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想い、のようです


507 :。:・*'想い、のようです'*・:。:2009/02/15(日) 02:37:55.02 ID:GgAEhH9XO



まわれ、めぐれ、人の想い



叶わなくとも、伝えなくとも



想え。



それこそが美しい




※※※※※※
爪'ー`)y‐
この話のフォックスは黒髪ロング巨乳のブラクラのレヴィみたいな女のヒトです
※※※※※※




508 :( ・∀・)想い、のようです:2009/02/15(日) 02:40:14.34 ID:GgAEhH9XO

「お待たせいたしました」

 目の前に置かれたティーカップ。
 ミルクで描かれた可愛らしいハートを見て口をつけるのをためらった。

 別に今すぐカフェラテを飲まなきゃ死ぬわけじゃない。
 このハートを描いた人は仕事だから描いたんだろう。
 でも今日ぐらいはその意味をもう少し全うさせたい。

( ・∀・)(変な感傷って俺にもあるんだな)

 見渡せば人、人、人、人。
 皆どこかを目指して歩いて行く。

 意識しなくても、人波を構成する中に幸せそうな男女が多いのは分かる。
 休日の繁華街だからじゃない。






510 :( ・∀・)想い、のようです:2009/02/15(日) 02:42:46.79 ID:GgAEhH9XO

( ・∀・)(……今日、だから。2月14日だから)

 対して自分は1人オープンカフェに座っている。
 一緒にいるのはカップの中のハート。

 くだらない商業戦略に乗せられて、と切り捨てることは出来なかった。
 イベントという非日常は日常をより幸せに過ごすために必要だ。



 行き交う人の中に無意識に栗色の柔らかいカールした髪を探してしまう。
 彼女がいつも着ている白いコートを探してしまう。
 彼女の赤のショルダーバッグを探してしまう。



 彼女が、今日何を想って誰といるか知っているのに。





513 :( ・∀・)想い、のようです:2009/02/15(日) 02:48:19.33 ID:GgAEhH9XO

( ・∀・)(やっぱり誰かと遊びに出りゃ良かった)

 誘いはあった。

 よく笑いあう女の子からも
 いつもの男友達からも
 あまり話したことのない女の子からも。

 同居人のまたんきといる手もあった。

 でも今日は1人になりたかった。

 1人で、雑踏を見つめて
 1人で、カフェラテを飲んで

 1人だって悪くない。
 そう。1人だって悪くない。
 それが強がりだったとしても。




514 :( ・∀・)想い、のようです:2009/02/15(日) 02:50:14.22 ID:GgAEhH9XO

( ・∀・)(世界中の誰に好かれても、君に振り向いてもらえないなら)

 風が吹いて、彼女と似たコートを着た女性の髪を揺らした。

 その女性から目を逸らして、カップに口をつけた。
 いつもと同じ味がした。





515 :川 д川想い、のようです(・∀ ・ ):2009/02/15(日) 03:08:29.12 ID:GgAEhH9XO

―――――あなたは今日、誰ともいなくていいの?

(・∀ ・)「なんで?君といるじゃない」

―――――いや、それはそうかもしれないけど、
     私をカウントに入れていいのかしら

(・∀ ・)「僕がそれを肯定してるからいいんじゃないかな」

 またんきは、客観的に見て誰もいない空間に話しかけていた。
 今のところ彼女が見える人間はまたんきしかいない。

 といってもまたんき自身が見えるか見えないか確認した相手はモララーだけだったが。

(・∀ ・)「僕の親友はね」

川д川『―――唐突ね』

(・∀ ・)「大好きな彼女が振り向いてくれないのを再認識しに雑踏へ出掛けたのさ」

川д川『―――暗い男ね』






516 :川 д川想い、のようです(・∀ ・ ):2009/02/15(日) 03:14:03.65 ID:GgAEhH9XO

(・∀ ・)「普段はとてもじゃないけどそんなキャラじゃないのに」

川д川『―――この間会わせてくれた人?私のこと見えなかった』

(・∀ ・)「そう、そいつ」

 またんきの携帯が震えた。
 メールを確認して小さく息を吐いて顔をあげる。

(・∀ ・)「今日、見えそう候補2人目を紹介する予定だったんだけど」

 またんきはもう一度携帯を開けてぱちんと閉じた。

(・∀ ・)「急用が入って来られなくなったみたい」

川д川『―――残念ね』





517 :川 д川想い、のようです(・∀ ・ ):2009/02/15(日) 03:19:47.97 ID:GgAEhH9XO

(・∀ ・)「あまり残念じゃなさそうに言うね」

川д川『―――そうかしら』

(・∀ ・)「全く残念そうじゃないよ」

川д川『―――じゃあ残念じゃないんだと思うわ』

(・∀ ・)「2人目候補はね」

 空を見上げながら言う。
 風が貞子を通り過ぎてまたんきに触れた。

(・∀ ・)「今日は都合悪いんじゃないかと思ったんだ。
      案の定電話で呼び出されたって」

川д川『―――だから、あなたは今日ここにいていいの?』




519 :川 д川想い、のようです(・∀ ・ ):2009/02/15(日) 03:23:40.22 ID:GgAEhH9XO

(・∀ ・)「だからあなたといるじゃない。
      モララーは1人になりたいらしいからいいんだよ」

 貞子は少しだけ顔をあげてまたんきを見た。
 正確には彼女は「見る」ことは出来ないけれど。

川д川『―――そう。ならいいわ』

 風がまた吹いて、貞子の長い髪を通り過ぎてまたんきの髪を揺らした。




521 :( ∵)想い、のようです('、`*川:2009/02/15(日) 03:30:40.27 ID:GgAEhH9XO

('、`*川「……はい」

( ∵)「……どうも」

 ビコーズが電話で呼び出されて何事かと来てみれば盛大に仏頂面をした伊藤が立っていた。
 手渡されたのは可愛らしいピンクの包み。

 いくら鈍い奴でも内容物を当てられるような、包み。

 受け取ったビコーズはしばし思考停止した。

('、`;川「いや、別に深い意味は無いから考え込まなくていいから、
     だからたまたまフォックス姐さんに誘われたから作っただけで
     別にお前のために用意したっていうか、でもフォックス姐さんも
     ちゃんとチョコとか用意すんだから意外に乙女だよねあははは」

( ∵)「いや、ペニー落ち着いて」





522 :( ∵)想い、のようです('、`*川:2009/02/15(日) 03:33:09.80 ID:GgAEhH9XO

('、`;川(……じゃあ貰ったあと沈黙とかすんなよ)

( ∵)「意外と照れもなく普通に渡して来たなぁと思って驚いただけだよ」

 ビコーズは伊藤にしか分からない笑みを見せた。

( ∵)「ありがとう。嬉しいよ」

('、`*川「……うん」

 2人の間にそれなりにストロベリーな空気が流れかけた。

( ∵)「で、ペニー」

( ∵)「これ、ちゃんと食べられる?」

( 、 川「………」

 ストロベリーな空気は気のせいだった。




523 :爪'ー`)想い、のようです(´<_` ):2009/02/15(日) 03:38:44.46 ID:GgAEhH9XO

(´<_` )「美味かったよ」

爪'ー`)y‐「当たり前だろ。レシピはロマネスクのだぞ」

(´<_` )「でも作ったのはお前なんだろ?」

 細長いダイニングテーブルに空になったケーキ皿と、淹れ直されたコーヒー。
 フォックス宅にはくつろいだ空気が流れている。

爪'ー`)y‐「レシピがありゃ誰にでも作れるさ。それにお前のアップルパイの方が美味い」

 その素っ気ない口調とは裏腹に嬉しそうな笑みが口元に浮かんでいる。

 弟者も、フォックスも。

(´<_` )「……なあ、フォックス」

爪'ー`)y‐「なんだよ、急にに改まって呼ぶな。気持ち悪い」

(´<_` )「ちゃかすなよ」




524 :爪'ー`)想い、のようです(´<_` ):2009/02/15(日) 03:41:22.67 ID:GgAEhH9XO

爪'ー`)y‐「………」

 コーヒーに伸ばしたフォックスの手が止まった。
 真っ直ぐ見据えてくる弟者の目を強い眼差しで見返す。

(´<_` )「はっきりさせておくが」

 弟者がゆっくりはっきり言葉を発する。
 その次の言葉を聞く前に、フォックスが先に口を開いた。

爪'ー`)y‐「私はお前が好きだ」

(´<_` )「……先に言う奴があるか」

 弟者はふてくされたようにそっぽを向いた。

爪'ー`)y‐「私は負けず嫌いなんだよ」





526 :爪'ー`)想い、のようです(´<_` ):2009/02/15(日) 03:47:17.03 ID:GgAEhH9XO

(´<_` )「……ほぅ」

爪'ー`)y‐「それに何となく今後の主導権とかにも関係しs」

 細長いダイニングテーブルの上に乗り出して、弟者の唇がフォックスを黙らせた。

 そのまま弟者の舌が唇を割って入り、フォックスは目を閉じた。
 今までぶっきらぼうだったのが嘘のように熱く狂おしく絡まりあう。

 片手をテーブルについたまま、もう片方の手を黒髪に伸ばす。
 撫でるような心の余裕は無く、優しくしたい気持ちとは裏腹に奪うような強さでもっと深く口付けた。

 歯列をなぞり、コーヒーの苦味を感じないぐらい甘い舌を吸い上げる。
 フォックスの吐息に甘い喘ぎが混ざっていく。

 時計の針がいくらか進んで、弟者はフォックスを解放した。
 心なしか頬が上気している。

(´<_` )「奇遇だな。俺も負けず嫌いだ」

爪'ー`)y‐「……面白くなるな」

 呟いた動作そのままにフォックスは(省略されました。続きを読むには蓬莱の玉の枝を取ってきてください)





527 :(ФωФ )想い、のようです( ´_ゝ`):2009/02/15(日) 03:50:43.98 ID:GgAEhH9XO

 リビングにむさ苦しくも男が2人。

( ´_ゝ`)「いつ食ってもロマネスクのスイーツ(笑)は美味いな」

( ФωФ)「我が輩が愛を込めて作ったのだから当たり前であろ」

 コーヒーの飲めない兄者のためにミルクティを入れながら答えた。
 双子の片割れの、うだつの上がらない方。

( ´_ゝ`)「うっうーうまうま」

( ФωФ)「うろ覚えでネタ使ってもなんのことか分からんぞ」

( ´_ゝ`)「ぽーにょぽにょぽにょ」

( ФωФ)「JASRAC来たら困るからやめい」

( ´_ゝ`)「ミッ○マウス♪ミッ○マウス♪ミッ○ミッ○マウス♪」

( ФωФ)「叩き出すぞ」




533 :(ФωФ )想い、のようです( ´_ゝ`):2009/02/15(日) 04:12:51.21 ID:GgAEhH9XO

 兄者が落ち込む意味は分かる。
 良く分かる。

 双子の片割れの冴えてる方と想い人が同じで。
 ましてや2人が、今日。

 遺伝子が同じなのに2人はまるで違い、
 まるで違うのに同じ人間を愛した。

( ФωФ)(……2人とも良い奴ではあるのにな)

( ´_ゝ`)「良い奴だって意味ないよ」

( ФωФ)「!!!貴様我が輩の考えてることが!?」

( ´_ゝ`)「だって俺の嫁は晶だもん。次元は超えられん。ショート最高」

( ФωФ)「……やっぱり叩き出すぞ」




535 :(ФωФ )想い、のようです( ´_ゝ`):2009/02/15(日) 04:15:50.41 ID:GgAEhH9XO

 全く可愛げのない傷つき方をする。

( ´_ゝ`)「……お前のあの酷く冴えない甥は幸せなのか」

( ФωФ)「彼奴なら今日はデートだ。あと貴様には冴えないとか言われたくはない」

( ´_ゝ`)「そうか」

 ―――みんなみんな幸せになぁれ

 そう呟いてミルクティに手をつけた兄者を見ながら、
 今日は夕食も振る舞ってやるかな、と考えついた。

 男2人のディナーの何が悪い。
 傷ついたら慰めるか、そばにいるのが当たり前だ。

 冷蔵庫の中を思案しながら自身もミルクティに手をつける。

 窓の外では風が柔らかに吹いていた。




537 :川 ゚ -゚)想い、のようです('A` ):2009/02/15(日) 04:20:48.14 ID:GgAEhH9XO

 2人でいると沈黙が多い。
 以心伝心、とかではなく単に2人とも会話が少ない。
 言葉が少ない。

川 ゚ -゚)「これ」

('A`)「ああ……ありがとう」

 前置きも感動もなく突き出された赤いラッピング。

('A`)「……手作り?」

川 ゚ -゚)「そうだ。渡辺と作った」

('A`)「へぇ……クーの、手作り」

川 ゚ -゚)「繰り返すな。恥ずかしい。渡辺は器用だからな」

 クーの口数が多い。
 照れているサイン。

 俺だけの分かるサイン。



538 :川 ゚ -゚)想い、のようです('A` ):2009/02/15(日) 04:22:38.83 ID:GgAEhH9XO

('A`)「今食べてもいい?」

川 ゚ -゚)「……止めてくれ」

('A`)「なんで?」

川 ゚ -゚)「なんでって……ドクオは舌が肥えてるから。
     叔父さん、ロマネスクさんやたら炊事関係は上手いし、あ、止めろ」

 珍しくクーが長文をダラダラとしゃべる間に包みを開けた。
 止めようと手で邪魔をするが、だがそれも弱々しい。

 中身はチョコチップのクッキーだった。

 まるで売り物とは比べられない。
 ロマネスクとも比べられない不揃いな。

 一つ摘みあげて口元へ運ぶ。

('A`)「ロマ叔父は確かに色々上手いけどさ」

 一口かじって微笑んだ。
 冴えない俺を、好きになってくれた。

('A`)「クーが作ってくれたのが一番美味いよ」

 クーは真っ赤になってそっぽを向いていた。




539 :。:・*'从'ー'从想い、のようです(´・ω・`)'*・:。:2009/02/15(日) 04:24:06.27 ID:GgAEhH9XO

从'ー'从「綺麗な夕日だねぇ」

(´・ω・`)「あぁそうだね」

 帰り道、2人は並んで歩いていた。
 渡辺は白いコートに黒いブーツ、ショボンは黒いジャケットに白いスニーカー。

 黒っぽい赤の渡辺のショルダーバッグと、
 ショボンの押す自転車のカゴに置かれた赤いラッピング。

 夕日を受けて赤い暖かな空間に、2人は歩いていた。

(´・ω・`)「ねぇ」

 ショボンの声が赤い空気を揺らした。

(´・ω・`)「ごめんね」

从'ー'从「なんで謝るの?」

(´・ω・`)「だって僕は…」




540 :。:・*'从'ー'从想い、のようです(´・ω・`)'*・:。:2009/02/15(日) 04:27:51.47 ID:GgAEhH9XO

从'ー'从「いいの。私がそれでいいって決めたから」

(´・ω・`)「僕は君といて楽しいよ。でもこのままじゃ渡辺さんいつまでも彼氏出来ないよ」

从'ー'从「欲しくなったら本気出すから大丈夫だよ」

 渡辺は冗談で返しながら笑う。
 ショボンは渡辺から目線を逸らした。

(´・ω・`)「君といてさ、僕は自分が女嫌いじゃないって気付けた。
      でもやっぱり恋愛対象にはならないし」

从'ー'从「だからいいんだって」

 2人の間を風が吹いた。
 渡辺の柔らかい栗色の、緩いカールした髪が揺れる。

―――どうして、
 
その言葉の先に続く思いは2人とも余りに多い。




541 :。:・*'从'ー'从想い、のようです(´・ω・`)'*・:。:2009/02/15(日) 04:33:24.73 ID:GgAEhH9XO

―――どうして、私は彼が好きなんだろう
―――どうして、僕は彼が好きなんだろう
―――どうして、彼は彼じゃダメなんだろう
―――どうして、僕は彼女じゃダメなんだろう
―――どうして、
―――どうして、
―――どうして、
―――どうして、


別れ道の曲がり角で渡辺は立ち止まってショボンに向き直った。

从'ー'从「じゃあ、また月曜日に」

全ての「どうして、」を飲み込んだ笑顔。
いつも通りの、全くいつも通りの笑顔。





542 :。:・*'从'ー'从想い、のようです(´・ω・`)'*・:。:2009/02/15(日) 04:40:14.38 ID:GgAEhH9XO

(´・ω・`)「ん。月曜日に」

 もう一度笑顔を作り直して渡辺は背を向けた。
 一歩、二歩、三歩。



(´・ω・`)「渡辺さん」

―――どうして、君はそんなに優しいんだ?

(´・ω・`)「ありがとう」

(僕の好きな人が僕以外の人といる日に一緒にいてくれて)

从'ー'从「いいよ」

―――どうして、あなたはそんなに優しいの?

从'ー'从「チョコちゃんと食べてね」

(私の好きなあなたは私じゃない人しか見てないけど)



 渡辺はもう一度、花のような笑顔を見せたあと「じゃあ」と小さくつぶやいてもう一度背を向けた。

 また風が吹いて、ショボンの自転車の前カゴのラッピングのリボンが柔らかく揺れた。




543 :。:・*'想い、のようです'*・:。:2009/02/15(日) 04:42:17.21 ID:GgAEhH9XO





届くことはなくても

想うことは自由で

相容れなくても

人はそばにいられるから

届く想いは、なお一層

幸せであるように








[ 2009/02/15 23:56 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

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