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( ^ω^)過去がくれた物、のようです


769 :( ^ω^)過去がくれた物、のようです:2009/02/15(日) 20:58:59.92 ID:5DJ7qFrx0

――弓状列島の国の電気街――

( ^ω^)「あー、あっちぃお。うっぜぇ」

ξ;゚⊿゚)ξ「ホント、暑すぎ……」

 夏。
 小さな島国を熱波が覆う。

「「過去に類を見ない異常気象であり、放棄を……」」

 真昼の電気街に立ち並ぶ店。
 その店頭では、同じ内容のニュースが念仏のように流されていた。

 異常気象。
 そう銘打たれた現象は、まさに異常と言える威力を持ってして島国を襲う。

( ^ω^)「気温46℃て、なめてんのかお」

 平成と呼ばれた時代が終わりを迎え、時代は移ろった。
 そんな中を生き抜いた人類でも抗いようの無い、危機が迫る。



772 :( ^ω^)過去がくれた物、のようです:2009/02/15(日) 21:02:15.42 ID:5DJ7qFrx0

( ^ω^)「ま、いっそ人間なんか消えちまえばいいお」

 そんな状況を、達観しながら論じた。
 僕は今、休日だというのにバイト先に向かっている。

ξ;゚⊿゚)ξ「なに馬鹿なこと言ってんのよ」

 そんな僕にツッコミを入れてくるのは、ツンだ。
 恋人関係とか、そんなのでは断じて無い、ただの幼馴染のバイト仲間。
 それなのに下着姿に近い薄着で、僕と肩を並べている。

( ^ω^)「ホントのことだお。協調性を失った今の人間なんかクズだお」

 思っていることを、吐き出した。
 時代が変わったのだ、ということは理解している。
 その変化の中で人間は、変わっていく者だということも。

 それでも、今の変化は目に余った。
 大量消費。大量生産。大量破壊。
 果ては、自らが汚してきた地球からの離脱。

 残される側の者はどうなる。積み重ねてきた物はどうなる。
 刻々と刻まれるカウントダウン。新天地への移民は、明日に迫っていた。



775 :( ^ω^)過去がくれた物、のようです:2009/02/15(日) 21:05:28.25 ID:5DJ7qFrx0

ξ;゚⊿゚)ξ「まったくあんたは……」

『 ア゙ ア゙ ア゙ ア゙ ! ! 』

 鳴き声が聞こえる。
 大人しくしていろ、お前の生きた時代は終わったのだから。
 今は僕らの時代。生きるべきなのは、僕らだ。

『ギ ャ ア゙ ア゙ ア゙ ア゙ ! ! 』

( ^ω^)「るせぇお」

ξ#゚⊿゚)ξ「うるさいって何よ」

( ^ω^)「ツンに言ったんじゃないお」

ξ;゚⊿゚)ξ「は? どういう……待ちなさいよ!」

 歩くペースを、速めた。
 今日で最後になるバイトだ。
 そう思えば、今日ばかりはやる気が沸いてきた。

( ^ω^)「……」

 明日の今頃は、僕らは宇宙を旅しているだろう。
 宇宙には、僕の中の者を満足させられる景色があるのだろうか。
 いや、あるはずが無い。利己的な汚れた感情に満たされている限りは、在り得ない。

 黒く滲んだ空を見上げながら、そんなことを思った。



776 :( ^ω^)過去がくれた物、のようです:2009/02/15(日) 21:08:24.98 ID:5DJ7qFrx0

――バイト先――

ξ;゚⊿゚)ξ「ふぅー涼しい」

( ^ω^)「生き返った気分だお」

 冷房の効いた店内は、身体中を潤すかのような冷気で満たされていた。

(´・ω・`)「やぁ、今日は早かったね」

ξ゚⊿゚)ξ「今日も、ですよ」

(´・ω・`)「はは、そうだね」

 冷水の入ったコップを渡してくれた、ショボン店長。
 彼はこの電気街で最大を誇るパソコンショップを営む男性で、
 数年ほど前にツンと共にここのバイトに採用されたときからの付き合いだ。

(´・ω・`)「まぁ、とりあえずは仕事をしようか」

 と言い残して、ショボン店長は商品を並べる作業を始めた。
 その時、彼の表情が一瞬歪んだように見えた。



779 :( ^ω^)過去がくれた物、のようです:2009/02/15(日) 21:11:23.51 ID:5DJ7qFrx0

( ^ω^)(ああ、そうか)

 理由は考えるまでも無い。
 この人は、残される側の人だから。

ξ ⊿ )ξ「……」

( ^ω^)「泣くなお、ツン」

ξ ⊿ )ξ「泣いてなんか……ないわよ」

 声を震わせながら言われても、説得力に欠ける。
 僕だって気を抜いてしまえば涙が流れそうだというのに。

(´・ω・`)「……」

 どうして貴方は平気なんですか。
 不安に、焦燥に、絶望に駆られているはずなのに。

(  ω )(どうして……)

 折角のやる気も削がれ、仕事に身が入らない。

 最後だからこそ頑張りたい。
 そう思っても、最後の先にある未来に。
 今の前にある過去に、僕は縛り付けられていた。



780 :( ^ω^)過去がくれた物、のようです:2009/02/15(日) 21:13:19.45 ID:5DJ7qFrx0

――星間飛行用ロケット内――

ξ゚⊿゚)ξ「これで、この星ともサヨナラね」

( ^ω^)「だおね」

 生命の源として存在していた、地球。

 しかし、生命としての人類の象徴だったこの星も、時代の波に飲み込まれようとしていた。
 星間飛行技術や、テラフォーミング技術の発達により、使い捨ての生命のバッテリーと化したのだ。

ξ゚⊿゚)ξ「地球って、あんなにキレイだったのね……」

( ^ω^)「……」

 離陸から数分で、ロケットは大気圏を抜けた。
 小さくなっていく地球から、残される側の人の悲鳴が聞こえた気がした。

『……』

 僕の中の者は、僕が地に足をつけていた時と違い、静かになっていた。

( ^ω^)(お前は、僕を笑ってるのかお?)

 貴方は、僕らを笑っているんですか。


( ^ω^)過去がくれた物、のようです
        ――fin,







781 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/15(日) 21:15:45.92 ID:5DJ7qFrx0

以上です。

お題は
AA勢揃いで強敵に立ち向かう話
でした。

どこで間違ったのでしょうか。


[ 2009/02/16 19:32 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

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