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( ^ω^)が夢を探すようです


758 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/19(木) 20:22:50.69 ID:VfoRvIDn0

( ^ω^)が夢を探すようです


まだ雪の残る3月のころ、山奥の小さな村の片隅の小屋の中で陶芸に励む一人の若者がいた

名前は内藤ホライゾン、兄弟子たちからはブーンと呼ばれている

陶芸家を志したのは高校生のときであった

3年生の秋になっても進路の定まらないブーンに両親や担任はやきもきしていた。

もちろんな内藤自身もただぼーっとしていたのではなく毎日なんともいえぬ焦燥感を感じもがき苦しんでいた

( ^ω^)「ブーンには夢が無いお」

('A`)「まぁ、はっきり夢のある奴なんざそうはいないもんさ」

地元の寂れた駅前にある小さなデパートのフードコートで、内藤は親友欝田ドクオに進路についての悩みを打ち明けていた。



759 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/19(木) 20:24:19.29 ID:VfoRvIDn0

('A`)「ほとんどの奴らは『とりあえず』大学に行ったり、とりあえず就職したりしてるのさ」

('A`)「小学校やれで書かされた『将来の夢』の作文通りの進路に進んでるやつなんか、ほんの一握りさ」

( ^ω^)「・・・そんなもんなのかお」

そんなもんさ、と欝田は答えた

しかし内藤は納得できないでいた、夢とはそんなものなのか

('A`)「そんなに思いつめないほうがいいぜ、ほらなんか気晴らしにいこうぜ」

( ^ω^)「そうだおね、4階でなにか催し物をやってるっぽいお、見に行くお!」

二人は飲んでいたジュースの缶をゴミ箱に捨て、4階へ登っていった

そこで開かれていた催し物が内藤の進路を決めることになる。



761 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/19(木) 20:25:53.84 ID:VfoRvIDn0

4階催し物フロアでは陶芸展が開かれていた

看板には『人間国宝プギャー展』と書いてある

('A`)「ジーサンバーサンしかいねぇな」

そこにはたくさんの焼き物が並べられていた、プギャーの弟子らしい人が解説もしている。

テーブルの上に飾られている焼き物は人間国宝の作だけあり、風格を感じさせるすばらしい作品ばかりだ

欝田は特に興味もなさげに流し見しているだけだったが内藤は一際目立つように展示してある大皿に食い入るように見入っていた。

プレートには『波目紋線彫魚文大皿』と書いてある

(;^ω^)「なんか・・・この皿すっげぇお・・・」

('A`)「ふーん?俺にゃあ普通の皿にしかみえんがな」

(;^ω^)「なんていうかこう・・・オーラが出てるお・・・」

('A`)「お前いつから『凝』が使えるようになったんだよ」

(;'A`)「うわこれすっげー、3600万だってよ」



762 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/19(木) 20:27:42.90 ID:VfoRvIDn0

(´・ω・`)「それは先生の代表作、波目紋線彫魚文大皿です、ダイナミックな形と模様に圧倒されるでしょう?」

弟子らしき男が嬉々として解説する、きっとこの男は夢を追えた数少ない人間なのだろう。

( ^ω^)「ドクオ・・・決めたお・・・ブーンは陶芸家になるお」

('A`)「は?」



プギャーの作品に感銘を受けたという内藤は、両親の反対を押し切り高校卒業とともにプギャーに弟子入りした

プギャーは来るもの拒まず去るもの追わずが方針なようで内藤は以外にもあっさりと入門を許された。

半年間は土にも触らせてもらえず、自分の作品を自由に作ることが許されたのは1年後のことだった。

さらにそれから5年間、内藤はこれはと思えるような作品を作れず、まとも悶々とした日々を送っていた。



763 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/19(木) 20:29:06.97 ID:VfoRvIDn0

( ^ω^)「またダメだお・・・プギャー先生のお皿とは全然ちがうお・・・」

内藤は釜から取り出した皿を吟味しながらつぶやく、

はぁ、とため息をついて手に持っていた皿を陶窯小屋の脇にそっと置く、失敗作でも自分の皿

内藤には「違う!」と叫びながら自分の皿を叩き割るなんてことはできなかった

そのため小屋の脇には内藤の失敗作がうずたかく山になっている

兄弟弟子には「ブーン山」と呼ばれからかわれている

( ^ω^)「ブーンには才能がないのかお、これが凡才と天才のちがいかお・・・」

釜の一番奥から取り出されるプギャー先生の作品はどれも気品と威厳に満ちた物ばかりだ。

それに比べて自分の皿は失敗作ばかり

( ^ω^)「ブーンは人生を失敗したかもしれんお・・・」



765 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/19(木) 20:31:48.62 ID:VfoRvIDn0

(´・ω・`)「やあブーン、また落ち込んでるのかい?君は窯だしのたびにそうだね」

兄弟子のショボンが憂鬱な顔をした内藤を心配して話しかける

(´・ω・`)「僕は君の皿は嫌いじゃないよ?」

( ^ω^)「ショボン兄さんありがとうだお、でも先生の作る皿とは全然違うんだお」

( ^ω^)「ブーンは・・・先生みたいな皿を作りたいんだお」

「生意気を言いおって」

不意に後ろから声がして、ブーンは振り返る

そこには師匠であるプギャーが立っていた、めったに窯になど顔をださないプギャーに内藤は驚く。

プギャーはしゃがれた声で内藤に諭すように語り掛ける。

( ^Д^)「内藤、ワシが何年かけてあのような皿を作れるようになったと思っておる」

( ^Д^)「納得した出来の物など数枚しかない」

( ^Д^)「内藤、ワシの真似事をしていても良いものは生まれんぞ」

( ^Д^)「ワシの真似をしたお前の皿には何も感じぬ」

プギャーの表情が険しくなり、内藤は気圧される。

( ^Д^)「自分の感性を表現しろ内藤、お前にはその才能があるはずだ」



766 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/19(木) 20:33:44.23 ID:VfoRvIDn0

( ^ω^)「・・・ブーンに才能なんてありませんお、弟弟子たちにも追い越されっぱなしですお・・・」

( ^Д^)「・・・お前の頑張りは知っておる、他の者はブーン山などと言って馬鹿にするが、あれこそお前の努力の証ではないか」

そういい残すとプギャーは帰っていった。

(´・ω・`)「先生があそこまでおっしゃるのは珍しい・・・」

(´・ω・`)「ブーン、言われたとおり、「自分の皿」をつくってみなよ」

( ^ω^)「自分の皿かお・・・」


その日の夜、内藤は頭の中でさまざまな考えや感情がぐるぐると回り、寝付くことができなかった。

空が白むまで内藤は悩み、夜明けとともに結論に至った。

( ^ω^)「ブーンはいままで他の人に続いてばっかりだったお」

( ^ω^)「他人にあこがれて、他人の真似をして」

( ^ω^)「・・・でも、今度はちがうお!」

( ^ω^)「ブーンは自分の皿をつくるお!」



767 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/19(木) 20:35:12.32 ID:VfoRvIDn0

それから2年、内藤は自らの感性に従い皿をつくり続けた。

それまで作っていた物とは似ても似つかぬ作風の皿を何百何千と焼き続けた。

土と格闘する内藤の気迫は兄弟弟子たちを驚かせた

2年の歳月をかけ、内藤はついに自分で及第点を与えてもいいと思える皿を作ることができた。

そして今、その渾身の皿をプギャーに見せている。

プギャーは内藤の皿の裏表をまじまじと眺め、そのあとは近くから見たり遠くから見たりしている。

(;^ω^) (・・・先生はこの皿を認めてくれるかお・・・)

( ^ω^)「先生『僕の皿』はどうですかお」

プギャーは皿を置き内藤にやさしい笑顔で答えた




( ^Д^)「いい塩梅だ……」


( ^ω^)が夢を探すようです  終わり







770 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/19(木) 20:39:31.50 ID:VfoRvIDn0

以上でおわりです、

お題は

これが凡才と天才の違いか……

( ^Д^)「いい塩梅だ……」

タイトル

( ^ω^)が夢を探すようです

>>758>>759>>761>>762

>>763>>765>>766>>767

でした、支援ありがとうございました。

批評感想等ありましたらお願いします。

[ 2009/03/22 12:03 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

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