スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

('A`)右手に銃を、左手に弔いを、のようです


74 :('A`)右手に銃を、左手に弔いを、のようです:2009/01/25(日) 02:08:17.97 ID:IjFtUbZA0

衛星写真と思われるそれを眺めながら、軍服姿の男達が顔を突き合わせていた。
酷く、むさくるしい光景である。
男達の肩に着いたパッチには「VIP陸軍」を示すマークがついている。

「やはり、これを破壊しない事には……」

衛星写真に写っているのは、荒野のの只中にそびえる巨大な砲。
超長射程レールガンだった。

「しかし、どうやって? この砲台は100km先でも射程圏内なのに」

その巨大さ故、弾頭に誘導装置を組み込む事が可能なそれは。
正確なレーザー照準さえ可能であれば、地平線の向こう側に対しても100発100中の精度を持った。
周囲は、濃密な滞空放火がその砲をとり囲む。

「なにか、方法があるはずだ……」

砲の威力と精度故、大型兵器は使え無い。
自軍の自走砲は散弾弾頭でも打ち込まれれば即座に壊滅だろう。
かといって、戦車隊も近づくのは難しい。

「やはり、これしか無いか……」

考えうる作戦は、一つ。
多数の装輪式高機動車両に歩兵を乗せ、接近。
最大限の数を持って制圧する、飽和戦術。
命と言う代償を安いと思うなら、これ以上なく効果的な作戦だった……

('A`)右手に銃を、左手に弔いを、のようです



75 :('A`)右手に銃を、左手に弔いを、のようです[>>74誤字ひでぇなおい]:2009/01/25(日) 02:09:11.42 ID:IjFtUbZA0

片側4輪、合計8輪のタイヤで持って、荒野を時速120kmで駆け回るその車両。
その悲惨な乗り心地に顔をしかめながら、彼は待っていた。
作戦開始の、その通信を。

( ・∀・)「まーだそんな骨董品ぶら下げてんのかよ」

そんな彼に話しかけてきたのは、正面に向かった優男。名をモララーと言う。
兵士とは思えぬ細身の体に、自動式の中距離狙撃銃を抱えている。
腰に吊るしたホルスターに収まっている居るのは、イタリアはべレッタのM9。

('A`)「あいにくと、これ以外を持つ気は無いんでな」

答えたのは、これまた兵士と思えぬ貧相な男。名前はドクオと言った。
抱えたカービンサイズの自動小銃と、その近代さに似合わぬ腰のハンドガン。
トカレフTT-33。1933年にソ連軍に採用された銃だ。

( ・∀・)「せめて9mmにしなさいって言ってんの。シグ・ザワー辺りなら信頼性も十分だろ?」

自動式拳銃の世界において、9mm×19弾が主流である中、ドクオは頑なにTT-33を使い続けた。
今や狩猟用以外ではまず目にしない7.62mmモーゼル弾を使うそれは、弾丸の入手の容易さに欠いた。
さらに今となっては、磨耗した部品すらも手に入れる事も難しい。手に入るとすれば、ノリンコの劣化コピー品か。

('A`)「何度も言わせんなよ。俺は、これしか使う気はねぇ」

彼らの所属部隊の特性。
一種捨て駒的な要素を帯びた、攻勢の部隊。本体に先発して敵地に潜入、作戦行動を行う。
そういった任務ばかりをこなす外人部隊。その特性に、TT-33は「信頼性」の一点を除き、見事に反していた。
彼らの部隊の名を、第404戦術歩兵中隊。通称、Not Foundコマンドグループ。



76 :('A`)右手に銃を、左手に弔いを、のようです:2009/01/25(日) 02:09:52.29 ID:IjFtUbZA0

今回の作戦でも、彼らの任務はいつもどおりだ。
ただ、違う点は一つ。作戦対象が、区域ではない事。明確な目標ただ1つであること。
敵国ラウンジに進行する自走砲部隊、戦車部隊、挙句の果てに戦闘機、高高度爆撃機までをも拒む壁。
超長距離レールガン砲台を核とするラウンジ最終防衛ライン。
その攻略作戦の先鋒として、彼らは直走っていた。
そこに、ザリザリと酷いノイズの入った通信が入る。

「諸君」

どうやら、作戦指揮官様の、なんとも有り難い訓示が始まるようだ。

「諸君らの後ろには、占領を行う歩兵大隊本体が控えている。諸君らが攻撃に失敗すれば、彼らは行動できない」

「しかし、やつらの防衛ラインの核、超長距離レールガン『FireFox』を破壊すれば彼らは動き、
 さらには戦車隊及び航空機部隊による攻撃が行える」

「いわば、先行部隊である諸君らの双肩に、作戦の成否が乗っていると思ってくれていい」

「作戦成功のため、尽力して欲しい。健闘を祈る」

ブツリ、と。始まった時と同じ唐突さで終わった。

( ・∀・)「随分気楽に言ってくれるよな。こちとら半分死にに行くようなもんだってのに」

飄々と、モララーが言う。彼はどんな窮地にいたってもその態度を崩さない男だった。



77 :('A`)右手に銃を、左手に弔いを、のようです:2009/01/25(日) 02:11:24.76 ID:IjFtUbZA0

('A`)「ああ、まったくだ。まったく、その通りだよ」

珍しく答え返したドクオに、モララーは一瞬驚いたような表情を見せた。
しかし、それはすぐに元の表情に戻り、むしろ笑みさえ貼り付けた。

( ・∀・)「良かったら教えてくれよ。その骨董品に、こだわる理由ってやつ」

('A`)「ああ、この作戦が終わって、お互い生きてたらな」

( ・∀・)「なるほど。こりゃこの作戦、死ぬわけにはいかないみたいだな、お互い」

('A`)「そうさ。俺達は、死なない」

或いは、作戦後にすべき事を作る事で、生きる意志を繋ごうとする。
ありがちな、げん担ぎの意味もあったのかもしれない。
しかし、ドクオの本音は、別の所にあった。
この作戦の前でなければ、その理由を話しても良かったかもしれない、と。

('A`)(言えるかよ……)

('A`)(5年前に失敗したFireFox攻略作戦で死んだヤツの形見だなんて、縁起が悪すぎるってもんだ)

高軌道装輪車のフロントウィンドウ越しに、遠く。
FireFoxが、見え初めていた……

~終~







79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/25(日) 02:13:22.74 ID:IjFtUbZA0

短かったけど以上でした。
頂いたお題は

散弾
形見のトカレフTT-33
レールガンでした。

なんぞ批評なぞいただければと。
モララーにM9を持たせたのは最初は銃撃戦のシーンを入れて、
ジャムらせるつもりだったからだったりして。


[ 2009/01/26 18:45 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿


更新は止まっていますがコメントはご自由にどうぞ
修正・削除依頼等、何かしらの連絡はコメントもしくはメルフォよりお願いします
拍手だと高確率で長期間気づきません

スパム対策のため"http"と"@"を禁止ワードに設定しています
URLを書き込む際は"h"を抜いて投稿してください













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://gyokutonoyume.blog116.fc2.com/tb.php/1164-a94f2c47


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。