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('A`)無題


261 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/23(金) 21:34:42.04 ID:cVobxY53O

じゃあ俺が投下するよ

前スレよりお題
ブラックサバス、振り返るは過去の栄光

思ったより長くなったから時間かかった



263 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/23(金) 21:37:40.95 ID:cVobxY53O

陽も暮れ、人工的な灯りに包まれた夜の街
しかしそこに対称的な印象を持たせる一人の男がいた

名は毒島ドクオ
彼は一時代前にはそこそこ名の知れたドラマーであった

そんな彼も時代、流行の波に呑まれ、忘れさられた人間であった…

('A`)「ふぅ…。さて今日はどうしたものか」

ため息を吐き、近くのベンチに腰掛ける
大した要所でも無いこの街には遅くまで開く店も少なく、午後8時頃には人が減り始める

そんな時間帯に彼は冷たい風の吹く屋外にいるのか…

('A`)「収入も無かったし。…しょうがない、戻るか」

そう言って彼は立ち上がり、何処かへ向かって歩きだした



264 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/23(金) 21:41:43.43 ID:cVobxY53O

歩くこと数十分、行き着いた先は大きな川だった
いや、正しくはその川に架かる橋の下だった

('A`)「さて、今日は何処で寝るかな?」

彼のと思しき段ボールを拾い、辺りを見渡す
その辺りにも彼とは他人ながら、まるで彼のように生活する者の姿があった

(-_-)「…やぁ、君も…ボウズだったのかい?」

('A`)「…はい。そっちもっぽいですね」

(’e’)「今日は軒並み全滅のようだな…。近くで大規模な清掃活動も無かったはずなんだが」

彼らは鉄屑回収を生計の糧にしていて、その事について話し合っていたようだった



266 :さるさんされそうだwww:2009/01/23(金) 21:43:21.56 ID:cVobxY53O

( ´ー`)「おぅ、そういや知ってるかよ? 最近この辺りにガキがうろついてるらしいんだよ」

('A`)「…初耳ですね」

(’e';)「まさか…また我々を―」

(-_-)「そうとは限らないと思いますが…」

( ;´ー`)「でもよ、荒巻のジーサンの話じゃどうも友好的には見えなかっただとよ
…不謹慎な話だがよ、俺は中嶋さんみたくなりたかねーよ」


  「「!!」」



268 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/23(金) 21:45:02.86 ID:cVobxY53O

男のその言葉に周りの顔色が変わった

(-_-)「その話は…しないはずでしたよね」

( ;´ー`)「でもよ―」

('A`)「避難する人は避難する。しない人はしない。で良いんじゃないですか?」

(-_-)「………」

('A`)「まだ襲われるって決まった訳じゃない。でも、もしかしたらの可能性も有る。だから安全策をとりたい人はとるべきでは?」

(’e';)「そう…だな。そうしたほうが良いな!」

('A`)「まぁ俺はこんな生きているのか分からないような暮らしには良い刺激だと思いますよ?」

( ;´ー`)「ま、まぁ伝える事は伝えたからよ。後は知らねーよ?」

と言って男は段ボールとブルーシートを片手に何処かへ去っていった



270 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/23(金) 21:45:50.24 ID:cVobxY53O

今のやり取りが聞こえたのだろう
それまでひっそりとしていた辺りの段ボールの住まいから、ガサゴソという音が聞こえ始めた

明日には人はほとんど居なくなるだろう…
そう彼は心の中で呟いた

(-_-)「…僕の言いたいことを言ってくれて…ありがとう」

('A`)「…まぁ言いたい放題に言っただけですけどね」

(-_-)「それでもありがとう。………でも生きることを諦めたらだめだよ?」

('A`)「………諦めてませんよ?」

(-_-)「…ならいいけど。じゃあ…おやすみ」

('A`)「…お疲れさまです」



273 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/23(金) 21:49:40.53 ID:cVobxY53O

彼は地面の湿っていない、風の当たらなさそうな所に移動した
そして慣れた手付きで寝るための床を作った

彼はゴロンと横になり、冷たいコンクリートの天井を見上げた

('A`)「………」

今、彼の脳裏にあるのは明日訪れるかもしれない死神への対処方か…
それとも振り返るは、過去の栄光か…

(A` )「下らね…」

そう呟き、彼は浅い眠りへと沈んでいった






277 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/23(金) 21:51:22.28 ID:cVobxY53O

翌朝、彼が目を覚ました時にはやはり人が減っていた
昨日までには十数もの仮住まいが有ったが、今は4しかない

('∩`)「ふぁ~。…荒巻さんおはよう」

/ ,' 3「あぁ、おはよう」

彼が欠伸混じりに挨拶をした老人―――この人が昨日の話にでた、荒巻という人らしい

彼らは川の水で顔を洗い、各々の段ボールを片付ける

('A`)「…本当にまた襲いに来るんですか?」

/ ,' 3「…狙うなら今日じゃろうな。今日は街で小さな祭りがあるじゃろ? ここらのお巡りはほとんどそっちに行くじゃろうからなぁ」

('A`)「…荒巻さんはどうして逃げないんです?」

/ ,' 3「………お主さんと同じじゃよ」

('A`)「………」



279 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/23(金) 21:53:32.03 ID:cVobxY53O

/ ,' 3「じゃが、いつも通り鉄屑回収には行く。それで死なないならそれも運命じゃろう」

('A`)「………」

/ ,' 3「死ぬのは構わんことじゃが、死なんのに空腹は耐え難いからのうw」

('∀`)「それ分かりますwww」

/ ,' 3「じゃあワシはまだ引きこもっとるアヤツを連れて行って来るわい。お主はどうする?」

('ー`)「休みにします。…じゃあ気を付けて」

/ ,' 3「お主ものぅ。ほら若い者が、きびきび歩かんか!」

(-_-;)「朝は辛いんですって」

そうやり取りしながら二人は街に向かって行った



281 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/23(金) 21:54:33.94 ID:cVobxY53O

残された彼は一人、河原に座り込んだ
その時左のポケットから、クシャッという音がした

('A`)「ん? 何だ?」

彼がポケットをまさぐると、ライターと3本ほど入ったタバコの箱があった

('A`)「この銘柄は…荒巻さんか」

('ー`)「ごちになりまっす」

そう言って彼はタバコに火を点けた






283 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/23(金) 21:57:10.44 ID:cVobxY53O

全てのタバコを吸い終わって少しした時、近くで少年達の声がした

やっぱり来たか…と彼は消えるような声で呟いた

(・∀ ・)「おいオッサン。ここで何してんだwww」

高校生くらいだろうか、それくらいの見た目の少年が四人ほど彼に寄って来た

( ・3・)「どうせする事も家もないホームレスなんだろwww」

( `ー´)「ホームレスみてぇな社会のゴミは処分したほうがいいんじゃねーのwww」

(・∀ ・)「確かにwww」

好き勝手言われていたが、彼は無視を決め込んだ

何故なら無視が彼は楽にしてくれる可能性が高いからだ



285 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/23(金) 21:58:24.64 ID:cVobxY53O

( ・3・)「おい、何か喋れよオッサンwww」

( `ー´)「ビビって声が出ねぇんじゃねーのwww」

(・∀ ・)「だっせwww」

( `ー´)「まぁとりあえず、さっさとやっちまったほうがいいんじゃねーの?」

(・∀ ・)「そうだなw」
そうして取り出したのは金属バット
何を殴ったのか知らないがあちらこちら凹みがある

(・∀ ・)「じゃあなオッサン。恨むんじゃねぇぞwww」

そうして金属バットが振り下ろされ、彼は楽に―――なるはずだった
しかしそれは一つの声がさせなかった



289 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/23(金) 22:00:45.25 ID:cVobxY53O

(・∀ ・)「ん? フサどうした?」

ミ,,;゚Д゚彡「まさかとは思うんだが………ドクオ…さん?」

彼は声の主を見た

('A`)「…だとしたら何だ」

ミ,,;゚Д゚彡「俺ッス!! アンタが昔バンドやってたときのバーの定員の―ギコの息子ッス!!」

彼の目が一瞬見開いた
まさか自分の知り合いがいるとは、と

('A`)「ギコの息子か…。ギコは元気か?」

ミ,, Д 彡「………オヤジは…死にました。アンタ達がバンドを解散した後に事故で…」

('A`)「そうか…嫌な事思い出させて済まなかった」

ミ,,゚Д゚彡「いえ、昔の話ッスから

あっ、そうそう。今日、あのバーが解体工事するらしいッスよ? 行きましょうよ」

('A`)「そうは言ってもさせてくれそうにもないがな」

ミ,,;゚Д゚彡「へっ?」



292 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/23(金) 22:03:11.38 ID:cVobxY53O

それもそのはずだった
顔を見られ、しかも今の今まで殺そうとしていた人間を、仲間の知り合いだからといって殺さないはずがなかった

( `ー´)「バカじゃねーの?」

( ・3・)「誰が行かすかよ」

ミ,,;゚Д゚彡「おい! 止めろよ!!」

('A`)「話が通じる相手じゃねぇ。ちょっと下がっていたほうが良いぞ」

ミ,,;゚Д゚彡「えっ!?」
死ぬつもりだったんだがな…ギコの息子がいて、生きる事を望まれてるんじゃ仕方がねぇ
そう彼が言ったと同時に三方向からバットが振り下ろされた



294 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/23(金) 22:05:48.27 ID:cVobxY53O

しかしそれは一本も彼に当たることなく地面を抉る
彼は三人のバットが振り下ろされる瞬間、男達の間を転がり抜けた

( ;・3・)「くそっ!! 避けんじゃねぇ!!」

('A`)「あの事件以来使わないつもりだったんだが―」

彼がそう言った時には既に袈裟切りに振り下ろそうとしていた男の手首を止めると同時に、みぞおちに彼の掌底が打ち込まれていた

その場に倒れ込む男をよそに彼の後頭部目がけ二本のバットが振り下ろされる
しかし彼はすぐさま手首を押さえていた手でバットを掴み、片腕で二本バットをいなす

力の向きをずらされたバットは再び地面を抉る
少年達が再びバットを振り上げた隙に一人を蹴り飛ばし、もう一人をバットのグリップヘッドでみぞおちを突いた

ミ,,;゚Д゚彡「つ、強い」

('A`)「さて、仕方がねぇ。バーに行こうじゃねぇか」

ミ,,;゚Д゚彡「あっ、はい!」

そう言って彼とフサと呼ばれた少年は橋の下から街へと向かって行った



296 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/23(金) 22:07:38.01 ID:cVobxY53O

彼らは街の外れ―――裏通りにいた

('A`)「確かこの辺りだったはずだが…ここか」

彼の目の前には建築現場でよく見かける防塵用の幕と無骨な足場と昔のままの入り口だった

ミ,,゚Д゚彡「懐かしいッスね~」

('A`)「あぁ…」

おや、誰かと思えばフサ君とドクオ君じゃない

声の主のほうに二人が振り返ると、そこには一人の男性がいた

(´・ω・`)「…久しぶりだね。二人とも」

('A`)「…マスター、ここ取り壊すんだってな」

(´・ω・`)「………あぁ。もう老朽化していたからね」

('A`)「そうか…」

(´・ω・`)「じゃあ記念に中に入っていったらどうだい?」

ミ,,゚Д゚彡「そうしましょうよ」

('A`)「…そうだな」

二人に誘われるまま彼は中へと入っていった



298 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/23(金) 22:08:49.80 ID:cVobxY53O

建物の中は昔と変わらず、懐かしいに満ちていた
彼が使っていたドラムもそのままで…

(´・ω・`)「あの頃のままだろう?」

('A`)「…変わらないな」

(´・ω・`)「そういえば初めて君がここに来た時、確かデミタス君とつーちゃんと一緒じゃなかったかな?」

('A`)「そうだったなぁ。アイツらに騙されて、ここでバンドをやり始めたんだったかな」




(´・ω・`)「…そして今日も、君は騙されてここに来たんだね」



301 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/23(金) 22:11:08.27 ID:cVobxY53O

('A`)「………どういう意味だ?」



よぅ~やく探し出したぜ、ドクオさんよぉ



('A`)「この声は…エクストか?」

彼はゆっくりと振り返り、入り口に立つ男の顔を見た

<_プー゚)フ「ホントにようやくだぜ」

('A`)「…まだあの事を恨んでるのか?」

<_プー゚)フ「いいや、そうじゃねぇ。今日オマエをここに連れて来させたのはな―――」

そう言うと男はコートのポケットに入れていた右手を上に挙げ、指を鳴らした



303 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/23(金) 22:13:59.55 ID:cVobxY53O

いくつもの、パーンという音が建物中に響いた

そしてあらゆる物陰から、クラッカーを持ったかつての仲間達が顔を出した

(*゚∀゚)「ひっさしぶり~♪ ドックオ☆」

从*^∀从9m「今のオマエの顔、すっげ~笑えたwww」

( ´・_ゝ・`)「確かに面白い顔でしたね」

辺りを見渡し、一呼吸入れた後、彼は男性を見た

('A`)「マスター…これはどういう事なんだ?」

男性はやれやれとため息を吐き、こう答えた

(´・ω・`)「まだ分からないのかい? これは解体工事でも、君を殺すためのものでもない。ただの同窓会だよ」

('A`)「…ただの同窓会」



306 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/23(金) 22:16:52.73 ID:cVobxY53O

(´・ω・`)「そう」

(,,゚Д゚)「それとここの改修工事だな」

(;'A`)「ギコ! お前死んだんじゃ…」

(,,^Д^)「面白い事言うな、勝手に殺すなwww」

(´・ω・`)「どうやら君の息子はここを壊そうとした挙げ句、君まで殺したようだね」

ミ,,;^Д^彡「ちょっとテンパってましたwww」

('A`)「という事はさっきの三人もグルだった訳か」

(,,^Д^)「ご名答。ありゃウチの下っぱだ」



308 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/23(金) 22:19:00.94 ID:cVobxY53O

('∀`)「…今時の建築業界は荒くなったもんだな」

(,,^Д^)「スマンなwww荒くてよwww」

(*゚∀゚)「ほらほら何してんのさ。サッサと所定の位置に行きな!」

('A`)「?」

<_プー゚)フ「今日はファニー・サバスの復活祭といこうじゃないか!!」

('A`)「お前…折った腕は?」

彼の問いかけに男は、ハッと短く笑い

<_プー^)フ「腐ってもオマエよか上手いぜ?www」

と言った。それに彼も応え



310 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/23(金) 22:20:46.57 ID:cVobxY53O

('∀`)「ハッ、ほざけ!!」

と笑った

そして彼はかつての場所で、かつての仲間達と、かつての輝きと、可笑しな日曜日を取り戻したようだった―――










312 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/23(金) 22:22:24.42 ID:cVobxY53O




川 ゚ -゚)「…中々面白い話じゃないか」

…ありがとうございます

川 ゚ー゚)「こんな話良く考えたな。やるじゃないか」

いいえ、これは小説より奇な事実ですよ

川 ゚ -゚)「ほぅ。どこでこんな話を聞きつけたんだ?」

…これはブラック・サバスを真似たバンドの一員だった彼の友人で、ファンで、彼と同じように橋の下に残った四人目の男が見た話ですよ―――

終わり


[ 2009/01/25 14:49 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

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