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('A`)は煙草のようです


155 :('A`)は煙草のようです :2009/03/29(日) 00:06:41.92 ID:+U6veiU3O

煙草。

満員電車に上司の嫌み、日々戦っている現代人のストレス解消アイテム。
まあ、全世界中の現代人が使っているわけじゃないが。
最近は喫煙所とかを設けられて、そこ以外で吸うと白けた目で見られる。


('A`)

それが俺だ。



157 :('A`)は煙草のようです :2009/03/29(日) 00:08:53.34 ID:+U6veiU3O

( ゚∀゚)「それにしても、大分少なくなったなぁ」

('A`)「そうだな」


現在、ポケットに詰め込まれて断続的に揺れる箱に入っているのは4人。
その中でぺちゃくちゃ喋ってるのは俺とこいつだけで、後の二人は身を固くしている。


('A`)「……」


緊張、不安、色々あるだろう。
だがもっと鮮明に心に浮かんでいるのは多分、恐怖だ。



160 :('A`)は煙草のようです :2009/03/29(日) 00:10:53.69 ID:+U6veiU3O

そりゃそうだろう。好き好んで煙草に生まれる奴はいない。
見ず知らずの他人のストレス解消、あるいは趣味エトセトラのために自分の体を燃やされるのだ。
足元からじわじわ炭になっていく様子なんて発狂ものだろう。

と、箱が急激に傾いた。
出入り口付近にいた奴が一人、箱の外で待ち構える人間の手に収まる。


从 ;∀从「嫌! 嫌だっ、助けてぇぇ!」


助けられるはずもない。
俺を含む残り三人が一斉に目を逸らした。



162 :('A`)は煙草のようです :2009/03/29(日) 00:12:46.25 ID:+U6veiU3O

箱が再びポケットに戻された後しばらくは、誰も口を開こうとしなかった。
今頃あの煙草はうまそうに吸われているんだろうか?



(;'A`)「うおっ」


箱が再び揺れ、傾いた。
運悪く今出口に一番近いのは俺だった。
なす術なく外で待ち構えていた手に捕らえられる。


(;゚∀゚)「おい!」

(;'A`)「……」



163 :('A`)は煙草のようです :2009/03/29(日) 00:14:50.94 ID:+U6veiU3O

俺はこれから火をつけられるんだろう。
熱さに悶えながら煙草の使命を果たすだろう。

正直、かなり怖い。


('A`)「ありがとよ、退屈しのぎにはなったぜ」

(;゚∀゚)「…………」


話し相手になってくれていたそいつと、箱の隅で震える奴に視線を配る。
別れを告げる暇すらなく俺は外の世界に連れ出された。

――――眩しい。

初めての外の世界に抱いた感想はそれだけだった。



164 :('A`)は煙草のようです :2009/03/29(日) 00:16:53.61 ID:+U6veiU3O

( ^ω^)「ふぅ…………」

(*^ω^)「やっぱ煙草は最高だおwwwww」


熱い。
体に火をつけられているんだから当たり前か。


(;'A`)「…………」


死にそうなほど熱かったが、悲鳴を上げたりはしたくなかった。
今まで吸われてきた全ての煙草が体験した苦しみ。
みっともなく悲鳴を上げるなんて嫌だった。



165 :('A`)は煙草のようです :2009/03/29(日) 00:19:07.94 ID:+U6veiU3O

俺の体があらかた燃えた時。

俺は何の前触れもなく地面に投げ出された。
頭の上に疑問符を掲げる暇もなく、靴底で踏まれる。


(;'A`)「……おい、まさか……」

( ^ω^)「はあー、すっきりだお」


そのまさかだった。

男は俺を置いてすたすたと歩いていく。
紛うことなきポイ捨てだった。



167 :('A`)は煙草のようです :2009/03/29(日) 00:21:49.91 ID:+U6veiU3O

(;'A`)「ちょ、おいおいおい! 待てよ! ポイ捨てっておま……」


俺の言葉など聞こえるはずもなく、男の背は遠くなる一方。
辺りはしんと静まり返り、俺一人が残された。


(;'A`)「まじかよ……」


小さな公園らしき場所。確かに近くにごみ箱はない。
だったらそんなところで煙草を吸うな、というのは置いておいて。

どうしようもなく呆然と地面に寝転がっていると
さんさんと降りしきる太陽光が遮られた。



170 :('A`)は煙草のようです :2009/03/29(日) 00:23:51.17 ID:+U6veiU3O

ζ(゚ー゚*ζ「煙草の吸い殻だぁ」


太陽を背にして影を落としていたのは、一人の少女だった。
ほっそりとした体に明るい色合いのセーラー服を纏っている。


(*'A`)「…………」

ζ(゚ー゚*ζ「ポイ捨てなんてダメだなぁ。私がちゃんと捨てとこう」

(*'A`)そ「おおっ!」


可愛い上に優しさ満点とな。



174 :('A`)は煙草のようです :2009/03/29(日) 00:25:46.52 ID:+U6veiU3O

少女は俺を軽く摘み、きょろきょろと周りを見渡す。


ζ(゚、゚*ζ「ごみ箱、ごみ箱……ないなあ……」

('A`)「あ、遊具の影に隠れたところに発見」

ζ(゚ー゚*ζ「あ、ここでいいや。ごみ箱ないし」

(;'A`)「いや遊具の影……って違、そこは……」


少女に俺の声など聞こえるはずもなく。
薄暗い側溝に落下し、俺の意識はそこで途絶えた。


ζ(^ー^*ζ「へへっ、いいことしちゃったかな?」




おしまい







179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/29(日) 00:27:46.83 ID:+U6veiU3O

以上で終了です
沢山の支援本当にありがとうございました!
お題は「煙草」でした
[ 2009/03/29 20:42 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

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