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イ从゚ ー゚ノi( ・∀・)彼らは星を眺めているようです


16 :イ从゚ ー゚ノi( ・∀・)彼らは星を眺めているようです:2009/02/28(土) 11:52:46.00 ID:g0jaLaXf0

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...(,,゚Д゚)

静かな丘を一人歩いていた。趣味の天体観測を行うためだ。
なにも歩かずとも観測スポットに行くことは出来るが、この方が情緒があっていいと考え、あえて足を使い登ることにしたのだ。


数十年前、地球では大気汚染が進み、 「やがて星が見えなくなるのではないか」 と危惧されたという。
しかし、森林保護を中心にさまざまな環境保護政策が取られ、今では透き通る星達が頭上にきらめいて見えるほど大気は澄んでいた。

今、私が歩いているこの丘陵は付近の富豪の私有地である。
そしてその人物の意向により、豊かな自然を残した状態で保たれていた。許可を貰えば私のように散策も出来る。



17 :イ从゚ ー゚ノi( ・∀・)彼らは星を眺めているようです:2009/02/28(土) 11:55:10.91 ID:g0jaLaXf0

その富豪――モナー、という名らしい――は自然を愛し、そして同じく愛する者のために休憩所を設けてくれたり、必要な器具を貸し出してくれている。
実際に会って話してみたが気品高く、けれども飾らぬその人柄に私は好印象を抱いた。

しばらく自然や宇宙に関する談議に花を咲かせていた。
やはりこの時代、わざわざ地球から星を見る者は少数。お互い、嬉しかったのだろう。


そして帰り際。彼は私に、一緒に天体観測をしないかと提案した。
なるほど、一人でする天体観測も良いが、同好の士とするそれもなかなか乙なものである。

こちらこそぜひお願いしたいと私はそれを了承した。
そして待ち合わせ場所は前述の休憩所とし、その日は別れた。



(,,゚Д゚) その丘にはクワガタとか居ないのですか

( ´∀`) 先日指を噛まれました

 ↑rich man



21 :イ从゚ ー゚ノi( ・∀・)彼らは星を眺めているようです:2009/02/28(土) 11:57:21.87 ID:g0jaLaXf0

普段の移動はほぼ機械に依存している。そんな現代人には少々この道は険しいようだ。いささか息があがる。
ともあれ、私は待ち合わせの場所である休憩所を目指した。


ようやくそれらしき建物が見えてきた。

あらかじめ渡されていた鍵で開錠し、中へ入る。
そして照明を付け、備え付けられている椅子に腰をおろし、体を労わった。

その部屋には多くのタペストリーが飾られており、私の”旅情”を静かに盛り上げた。悪くない。


(,,゚Д゚) うーむ

(,,゚Д゚) 祇園祭のタペストリーはそぐわないな



22 :イ从゚ ー゚ノi( ・∀・)彼らは星を眺めているようです:2009/02/28(土) 12:00:14.36 ID:g0jaLaXf0

繊細に紡がれた織物のひとつひとつを懐古的な気分で眺める。私の祖父もタペストリーの収集家であったと聞いた。
祖父もやはり、私のようにロマンを感じていたのだろうか。

それらを半分ほど見終った時だ。ある、一つのタペストリーに私の目は釘付けになった。

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 イ从゚ ー゚ノi( ・∀・)

ISTI MIRANT STELLA
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微笑む少年と少女が表現されたタスペストリー。まだ真新しい。
他の作品もかなりの出来映えであるが、これは意匠・完成度ともに信じれないほど高かった。

そしてまるで導かれるように、その下部に縫われた文字の意味を求め携帯端末でそれを翻訳する。

――彼らは星を眺めている――


ああ。彼らは星を眺めているのか。
呆然とする私の頭の中に、知らない記憶が流れ込む。

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23 :イ从゚ ー゚ノi( ・∀・)彼らは星を眺めているようです:2009/02/28(土) 12:02:14.07 ID:g0jaLaXf0

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2061年7月


時間は夜。場所は静かすぎる丘。そして一人、老人が居た。
これが今、私の目に映っているものである。奇妙な夢だ。


さらによく見る。老人は目を瞑り、手には汚れたガラスの容器を持っている。そしてその中には写真と思しきものが見える。
彼は優しく、懐かしむようにそれを撫でている。


(::-∀-)


科学が飽和するほどまでに発展した現代では、”ガラス”はすでに過去の産物だ。
しかしそれゆえ、老人にとってそれはかけがえの無い、大事な何かなのであろう。


静かにたたずむそのさまは、遠い、遠い昔を思い出してるかのようにも見えた。



24 :イ从゚ ー゚ノi( ・∀・)彼らは星を眺めているようです:2009/02/28(土) 12:04:31.84 ID:g0jaLaXf0

ややあって。老人は何かを決心したかのように鋭く目を開き、空を見つめる。

……空を見た彼は放心状態になっていた。力が抜けたその手からガラスが滑り落ち、砕ける。写真が舞う。



そして。それから。

老人の目から一筋の彗星が流れた。


薄れ行く私の意識の中で、彼はこう呟いたのが聞こえた。


(::・∀・) 「ああ、星と死が見える」


意識が流れる。
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25 :イ从゚ ー゚ノi( ・∀・)彼らは星を眺めているようです:2009/02/28(土) 12:07:53.31 ID:g0jaLaXf0

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1986年2月


*少年と少女が居た


イ从゚ ー゚ノi(・∀・ )


*彼らは仲睦まじく、話し合っていた


「ねぇ、知ってる? 大きな流れ星が来るんだって」

「        」

「えっとね……今月の9日、しあさってだね」

「               」

「もちろん、いっしょに見よう」



*なぜか少女の声は、私には聞こえない



26 :イ从゚ ー゚ノi( ・∀・)彼らは星を眺めているようです:2009/02/28(土) 12:10:52.28 ID:g0jaLaXf0

*やがて日が経った。場面は夜の丘。どこかでこの丘を見た気がする
彼らは厚着をし、毛布を分け合い寄り添っている


「寒いね」

「    」

「なかなか見えないね」

「     」

「……」


*空は曇っている


「けっきょく見えなかったね……」

「  」

「次は……76年後だって」

「   」



27 :イ从゚ ー゚ノi( ・∀・)彼らは星を眺めているようです:2009/02/28(土) 12:13:10.96 ID:g0jaLaXf0

「ねぇ、約束しよう」

「  」

「おじいさんとおばあさんになってから、もう一回見よう」

「    」



*何かをガラスに入れ、地面に埋める二人の姿が見える

*私の意識は、再び闇に落ちる

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28 :イ从゚ ー゚ノi( ・∀・)彼らは星を眺めているようです:2009/02/28(土) 12:16:10.65 ID:g0jaLaXf0

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(,,゚Д゚)

しばらく呆然としていたが、やがて背後から聞こえた私を呼ぶ声に我を取り戻した。振り返ると

( ´∀`) モナモナ

モナーさんが居た。そして彼は私にどうかしたのかと尋ねた。少し疲れまして、と私はなんとなくごまかした。



そして、この小屋の持ち主であるモナーさんに

「あのタペストリーは素晴らしいですね」

と、それを指差しながら言った。喜色を浮かべながら彼はその作品にまつわる話をしてくれた。



30 :イ从゚ ー゚ノi( ・∀・)彼らは星を眺めているようです:2009/02/28(土) 12:18:47.78 ID:g0jaLaXf0

///
モナーさんの話を要約すると、数年前、この近くで彼の祖父が倒れ亡くなっていたらしい。
その傍らには少年の頃の祖父と少女が写った写真が落ちていたという。

葬儀を済ました後、モナーさんはその写真の構図通りにタペストリーを作らせた。モナーさんの祖父もまた、タペストリーの収集家だったらしい。

そして、その写真にまつわる話を知っていた彼は、よく祖父が星を見ていたというこの小屋に飾っておいたのだという。
モナーさんが語った祖父の昔話は、多少の違いがあるものの、私が見た夢とほぼ一緒だった。

私が見た不思議な夢は、そっと胸の中にしまっておくことにした。



それから小屋を出て、こっそり黙祷を捧げる。
そして重い荷物を二人で分け合って、丘を登る



その日の星は、一段と透き通って見えた。     

                      end
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[ 2009/02/28 20:38 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

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