)



552 :川 ゚ -゚) The illness of the second gradeのようです:2009/04/05(日) 03:01:15.13 ID:HFGtXy4AO

世界を救うと言っておいて、私は何をしている。
己の身など世界に捧げる、そう言っておいて、私は何をしている。
ただの一度腹を小突かれた程度で、私は何を怖じ気づいている。

⊂二二二(#`ω´)二⊃「おおおおおおッ!!」

( ^Д^)「くくくっ」

尚も続く雄叫びに、私は何も感じないのか?
命を懸ける彼を嘲笑う、あの表情を見て何も感じないのか?

私は何をしにここまでやってきた?
私は何のためにここまで戦ってきた?
私は何を思いここまで生きてきた?

答えを出すより早く、私は空に向かい、駆け出していた。




553 :川 ゚ -゚) The illness of the second gradeのようです:2009/04/05(日) 03:04:24.81 ID:HFGtXy4AO

(#^ω^)「クー!?」

両手を広げ、炎を押し返そうとする真っ赤な星。
神々しく見えたそれも、近くで見ればなんてことはない。
見知ったにやけ顔がもがいているだけだ。

川#゚ -゚)「お前に借りを作っては目覚めが悪いんでな!!」

私の身体は蒼く燃えていた。
熱さは感じない。 この炎は私自身なのだから。

川#゚ -゚)「それに、お前ごときには荷が重すぎるようだからな!!」

(#^ω^)「……」

彼の貼り付けた仮面のような笑顔が、一瞬だけ、別の笑顔に見えた。




556 :川 ゚ -゚) The illness of the second gradeのようです:2009/04/05(日) 03:07:19.87 ID:HFGtXy4AO

 * * *

(;^Д^)「おお、お……お?」


(#・∀・)「何をしている!!」

男は激昂していた。
仮にも自分の力を分けた兵隊が、人間などというちっぽけな存在と拮抗しているからだ。男は何事も、自分が最高でなければ気がすまない。
誰かに比肩されるなど、彼にとっては到底許せることではなかった。

(#・∀・)「興醒めだ……」

男は心底残念そうに呟くと、黄金の玉座から立ち上がり、琥珀と翡翠の階段を降り始めた。

(#・∀・)「君達にはうんざりさせられるよ」

男は巨人の燃え盛る肩に触れ、指先に力を込める。

(   Д  )「ぷ……ぎぁ……あ」

巨人の身体が風船のように膨らみ、純白の光を放ちながら砕け散った。




558 :川 ゚ -゚) The illness of the second gradeのようです:2009/04/05(日) 03:12:17.96 ID:HFGtXy4AO

 * * *



川 - )「……う」

私が目を覚ましたのは、金の稲穂が垂れる草原でのことだった。

( ^ω)「……」

川 ゚ -゚)「ここは……私は……
     !! 勝ったのか!?」

記憶を辿る。
私はブーンの後を追い、空に向かった。
赤、青、緑の、三色の光が混じり合い、そして弾ける。
私の身体は投げ出され、全身を包み込む暖かな光の中に、意識は溶けていった。




559 :川 ゚ -゚) The illness of the second gradeのようです:2009/04/05(日) 03:15:58.77 ID:HFGtXy4AO

川 ゚ -゚)「どうなんだ!? ブーン、私達は――」

( ^ω)「……」

ブーンは私の問いかけに答える事なく、ただ一点を見つめ続けた。

川 ゚ -゚)「おい、ブ――」

もう一度話しかけようとして、その言葉は驚きによってかき消される。

(  ω)

不意に草原の向こうから現れた、一筋の光。
それが、ブーンの胸を突く。

川;゚ -゚)「ブ……」

無機質な音と伴に光は彼の胸で一本のナイフとなり、そのナイフを中心に彼の身体に罅が広がった。
ブーンの屈強な肉体が、灰色の瓦礫の山に変わった。



560 :川 ゚ -゚) The illness of the second gradeのようです:2009/04/05(日) 03:20:50.10 ID:HFGtXy4AO

川#゚ -゚)「モララー……!!」

( ・∀・)「はっは、当たった当たった。
      こう見えても、ダーツは特技の一つでね」

茎を倒し、穂を踏み潰しながら、モララーが現れた。

( ・∀・)「君の傷は私が治した。 いわば、私は君の命の恩人だな」

川#゚д゚)「モララァァァァァア!!」


立ち上がり、走り出す。
腰に手を当て、剣が無いことに気付く。
それでも構わない。 私は強く拳を握る。
草に足をとられるも、勢いで誤魔化す。
右腕を振り被り、振り抜いた。

(・∀・(#)「……」



562 :川 ゚ -゚) The illness of the second gradeのようです:2009/04/05(日) 03:25:05.46 ID:HFGtXy4AO

驚く程無抵抗で、モララーの頬を打った。
頬が腫れ上がり、唇からは血が伝っていた。

( ・∀・;)「満足したか?」

川#゚ -゚)「ブーンにッ!! いったいッ!! 何をしたッ!!」

フック、アッパー、ボディ。 繰り出す攻撃は、どれもクリーンヒット。
鼻っ柱を打ち抜かれようと、モララーは決して身を守る素振りすら見せない。

そこに私は、激しい怒りを覚えた。
ブーンは戦った。 最後まで戦い抜いた上で、この男に殺された。
この態度は、ブーンに対する侮辱以外の何物でもない。




563 :川 ゚ -゚) The illness of the second gradeのようです:2009/04/05(日) 03:29:28.80 ID:HFGtXy4AO

(メ;,・∀メ;;)「彼は私の目を見ただけだ。 そしてその魔力に魅せられた。
        ゴーゴン的眼力とも言うな。 なんにせよ、矮小な人間にはそれで十分だった。
        ブーンはと、所詮その程度の人間だったんだよ」

川#゚ -゚)「黙れッ!!」

もう一度、その減らず口を叩き潰してやろうと腕を伸ばしたときだった。

(#・∀メ)「汚ねぇ手で触るんじゃねぇよ」
私の拳を片手で弾き、モララーが初めて感情を露にした。

川;゚ -゚)「ぐッ……」

首を捕まれ、足が地を離れる。

(#・∀・)「苦しいか、怖いか、逃げたいか、ほら、逃げろ、逃げてみせろ、逃げろよ、どうした、逃げないのか、生きたくないのか、おい、抵抗してみろッ」

川; - )「……ッ!!」

首に込められる力は緩急を繰り返し、波のように襲ってくる。



564 :川 ゚ -゚) The illness of the second gradeのようです:2009/04/05(日) 03:32:51.38 ID:HFGtXy4AO

必死でもがく。
腕を殴り、腹を蹴りつけた。
モララーは顔色一つ変えないどころか、その一撃一撃を悦んでいる様にすら見える。

(#・∀・)「ほら、俺から逃げ回れ!!」

一度、モララーの力が強まる。
全身に感じる、遠心力。
重力から解放され、身体がふわりと宙に舞う。



566 :川 ゚ -゚) The illness of the second gradeのようです:2009/04/05(日) 03:38:03.74 ID:HFGtXy4AO

放り投げられた私は離れた地面に叩きつけられ、その場で茶色い水しぶきをあげる。
ややあって、私は泥濘の中で立ち上がった。
( ・∀・)「きったねぇなぁ……
      あ? ぶ、くふふ……無様だよ、お前」

モララーの下卑た笑い声が響く。

川;;゚;-゚)「ゲホッゲホッ、ぐ……クソッ……ん?」

川 ゚ -゚)「!!」

立ち上がり、顔を拭う。
遥か遠方で、確かにそれは岩に突き刺さってそこにあった。

( ・∀・)「お? 逃げろ逃げろ!!」

私がそれへと駆け出すと同時に、モララーを中心に世界が腐り始めた。




570 :川 ゚ -゚) The illness of the second gradeのようです:2009/04/05(日) 04:02:43.69 ID:HFGtXy4AO

( ・∀・)「俺の力からは逃げらんねーよ」

泥水の中、滑って転びながらも片手をつき、なんとか体制を保つ。

川;゚ -゚)「あれがあれば……!!」

( ・∀・)「俺に触れるもの全てが俺の能力の範囲だ。
      お前と俺が触れてる、共通のものはなんだ?」

草は枯れ、水は濁る。
太陽の光を受け、それは白い光を放つ。
私は必死で駆け抜ける。

川;゚ -゚)(ブーン……力を貸してくれ!!)

風は淀み、足元からは蛆が涌いた。
私はそれらを、肩で切り裂き、容赦無く踏みつける。



572 :川 ゚ -゚) The illness of the second gradeのようです:2009/04/05(日) 04:07:31.98 ID:HFGtXy4AO

( ・∀・)「空気だよ。 この星の上にいる以上、地上全てが俺の絶対侵食領域だ」

黒い柄を掴み、銀色の刃を引き抜いた。

( ・∀・)「この星では、この星の上では。
      コリオリの力と、俺の力からは逃げられない」

   -゚)「モラ--

錆びた刃が砕け、肉は爛れ、腐り落ちた。
腐敗が星を包み、私の身体は腐った泥の底に沈んでいった。





川 ゚ -゚) The illness of the second gradeのようです

-END-







574 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/05(日) 04:16:04.34 ID:HFGtXy4AO

>>548>>549>>551>>552>>553>>556>>558>>559>>560>>562>>563>>564>>566>>570>>572

お題
・コリオリの力
・ゴーゴン的眼力
・絶対侵食領域

ごめんなさいごめんなさい><
さるを食らってごめんなさい
添削漏れ、改行ミスごめんなさい

数多の支援、なにより読んで下さってありがとうございました

モララーとかチート過ぎだろ……どうやって倒すんだよチクショウ……
[ 2009/04/05 19:49 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

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