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('A`)は死んでいるようです


502 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/10(火) 21:24:48.36 ID:3YSkqASS0

('A`)「zzzz」

('A`)「……!!」

気がつくとそこには真っ暗な天井が広がっていた

('A`)「そうか、寝てたのか…」

ぼんやりと光るパソコンの明かりを頼りに携帯を探す

('A`)「あった…もう七時過ぎか」

相変わらず鳴らない携帯は、時計の役割だけを果たしている




('A`)は死んでいるようです



504 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/10(火) 21:27:01.51 ID:3YSkqASS0

窓の外から聞こえる車の排気音と自分の細い呼吸だけが部屋にある

('A`)「腹減ったな」

渇いた口がまるで自分のものじゃない気がした

('A`)「財布は…鞄の中だったな、煙草はどこだったっけか?」

右ポケットに手を突っ込む

('A`)「…やっちゃったな」

薄汚れたジャンパーに袖を通し部屋を出る

思っていたよりも冷たい風に体が強張った

('A`)「何本か生き残っていてくれよ…」



505 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/10(火) 21:29:18.41 ID:3YSkqASS0

右ポケットから押しつぶされたマイルドセブンを取り出す

なんとか生き残った三本をジャンパーのポケットに移した

('A`)「ボックスにすればいいのはわかってるんだけどなあ…」

その内の一本を指で丁寧に伸ばして火をつける

吐き出す煙が目の前に広がり、流れてゆく

人通りはなく、車だけが行き来している

('A`)「まるで俺だけ生きてるみたいだな…」

('A`)「いや逆か、俺だけ死んでるみたいなんだな…」



507 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/10(火) 21:30:38.79 ID:3YSkqASS0

空腹も、喉の渇きも、どうでもよくなってしまった。

短くなった煙草を大きく吸い込み排水溝に投げ捨てる

( ´∀`)川 ゚ -゚)

('A`)「(あいつらは生きてる…、俺は死んでる)」

( ´_ゝ`)(´<_` )

('A`)「(あいつらも生きてる…)」

(-_-)

('A`)「(あいつは死んでる、俺と一緒だ…)」


('A`)「……、なにやってんだよ俺は」



508 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/10(火) 21:32:12.45 ID:3YSkqASS0

公園のベンチは少し低くて落ち着かない

何となく煙草を取りだして火をつける

('A`)「別に、そんなに吸いたくもないのにな」

渇いた喉を煙が刺激する

('A`)「別に…そんなに好きでもないのにな……」

まだ半分以上残っている煙草を踏み消した

寒さが増してきた、耳先がぴりぴり痛む

('A`)「最近急に増えたな、廃ビル」

('A`)「こいつは死んでる…」



510 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/10(火) 21:33:30.36 ID:3YSkqASS0

このビルから人が離れてどれだけ経つのだろうか

隅々まで汚れて、所々傷ついていて

でも、確かに誰かがいた面影があって

('A`)「人間も、建物も、大して変わんないな…」


屋上から見える景色はなんだか悲しかった

('A`)「四階建ての屋上から見えるモノなんて、こんなもんだよな…」

そこから見る空は、いつもより低く狭い窮屈な空だ

('A`)「なぁ、お前はここに建ってる。でも誰もお前なんて見ちゃいない」

('A`)「お前は自分が死んでると思うか?」



511 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/10(火) 21:35:31.11 ID:3YSkqASS0

胸ほどの高さの柵に寄りかかる

('A`)「俺はさ、お前は“今”は生きてると思うんだ」

('A`)「でも、俺がここから飛び降りて死んだら、お前も死ぬんだ」


('A`)「何言ってんだろうな…俺」

真っ暗な地面は空と似ていて、不思議と怖くはなかった

ゆっくりと息を吐き、柵に手を掛けた

『くだらねえとつぶやいて 醒めたつらして歩く…』

ジャンパーから着信音が鳴り響く

昔から着信音は決まってこの曲だった



512 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/10(火) 21:37:45.81 ID:3YSkqASS0

('A`)「もしもし…」

( ^ω^)「俺だお!今何してるんだお?」

('A`)「………」

( ^ω^)「ん…?どうしたんだお?調子悪いのかお?」

('A`)「いや…なんだ…ちょっと死んでたところだ」

( ^ω^)「死ぬほど調子悪いのかお?!大変だお!」

( ^ω^)「待ってるお!今から家までいくお!」

( ^ω^)「何か必要な物はあるかお?!」

('A`)「………今生き返ったよ」

('A`)「ありがとな」



514 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/10(火) 21:39:07.07 ID:3YSkqASS0

( ^ω^)「お礼を言うなんて一大事だお!!」

( ^ω^)「やっぱり大変なんだお!!」

('A`)「そうだな…とりあえず腹が減ったよ」

('A`)「あと、喉もカラカラだ」

( ^ω^)「わかったお!任せておくんだお!」

( ^ω^)「…あとそうだお、煙草はマイルドスターだったかお?」

('A`)「…マイルドセブンの事か?」

( ^ω^)「そうそう!それだお!」

('A`)「別にそんなに好きじゃないんだけどな」

( ^ω^)「ん?何か言ったかお?」



529 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/10(火) 21:57:22.41 ID:3YSkqASS0

('A`)「いや、なんでもない。部屋の鍵開いてるから勝手に入れよ」

( ^ω^)「わかったんだお!待ってるんだお!」

ツーツー


('A`)「なぁ、さっきの話の続きなんだけど」

('A`)「なんて言うか……お互い長生きしそうだな」

ジャンパーから最後の煙草を取り出す

('A`)「これ、お前にやるよ」

いつもより綺麗に煙草のシワを整える

('A`)「扉の奥に置いておくから、好きにしろよ」



532 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/10(火) 22:01:50.24 ID:3YSkqASS0

('A`)「じゃあ…またな」

少し大袈裟に体を動かし走った

体の節々がきしんでいるのがわかる

冷たい風が勢いよく体を吹き抜ける

息も上がって苦しくなってくる


でも、それも心地良くなった


だって俺は生きているから。




('A`)は死んでいるようです 終




(# ^ω^)「遅いんだお・・・」


[ 2009/03/10 22:57 ] 総合短編 | TB(0) | CM(1)

良いね(=ω=)
[ 2009/03/17 02:06 ] [ 編集 ]

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