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('A`)達は1と0のようです。


422 :1/9:2009/03/10(火) 18:11:59.62 ID:/g0PrtCeQ

それはまるで風に舞う花びらの如く、怒号と悲鳴の渦巻くこの戦場には相応しくない違和感をもって、ひらりひらりと踊るようにその身を翻す女に視線を奪われた。
幾度も見ているツレの姿ではあるが、その度に心を奪われる。

背後から迫る烈迫の戦斧の一撃を。
無差別に放たれた音速の鏃を。
命を削って放たれた魔法の刃を。
その総てをかわし、打ち落とし、切り裂いていく姿は、遥か古より伝承され研ぎ澄まされた、神に捧げる舞いの如く、唯ひたすら美しいと思った。

何時までも見ていたいと思ったが、こちらに向けてクロスボウの照準を定める骸骨野郎を視界の端に捉える。
俺は反射的に手にした銃で骸骨野郎の眉間を撃ち抜いた。

('A`)「数少ない俺の楽しみだ。邪魔するんじゃねーよ…」



('A`)達は1と0のようです。



423 :2/9:2009/03/10(火) 18:13:47.59 ID:/g0PrtCeQ

川 ゚ -゚)「おい、ドクオ。ぼーっとするな、援護をしろ援護を」

この騒々しい戦場にあって、かなり離れた所にいるはずのツレの声は不思議とよく聞こえた。

('A`)「すまんすまん。クーの美しさについ見とr」

川 ゚ -゚)「私が美しさは今に始まった事ではないだろう。とにかく仕事をしなさい」

舞うように、流れるように手にした刀を煌めかせながら、クーの軽い説教が入る。

('A`)「へいへい」

川 ゚ -゚)「返事はハイ。それに一回にしろと何度も…」

('A`)「かーちゃんかっつーの」

川 ゚ -゚)「子供みたいな事を言うな」

このやり取りもいつもの事だ。
命取り合う鉄火場にはそぐわないが、気負っていない証拠とみればOKだろう。
口と手を休めることなく、残弾はいくつだったかな、とリロードのタイミングを図りながらクーの周囲にいるモンスターを撃ち抜く。

('A`)「しかし自分を美しいって言い切れるもんかね…いや、確かに美人だけどさ」

川 ゚ -゚)「思った事が口をついて出てしまう性分でな」

絶え間なく響く銃声に掻き消されるはずのぼやきは、なぜか彼女に届いたらしい。



428 :3/9:2009/03/10(火) 18:15:29.05 ID:/g0PrtCeQ

俺は元々はただの旅人だった。
親父の形見の銃だけを頼りに、世知辛くも生きずらいこの世界を渡ってきた。
楽しかった記憶も無いせいか、昔の事など――親父の顔ですら――思い出せない事に最近気が付いた。
そんな根無し草な俺がこの街に腰を下ろしたのは何時の事だっただろうか?

時期こそ曖昧だが理由は簡単。クーに出会ったから。

川 ゚ -゚)「うむ。何時もながらここのチキンソテーは絶品だな」

('A`)「クーはいつもそれだな。いい加減飽きない?」

所謂一目惚れってやつだ。
当時、クーはまだまだ駆け出しの剣士で、俺はと云えば可も不可も取り柄も愛想もないガンナスだった。
俺よりカッコ良くて強い熟練の冒険者なんか山ほど居たさ。

川 ゚ -゚)「ドクオこそいつも同じホットサンドじゃないか」

('A`)「俺はいいんだよ」

でも誰にもクーを渡したくなかった。
柄にもなく必死にがんばったよ。
誰からも、特にクーに一目置かれる男になりたかったからな。



429 :4/9:2009/03/10(火) 18:17:07.82 ID:/g0PrtCeQ

で、気が付いたら俺より強かった人はみんな居なくなっちまった。

風の噂じゃあ、引退してただのジジイになってるだのモンスターに殺されただの別の街へ移っただの、理由は人それぞれだが死んじまった系の噂は信じない事にしてる。

川 ゚ -゚)「だから何時までたってもヒョロヒョロな体なんだぞ」

('A`)「中距離支援型の俺に筋力を求めるな」

だってあんなにキチガイじみた強さの超人共が、そう簡単にくたばるとは思えないからな。

んで、気が付いたらあれよあれよという間にギルドのトップに祭り上げられてたよ。
得物のせいか、『保安官』なんて呼ばれる事もある。
むず痒いからやめて欲しいんだなぁ。
ま、頼りにされるってのは嬉しい事なんだがな。

クーの成長の仕方も半端なかった。
最初はただ剣に振り回されてるだけだったのに今じゃもう踊ってるようにしか見えねぇ。
それでいて的確に急所をつきやがる。
剣士なのに通り名がダンサーだからな。
誰が付けたか知らないが端的に彼女を言い表す良いあだ名だ。



432 :5/9:2009/03/10(火) 18:21:01.06 ID:/g0PrtCeQ

育ったのは技術だけなのが残念だ。
('A`)「クーはもっと力付けた方が良いんじゃねーの?今の剣よりも攻撃力ある武器使えるようになるだろうし」

川 ゚ -゚)「私の基本は素早さだ。誰よりも早く鋭くぶったたくだけさ」

川 ゚ -゚)「というか、ドクオの場合は戦闘スタイル云々以前に細すぎてキモいんだ。改善しろ」

相変わらず無愛想だし、思ったことはずけずけ言いやがるし、他人の都合も考えないで土足で踏み込んでくるし。

('A`)「残念ながらどんだけ食っても増えねーんだ、体重」

川 ゚ -゚)「お前はいま全女性を敵に回した」

良く言えば竹を割ったような性格ってやつだが、クーの場合はただの配慮のない遠慮しらずってやつだ。

('A`)「クーだって十分細いだろ。贅肉なんか全く無さそうだし」

川 ゚ -゚)「む」

体格だって下手に筋肉質になるよりはスリムなままの方が良いが、せめて多少なりでもメリハリが欲しいよな。
すとんすとんすとんはねーだろ…でかきゃいいってモンでもねーけど。

('A`)「あって然るべき所にも肉付いてないし」

川 ゚ -゚)「むぅ…」

その仕草は止めろ。
困った顔で俯き気味に胸を触るな。俺を萌え殺す気か。



436 :6/9:2009/03/10(火) 18:33:54.34 ID:/g0PrtCeQ

川 ゚ -゚)「ところで『樹海』の話しは聞いたか?」

('A`)「女ってのは話の脈略気にしないのな…」

('A`)「知ってるよ。なんでも『遺跡深奥』級のモンスターが発生したんだって?」

川 ゚ -゚)「保安官殿に失礼な質問をしたな」

('A`)「街からは離れてるし、このままほっといても良いとは思うが…」

川 ゚ -゚)「ふむ」

('A`)「何人か見繕って原因を調べようとは思ってる」

川 ゚ -゚)「街の近くに湧かれたらたまったもんじゃないからな」



437 :6.5/9:2009/03/10(火) 18:35:11.15 ID:/g0PrtCeQ

川 ゚ -゚)「静かで一人になりたいときにはもってこいの場所だったんだか…」

(;'A`)そ「一人で『渓谷』抜けて行ってたの?」

('A`)「…(あれ?『渓谷』の先?)」

川 ゚ -゚)「ああ。ドクオが居ないと他の男共が煩くてな」

('A`)「……(先なんてあったか?)」

川 ゚ -゚)「ドクオのキモさも役に立つものだな…って急に黙り込むな。まるで私が傷つけたみたいじゃないか」

(;'A`)「キモさって…。十分傷つくから」

川 ゚ -゚)「私の気が確かならドクオはキモいと言われて喜ぶ男だ」

(;'A`)「気じゃなくて記憶な?」

('A`)「お前が俺をどう思ってるか良く解ったよ」

川 ゚ -゚)「ふふ」

('A`)「ま、今日は疲れたしもう終りだ。明日行ってみよう」

('A`)「…(『渓谷の先』…。それに『俺の居ない時』…か)」



438 :7/9:2009/03/10(火) 18:36:10.06 ID:/g0PrtCeQ

('A`)「おう、クー。さっそく樹海に行ってみようか。メンバーはそうたな…ショボンとジョルジュ、ブーンとデレあたりで…」

川;゚ -゚)「おいドクオ。今まで何処に居たんだ?あれからもう三週間も経つぞ?」

('A`)「…は?」

川;゚ -゚)「あのあと別れてから何処に居たんだ?」

川;゚ -゚)「時々居なくなることはあったが、いつもは二、三日で帰ってきてたのに」

(;'A`)「何を言ってるんだクー。俺はいつもこの街に…アレ?」

(;'A`)「あの後は家に帰って…え?俺の家?俺はここまでどうやって来た?」

川;゚ -゚)「おい!ドクオ!しっかりしろ!」

(;'A`)「俺は…なんなんだ?俺の記憶は…?俺はただの旅人で…親父の形見を頼りに…。親父?俺の親父は?」

(;'A`)「『樹海』は…あった?。『渓谷の先』は無かった?俺は何時もこの街に居た…?」

川;゚ -゚)「ドクオ!しっかりしろドクオ!」

(;'A`)「俺は…俺は…」



440 :8/9:2009/03/10(火) 18:38:12.00 ID:/g0PrtCeQ

そこから先、なにがあったのか全く解らない。。
気が付いたら何もない空間に俺は居たんだ。
何も見えない。
何も感じない。
何時間も経った気もするし、数分しか経っていないと言われれば納得できる。
五感は一切働かず、意識だけの存在になった感覚。

俺は死んだのか…
そう思った瞬間、不意に頭に文字が飛び込んで来た。


――ID『vip14142』キャラクターNO.『22360679』ドクオを消去しますか?――


全く意味が解らない。
なんだこれは?
なんでこんな事に?
俺は一体…


――はい――







441 :9/9:2009/03/10(火) 18:40:01.02 ID:/g0PrtCeQ

( ´_ゝ`)「ドクオ終ー了ー」

(´<_`;)「廃キャラをなんの躊躇いもなく本当に消すとは…」

( ´_ゝ`)「うむ。いい加減このキャラ飽きたしな。セカンドも良い感じで育ってきたし」

(´<_` )「セカンドのレベルは?」

( ´_ゝ`)「まだ70といったところだが」

(´<_`;)「廃すぎだろ兄者…いい加減ネトゲ止めたらどうだ?もっと時間を有意義にだな…」

( ´_ゝ`)「俺からネトゲ取ったらブラクラしか残らんだろ」

(´<_` )「自分で言い切るとは。流石だな、兄者」

( ´_ゝ`)「まかせろ」







444 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/10(火) 18:43:14.27 ID:/g0PrtCeQ

遅くなりました。

前スレお題
保安官
樹海
ふじさんろくにおーむなく

改行数えミス…
携帯ゆえAA変でも許してちょ。
批評よろしく願います。


[ 2009/03/10 22:50 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

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