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(,,゚Д゚)はエロの街で商売を営むようです


199 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 20:51:59.75 ID:hXqsXMH10

~(,,゚Д゚)はエロの街で商売を営むようです~

ここはとある国のとある街。ここは諸事情によって公的権力による支配が皆無に等しい。

そんな汚れた街には汚れた人間が集まるものだ。
居着くのはマフィア、堕落した人間、何かしらの犯罪を犯した者、etc……
とどのつまり掃き溜めである。

(,,-Д-)「……ふう」

そんな悪の聖なる都とも言える街、VIPに住む1人の男。
狭いベッドから起き上がり、辛うじて動いている壊れかけの目覚まし時計を見る。

(,,゚Д゚)「む、もう12時か」

朝というには遅すぎる時間。男は食事の準備を始める。
メニューは簡単にトーストと目玉焼き。

(,,゚Д゚)「店は……2時からでいいか」

男の性格はかなり適当らしい。
独り言をつぶやきながらトーストをかじる。

沸かしたお湯でインスタントコーヒーを飲む。
お粗末な香りではあるが、嫌いではない。

ささやかな幸せを噛み締めていると、ノック音。
誰かが玄関前で扉を開いているようだ。



200 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 20:53:15.55 ID:hXqsXMH10

(,,゚Д゚)「……誰だ?」

店が開かないのにしびれを切らしたのだろうか。
相当の強さで扉は叩かれている。

(,,-Д-)「今出ますよーっと」

ふらふらとしながらノブに手を掛ける。
開けた扉の前にはスーツを着た1人の女性が立っていた。

('、`*川「ここは10時には店を開くと聞いたんだけど。聞き間違いだったかしら?」

(,,゚Д゚)「あー、そりゃ間違ってねえ。ただ俺が寝坊しただけだ」

('、`*川「にしては随分と余裕だわね」

(,,゚Д゚)「焦らない主義でな、……で、何の用だ?――ペニサス」

ペニサスと呼ばれた女性は外人がそうするように両手を開き、呆れた表情で句を継ぐ。

('、`*川「私があなたをデートに誘いに来たとでも?」

(,,゚Д゚)「そいつは勘弁だ、命がいくつあっても足らん」

('、`*川「とにかく早く着替えて店の前に来て頂戴、話はそれから」

(,,-Д-)「めんどくせえな……」

踵を返し、外に出るペニサス。
男が放った言葉は届いていないようだ。



201 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 20:54:47.42 ID:hXqsXMH10

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しばらく後、店と自宅が一体化した建造物から男は出てきた。
ペニサスは待たされるのが得意ではないようで
5分と待たせていないはずなのに何故か吸われた葉巻が1本地面に落ちている。

店の位置は入り組んだ路地の奥にあり、意図しなければ入ることは出来ない。
レンガ造りの低い建造物に囲まれたこの場所は集客という点では不都合かもしれない。

レンガの壁によりかかり、2本目の葉巻を吸っているペニサスに男――ギコは釘を刺す。

(,,゚Д゚)「あらかじめいっとくが、もう俺はただのアダルトグッズ店の店長、ギコ=アルバートだ」

('、`*川「あら、久しぶりなのに釣れないわね。『突撃機械ギコ』」

ギコは目を閉じ、そう呼ばれていた過去を思い出しているのか。
口にした言葉は尻すぼみだ。

(,,-Д-)「もう、昔の話だ……」

('、`*川「それにしても店くらい時間通りに開いたらどうなのかしら?」

(,,゚Д゚)「アダルトグッズ販売は趣味の一環だしな、飯を食えればノープロブレムだ」

('、`*川 「はん、相変わらずの雑っぷりだこと」

(,,゚Д゚)「で……ホテル・もすかうの頭がここに何の用だ?」

('、`*川 「そうね、そろそろ本題に入りましょうか。今日来たのは――」

紡がれていた言葉は音を立てて2人の間を通過した物体によって遮られる。



202 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 20:56:14.52 ID:hXqsXMH10

(;,゚Д゚)「なっ! 軍用バイブだと!?」

飛来したそれは軍用バイブ。
民間用より飛躍的に振動数が高く、接触した物体を超高速で振動させることにより目標の破壊を達成する。
頭を軽く吹っ飛ばせる威力のそれは次々と打ち込まれる。

(;,゚Д゚)「くおっ!!」

正確に打ち込まれるバイブをローリングで回避し、物陰に隠れる。

('、`*川 「ったく、邪魔が入ったわね」

路地を挟んで反対側。
既に遮蔽物を得ているペニサスは葉巻を吐き捨て、悪態をつく。

(,,゚Д゚)「狙撃だなこりゃ」

ギコはかつて、とはいえどもこのような危険な状況は日常茶飯事だった人間だ。極端な動揺はしない。
ホテル・もすかうのVIP支部を担当するペニサスともなれば刺客は山のように送られてくるのだろう。

軍用バイブはいわば銃弾。素手で扱える代物ではない。
銃――といってもこの街ではバイブ射出機のことを指すのだが、それが必要となる。

果たして敵はどこにいるのか、思考を巡らせている間にもバイブは着弾。地をえぐる。
振動による独特の音は相手に恐怖を与える効果もある。



203 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 20:57:58.37 ID:hXqsXMH10

('、`*川「コレ使いな」

ひょい、と投げてよこしたのは1丁の超小型バイブ射出機。「VIP-01」
殺傷能力が抑えられた民間人の護身用として広く知られている武器だ。
改造が施してあるらしく、銃身にもすかうと刻印されたそれは、見た目は拳銃となんら変わりない。

(,,゚Д゚)「どうもっと」

スライドさせ、バイブを装填する。
装弾数は8発。標準的なところだ。

('、`*川「……敵狙撃手は10時の方向、ビルの屋上ね」

言うやいなや、物陰から飛び出して自身の銃を発砲する。
片手で撃つことは男性にも難しいと噂される「スチェッキン・もすかうカスタム」だ。
フルオート発射可能で装弾数は25発。常識離れした装弾数である。



204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 21:00:18.82 ID:hXqsXMH10

フルオートの利点はいうまでもなく連射性である。
制圧作戦などには重宝するし、白兵戦などでは薙ぐように撃てば当たる確立もあがる。

しかし重大な欠点がある、それはぶれが生じること。
もちろんバイブの振動が直接使用者に伝わらないよう減衰装置は装備してあるのだが完全に振動は殺せない。
銃はバイブの振動自体を最大限に利用して発射するため火薬などは使わない。
しかしこの振動が連続するせいでフルオートは正確な照準が困難となるのだ。

しかし、それは常識で捉えた場合の話。
ホテル・もすかうの頭、2丁銃のペニサスには通用しない話だ。
連続で放たれるにも関わらず、照準は一切ぶれることを知らない。



206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 21:02:13.91 ID:hXqsXMH10

('、`*川「よし、お掃除完了」

距離にして150メートル強、拳銃型にはやや辛い距離ではあるが見事に命中させる。
狙撃銃を構えていた男は何が起きたのかもわからず、豆が落ちるように下へ落下していった。

(,,゚Д゚)「相変わらずの腕だな、『2丁のじゃじゃ馬』は健在ってところか」

('、`*川「まったく、ちょっと外出しただけでこれなんだから……」

(,,゚Д゚)「仮にも立場をわきまえろってこった」

('、`*川「そうね、護衛の1人でも連れてこればよかったわ」

(,,゚Д゚)「そういや話が逸れたが……ここに来た理由はなんだ?」

('、`*川「なに、ちょっと仲良くして欲しいのよ」

銃を懐にしまい、代わりに新たな葉巻を取り出して吸い始める。
紫煙が昇りペニサスの視線が一瞬見えなくなる。



208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 21:03:58.18 ID:hXqsXMH10

(,,゚Д゚)「どういうことだ?」

('、`*川「我々、ホテル・もすかうの銃器入手ルートは知ってるわね?」

(,,゚Д゚)「ああ、確かラウンジルートとオオカミルートだ」

('、`*川「今朝報告が来たんだけど、その2つのルートが不明勢力によって壊滅させられたのよ」

(,,゚Д゚)「なんだと!?」

あのホテル・もすかうのルートが壊滅する。
それは天地が引っくり返っても起きそうにない事態だ。
ホテル・もすかうはこの街では2、3ある大手マフィアの1つに過ぎないが、仮にも世界規模のマフィアである。

この腐った街の命知らず達が小金欲しさにペニサスを狙うのならともかく、マフィアの生命線である銃器入手ルートを攻撃する。
それは図らずしもホテル・もすかうに対する宣戦布告。しかも単独で出来るような行動ではない。

ペニサスは煙を吐き出し、壁に寄りかかって腕を組む。
タイトスカートからは白い足が覗いている。



209 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 21:05:57.41 ID:hXqsXMH10

('、`*川「ええ、事態は非常に不快だわ、ギコ。
     もちろん我々はルートを壊滅させたドン・キホーテ一行をを地の果てまで追いかけ
     大砲に詰めてアポロよろしく月の裏側までふっ飛ばさないと気がすまないわ」

(,,゚Д゚)「そいつはご苦労なこった。でも俺には関係ねえな」

('、`*川「ええ、それはまた別の話。今回貴方を訪ねたのは銃器入手のためよ」

(,,゚Д゚)「……まあ、そうなるだろうな」

ルート壊滅あたりから大体の想像はついていた。
ギコの店は多少ながらもホテル・もすかうに銃器を卸していたからだ。
表向きはただのアダルトショップに見えるが実はこうした商売もやっている。



210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 21:08:03.02 ID:hXqsXMH10

(,,゚Д゚)「で、どのくらい入用なんだ?」

('、`*川「そうねえ、後で下の者に伝えさせるからとりあえずいいわよ。今日は挨拶に来ただけだし」

(,,゚Д゚)「挨拶に来ただけで鉄火場じゃあ世話ねえや。とりあえず、出来る限りの対応はさせてもらう」

('、`*川「ええ、頼んだわよ」

(,,゚Д゚)「ところでこれ――」

差し出したのは先程受け取った「VIP-01」
結局撃つ機会はなかった。



211 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 21:10:12.34 ID:hXqsXMH10

('、`*川「ああ、それあげるわ」

(,,゚Д゚)「もすかうの刻印が入ってるんだが……」

('、`*川「それは我々との契約の印ってことで取っておいて頂戴」

話すことは済んだらしい。
ペニサスは軽く手を挙げて別れの挨拶とし、その場を去った。

(,,゚Д゚)「…………」

(,,-Д-)「ったく、面倒事になりそうだ」

誰に言うでもなく、1人ギコは愚痴る。
その手にはVIP-01。これを使う日がまた来るのだろうか。
とりあえず早く店を開こう。そう思いギコは建物に吸い込まれていった。


~(,,゚Д゚)はエロの街で商売を営むようです~fin



[ 2009/02/24 20:20 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

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