427 :
('A`)は受け入れるようです:2009/03/12(木) 03:05:51.98 ID:bD8S4KkOO
( ^ω^)夏はやっぱりこれ!冴えるキレ味VIPビールだおw
('A`)まだ春先だけどな。
( ^ω^)うるせーおw季節関係無くビールはうまいんだおw
ピザな男とひろっとした男。全くもって真逆な2人である。
共通点と言ったらVIP大学の学生であることと冴えない男だということだろうか。
ピロリン ピロリン
( ^ω^)お?ドクオの携帯かお?
('A`)知らない番号だな…ピッ
428 :
('A`)は受け入れるようです:2009/03/12(木) 03:06:32.60 ID:bD8S4KkOO
('A`)】もしもし?
「もしもし、VIP市立病院ですが…ドクオさんでしょうか?実はお姉さまが…」
('A`)】はい…はい…そうですか…
( ^ω^)ピーナッツうめぇwwwwwww
('A`)…悪い。ちょっと急用が出来た。帰るわ。
( ^ω^)お…。何かあったのかお?
('A`)…姉ちゃんが倒れたらしくてな。ちょっと行って来るわ…。
429 :
('A`)は受け入れるようです:2009/03/12(木) 03:07:05.47 ID:bD8S4KkOO
(;^ω^)!?
( ^ω^)付き合うお。
('A`)お前酒飲んでるし、待ってろよ。
( ^ω^)タクシーで行くから関係ねぇお。
('A`)すまねぇ…
ドクオの母は早くに離婚し、女手一つでドクオ達兄弟を育てた。
そんな母は、ドクオが高校を卒業するその日に交通事故で他界した。
ドクオの家では、狭苦しいが明るい雰囲気のリビングに似つかわしくない位牌がぽつりと置いてあるのが目に付く。
それを見るのが嫌で、ドクオは友人である内藤の家に入り浸るようになったのだ。
430 :
('A`)は受け入れるようです:2009/03/12(木) 03:07:36.47 ID:bD8S4KkOO
~VIP市立病院~
(;'A`)姉ちゃん…
(;^ω^)クーさん…
目の前には、わけの分からないチューブが沢山付いた姉が眠っていた。
川 - -)
( ・∀・)鬱田ドクオさんですね?
('A`)先生…!姉は…姉の容態は…?
( ・∀・)元々病気を患っていらしたようだね…、だいぶ無理をなさっていたようで…
('A`)助からない…んですか…?
( ・∀・)最善は尽くします。
431 :
('A`)は受け入れるようです:2009/03/12(木) 03:08:10.43 ID:bD8S4KkOO
( ・∀・)しかしながら…覚悟はしておいてください。
('A`)そんな…
(;A;)なんで…姉ちゃんが…
(;^ω^)(ドクオ…)
( ・∀・)すぐに手術に入ろうと思います。
(うA;)お願い…します…
432 :
('A`)は受け入れるようです:2009/03/12(木) 03:08:49.09 ID:bD8S4KkOO
どのくらい時間が経っただろう。
ドクオがクーと再会した。
いつもと違う事といえばクーが目を覚まさない事だけだ。
(;A;)姉ちゃん…姉ちゃん…
( ;ω;)クー…さん…
( ;ω;)(なんでドクオを一人にしちゃうんだお…)
(うA;)ブーン…俺…どうすりゃいいんだよ…
( ;ω;)…ドクオ…
( うω;)(僕がドクオを支えてやるお…)
434 :
('A`)は受け入れるようです:2009/03/12(木) 03:09:33.21 ID:bD8S4KkOO
('A`)俺…一旦家に帰るわ…
( ^ω^)ブーンも行くお。今のドクオは一人に出来んお。
('A`)ガキじゃねぇんだから…まぁ…いいか。
内心ドクオは安心した。
母の死を受け入れられず、更には姉の死まで背負って、あの思い出の詰まった家に一人で帰るのはあまりにも荷が重過ぎたからだ。
( ^ω^)親戚の方にはブーンが連絡しとくお。誰か来てから帰るお。
('A`)何から何まですまねぇな…
436 :
('A`)は受け入れるようです:2009/03/12(木) 03:10:13.96 ID:bD8S4KkOO
連絡をいれるとすぐに伯母が来た。
ドクオと顔を合わせるのは母の葬儀以来だ。
「ちょっと家の方に帰る」と言い残し、二人は病院をあとにした。
('A`)綺麗なまんまだな…
ドクオがそう言った通り、リビングは綺麗に片付けられていた。
( ^ω^)カーチャンが死んで…ドクオはほとんど家に帰って無かったおね…
('A`)あぁ…
(;A;)俺、姉ちゃんに全部押し付けて逃げてた…。悪い…一人にしてくれ。
( ^ω^)気の済むまでいるといいお…。葬儀の準備はブーンがしとくお…。
437 :
('A`)は受け入れるようです:2009/03/12(木) 03:11:07.92 ID:bD8S4KkOO
クーの葬儀はしめやかに行われた。
ドクオはどこか少しやつれた表情だったが涙も見せずにしゃんとしていた。
焼香の時ドクオの目に光るものがあったのをブーンは見逃さなかったが、何も言わなかった。
('A`)すまんな、世話掛けて。
( ^ω^)かまわないお。それより…ドクオはこれからどうするお?
('A`)…大学やめて働こうと思ってる。
( ^ω^)そうかお…なにかあったらいつでも頼ってくれお。
そう言って二人は別れた。
448 :
('A`)は受け入れるようです:2009/03/12(木) 03:40:41.94 ID:bD8S4KkOO
~1年後~
( ^ω^)…
('A`)急に呼び出してすまんな。ここには…一人で来る勇気が無かった。
墓前の前に二人は並んでいた。
('A`)あれからがむしゃらに働いたよ。全てを忘れたくてよ…。現実と向き合いたくなくて寮にも入った。
('A`)実際、働いてる間は忘れてたよ。辛い事全て。
('A`)でもよ…久し振りにあの家に帰ったらやっぱ思い出すんだわ。
('A`)辛い事ももちろんだけどよ、楽しかった事も笑える事も。
('A`)忘れちまったら姉ちゃんにもカーチャンにも申し訳ないだろ?だから…現実と向き合わなきゃって…受け入れなきゃって。
449 :
('A`)は受け入れるようです:2009/03/12(木) 03:41:57.45 ID:bD8S4KkOO
('A`)結局、一人で来る勇気は無かったんだけどな。
ドクオは自虐的に笑った。
( ^ω^)お…、ドクオは偉いお。
口を開いたブーンの口調はとても優しかった。
( ^ω^)ドクオは一人じゃないお。ブーンがいるお。友達がいるお。
( ^ω^)それに頼る事は、恥ずかしい事じゃないお。
ドクオは、おう…と返事をすると二人はそれ以上何も言わなかった。
('A`)(ちゃんと受け入れるよ…)
目を合わせて微笑んだ二人を暖かい日差しが包んだ。
おしまい
451 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 03:43:46.70 ID:bD8S4KkOO
お題は
冴えるキレ味
位牌
他界
墓前
焼香
でした
お粗末様でした