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マッチ売りの(*゚ー゚)のようです


209 :マッチ売りの(*゚ー゚)のようです:2009/04/04(土) 13:08:21.46 ID:KwOVTSXr0

その年最後の夜は、雪の降る寒い夜でした。

(,,゚Д゚)(このマッチを全部売り切れゴルァ! 売り切るまで家には入れないからな!!)

(*;ー;)「うぅ……マッチ買いませんか!? 誰かマッチを…」

( ゚ω゚ )「お断りします」

(*;ー;)「……………」

(*;ー;)「誰か…マッチ買って…だれか…」

寒い夜の中、少女はマッチを売り続けました。
しかし、足を止めて買おうとする人は、誰もいません。

人々は大晦日の慌ただしさの中へと消えて行きました。

(*;ー;)「…寒いよ…おなかすいたよ…」

マッチを売らないと、家にも帰れません。
帰ったところで、お父さんに怒られてしまうでしょう。

(*゚ー゚)「………このマッチ、つけたら、あったかくなるのかな…」

少女はマッチをひとつ取り出し、冷たい壁にこすりつけ…ようとしました。



211 :マッチ売りの(*゚ー゚)のようです:2009/04/04(土) 13:09:36.77 ID:KwOVTSXr0

その行為は、

(´<_` )「お嬢ちゃん」

1つの声によって止められたのです。

少女の目の前には、黒いスーツに黒い帽子、そしてジタンというタバコをくわえた男の人が立っていました。

(´<_` )「お嬢ちゃん、マッチ一箱くれ」

誰も買ってくれなかったマッチを、買ってくれる人がついに現れた瞬間でした。

「………はい!」

少女は大喜びで、男の人にマッチを渡しました。

お金を受け取ると、男の人は少女の隣に座り、買ったばかりのマッチで煙草に火をつけました。
男の人は煙草の煙を見つめながら、少女に話します。

(´<_` )「なあ、お嬢ちゃん。この町は、冷たいよな」

(*゚ー゚)「……………」

(´<_` )「外も、中も。もう二度と戻らないって決めてたんだけどな」

(*゚ー゚)「おじさん、この町に住んでいたんですか?」

「おじさん」という呼び方に少しよろけながらも、男の人は煙をふかし続けながら話します。



214 :マッチ売りの(*゚ー゚)のようです:2009/04/04(土) 13:10:57.59 ID:KwOVTSXr0

(´<_` )「もう昔の話だよ。大好きだった兄者が追い出されて、俺も兄者の後を追うように町を出た。
  確かに出来の悪い奴でさ。俺ばっかりが贔屓され続けて。
  ……元々、俺も兄者も1つだったのに」

男の人は、少女に旅の話を続けました。
立ち寄った村の人に迫害されたこと、それでも優しくしてくれた人のこと。
兄を見つけたと思ったら、既に兄の命は燃え尽きようとしていたこと。

(´<_` )「このマッチのように………な」

取り出されたマッチは、擦られて炎をあげました。
冷たい心が温まるようで、少女は炎を見つめていました。

マッチが燃える間、少女も、男の人も、何も話しませんでした。
ただ、マッチが燃えて行くのを見つめるだけでした。
炎の向こうに、何かを見つめていたのでしょうか。

やがて、マッチの炎は燃え尽きました。

(´<_` )「………今日は、冷えるな」

男の人は立ち上がり、上着を脱ぎ、少女へと引っ掛けようと、隣を見ました。

しかし彼女は、倒れ込んだまま、起き上がろうとしません。

(´<_` )(…………会えたのかな、誰かに)

(* ー )「おばあちゃん………」



216 :マッチ売りの(*゚ー゚)のようです:2009/04/04(土) 13:12:18.80 ID:KwOVTSXr0

寝言だったのでしょうか。消え入りそうな細い声が聞こえました。

(* ー )「私を…そっちに。つれていって」

それきり少女は何も言いませんでした。
目をしっかりと瞑り、雪の中でも幸せそうな顔のまま、眠っていました。

( <_  )(会えたんだな………次の命では、幸せになれよ)

( <_  )(……ごめんな、兄者。まだ俺は、そっちには行けそうにない)

既に世界は、新年を迎えていました。

男の人は、そっと冷たくなった体を抱きかかえ、土の中へと埋めました。
寒くないように。
もう、寒い思いをしないように。

彼の作った小さなお墓には、黒い上着がかけられていました。

おしまい







お題
ジタン(煙草ね)>>185
マッチ箱>>186
[ 2009/04/04 22:19 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

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