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( ´_ゝ`)1レス保守


206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/31(土) 14:36:44.76 ID:ZYGtQnq2O

小鳥たちが囀っている。
青と白の天蓋からは、苛烈な光が降り注ぎ、遮っている緑を透かしていた。
地面を覆う白が応えてきらめき、木造の長椅子に腰掛けていた男の目を、柔らかく突き刺した。

小さな規格にびっしりと埋め込まれていた、黒の意味を読み取れなくなってしまったのに気付き、
溜め息を吐いて茶を閉じた。
もちろん、赤を間に差し込んでおくのも忘れてはいない。

立ち上がりかけた彼の傍に、気配が迷い込む。
中腰になったまま、男の鳶色が方向を探ると、心臓が大きく悲鳴をあげた。

虹色をした球体が、ふわりふわりと風に揺られていた。
表面では、男がこれまで見たことのある色と、そうでない色が蠢き、混ざり合い、踊っている。
奇妙に思えたそれは、しかし彼の脳みそを魅了するに充分な魔力を備えており、
男はごくりと生唾を飲み込むと、震える手を球に伸ばした。

指先に感触を手に入れた瞬間、球体は消え去ってしまった。
彼の目に絶望が宿ると、遠くで甲高い笑い声が響いてくる。
潤んだ瞳で恨めしく睨むと、先ほどの玉を幾つも浮かべて遊んでいる、数人の子供がいた。

暫し呆気にとられていると、目の前に、より大きな虹色が迫り、男の鼻先に触れて弾けた。
今度は、身体のどこも叫び声をあげることはなかった。

空洞を埋めようと、再び椅子に腰を下ろし、本をめくる。
非日常が幕を閉じたことに気が付いた彼は、気の抜けた溜め息を一つ、吐いた。
 彡⌒ミ
( ´_ゝ`) 「……ほしゅぅ」

ある午後の昼下がりでの出来事であった。


[ 2009/01/31 18:22 ] 1レス短編・保守文 | TB(0) | CM(0)

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