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ノパ⊿゚)素直ヒートは冷たいようです


298 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/15(木) 22:52:59.69 ID:baEorx2dO

素直ヒートが放課後に僕を呼び出したのは、
僕達が高校二年生の9月の事だった。

文化祭が終わり、ヘトヘトになって教室で突っ伏していた僕を見つけて絶叫しやがったのだ。

ノパ⊿゚)「ちょっと来いモぉララぁぁァァァァァァァァ!」

( ・∀・)…



教室内は彼女の大声で木霊し、僕は安眠を妨げる者として彼女と一緒にそこから追い出された。



ノパ⊿゚)素直ヒートは冷たいようです



299 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/15(木) 22:54:51.37 ID:baEorx2dO

無人の理科室に連れ込まれた僕は、ヒートの告白で鼓膜を破られそうになった。





正直、悪くない話だと思う。

姉と妹が校内有数の美人というだけあり、見た目はなかなかかわいい。
この声のボリュームさえなんとか出来れば、いい彼女になってくれそうだ。



( ・∀・)「いいよ。よろしくお願いします」

ノハ*゚⊿゚)「やったァァァァァァァァ!よろしくぅッ!」

僕は彼女と付き合う事になった。



301 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/15(木) 22:56:38.96 ID:baEorx2dO

彼女とはクラスも文理選択も部活も違ったので
この付き合いはもっぱら休日のデートで構成された。



( ・∀・)「カラオケボックスだね」

ノパ⊿゚)「歌って体温を上げるんだッ!」

堂々と彼氏の前で特撮ソングや真赤な誓いを歌う彼女は、僕にとって斬新だった。

ノパ⊿゚)『どんな運命が味方でも構ーわなーい』

( ・∀・)『このー手ーをはーなーすもんか』

( *・∀・)ノハ*゚⊿゚)『真赤なー誓ーいー!』



303 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/15(木) 22:58:19.68 ID:baEorx2dO

季節は12月に差し掛かる。



彼女とのデート(主にカラオケ)の回数は、そろそろ二桁に入ろうとしていた。

どっか旅行にでも行きたいなぁと考えているとき、僕は自分でも意外な事実に気付いた。

( ・∀・)(……)




その日は部活を休んで、ヒートの帰りを自習室で待った。



304 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/15(木) 23:00:04.65 ID:baEorx2dO

( ・∀・)ノ「…ちぃす」

ノハ;゚⊿゚)「うぉ!モララーか…」

剣道部の練習を終えたヒートが1人になるのを待って、僕は唐突に声をかけた。

( ・∀・)「顧問に説教されて遅れちゃってさ。せっかくだからヒートが部活終わるまで待ってたんだ」

ノハ*゚⊿゚)「待っててくれたのか!嬉しいぞぉぉ!」



相変わらずこの声のボリュームは減らない。



305 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/15(木) 23:02:21.07 ID:baEorx2dO

ヒートと二人で、駅までの冷え込んだ道を歩く。
ヒートの自宅は遠いので、地元出身の僕と一緒に帰ること自体が初めてだった。

ヒートは歩くのにも全力を尽くしているようで、手袋も着けずに腕を大きく振りながら歩いていた。

( ・∀・)「ヒート」
僕の言葉が白い息になる。

ノパ⊿゚)「何だ?」

( ・∀・)「手…繋がない?」




轟雷のような告白から、もうすぐ3ヶ月が経つ。

僕はまだ、ヒートに触れたことが無かった。
偶然じゃない違和感が、知らず知らずのうちに募っていたのかもしれない。



306 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/15(木) 23:04:29.36 ID:baEorx2dO

ノハ - )「…え?」

(;・∀・)「今日、ヒート手袋とか持ってきてないじゃん。
     僕も持ってないし、寒いしさ…」



恋人に手を繋ごうと誘っただけなのに、嫌な沈黙が流れてしまった。

( ・∀・)「ヒーt

ノハ - )「すまん。先に行く」

ヒートは突然走り出した。

僕は名前を呼んで追いかけたけど、彼女は改札を通って電車の中に消えてしまった。



307 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/15(木) 23:06:46.81 ID:baEorx2dO

(#'A`)「おいモララー」

翌日の昼休み、テニス部で3年のドクオ先輩が僕のクラスに来た。

(;・∀・)「な、なんすか…?」
(#'A`)「…す、」

(#;A;)「素直クール様が貴様をお呼びだぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

(;・∀・)(うっわキメェwwwwwwww)

(#;A;)「放課後に屋上までッ!必ず来るようにッ!」

ドクオ先輩は涙と学ランを翻して去っていった。背中には「クー様万歳!」のフレーズが50ヵ国語で刺繍されていた。



309 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/15(木) 23:08:34.97 ID:baEorx2dO

ガチで殺されるかもしれないなと、そう思った。

素直クールは名字の通りヒートの姉で、さっきのようなキモヲタ('A`)がよってたかって崇める神なんだそうな。

他のヤツなら、校内トップクラスの美人に呼び出しを食らうシチュエーションに嬉々とするだろうな。

でも僕は違う。そんなカリスマの妹を、理由は知らないが間違いなく傷つけたんだから。
( ・∀・)「…」

屋上の扉を開く一瞬に、阿修羅を見た気がした。

( ・∀・)「素直先輩…?」



312 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/15(木) 23:11:13.68 ID:baEorx2dO

川 ゚ -゚)「来たな」

素直クール先輩は屋上の手すりに寄りかかっていた。



( ・∀・)「に、2年のモララーです…」

先輩は品定めする主婦のような眼差しを向けてきた。

(;・∀・)

川 ゚ -゚)「……お前が、ヒートの彼氏か」

( ・∀・)「はい…一応そうd

川 ゚ -゚)「ヒートに何をした?」



素直先輩の口調が、少し早くなった。



313 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/15(木) 23:13:38.19 ID:baEorx2dO

(;・∀・)「いや…特に何も!」

川#゚ -゚)「昨日の夜に部屋にこもったきり出てこないんだぞ?
    貴様私の大切な妹にナニをシたんだ!?」

とりあえず僕は、全力で彼女の疑り(性的な意味で)を否定した。

( ;・∀・)「だから…一緒に帰ってた時に、その…"手ぇ繋がない?"って聞いてみただけで…」

川 ゚ -゚)…!

川 ゚ -゚)「…それか」



315 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/15(木) 23:17:44.68 ID:baEorx2dO

川 ゚ -゚)「ちょっと来い、話してやる」

素直クール先輩は僕に手招きした。

僕は先輩の横に行き、二人で屋上に座り込んむことになった。

川 ゚ -゚)「…君に悪気はなかったんだろ?」

( ・∀・)「?はい…」

川 ゚ -゚)「ならヒートが悪いんだ。あんまり気にしないで聞いてほしい」

( ・∀・)「はぁ…」

川 ゚ -゚)「なに、そんなに重い話じゃないさ。幼稚園時代の昔話だからな」



316 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/15(木) 23:19:01.10 ID:baEorx2dO

*ハ・⊿・)『わーちゃん!遊ぼー!』

( ><)『ひーちゃん!遊ぶんです!』

*ハ・⊿・)『かけっこしよー!』

( ><)『するんです!』





*ハ;・⊿・)『まって…はやいよぉ』

( ><)『ひーちゃん遅いんです!』

( *><)『てをつないでいっしょにはしるんです!』

*ハ*・⊿・)『…うん!』



317 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/15(木) 23:21:00.53 ID:baEorx2dO

季節は冬、辺りは夕暮れ。

*ハ・⊿・)つ⊂(>< )

(;><)『冷た!』

*ハ・⊿・)『え?』

(#;><)『ひーちゃんつめたいんです!すごいびっくりしたんです!へんなんです!』

*ハ・⊿・)

*ハ;⊿・)

*ハ∩⊿;)

*ハ∩д;)つ『!…
     あたしのて、つめたいよ…?』



320 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/15(木) 23:24:21.38 ID:baEorx2dO

川 ゚ -゚)「その日からだな…ヒートが"からげんき"を始めたのは」

( ・∀・)「空元気…?」

川 ゚ -゚)「…あいつがやたら暑苦しいキャラなのも、無駄に声が大きいのもその日からなんだ。
    きっと常に体を動かして体温を上げて、自分は冷たくないんだと思っていたかったんだろう。
    今ではクセになってしまったようだが」
( ・∀・)…

川 ゚ -゚)「呼び出したりしてすまなかった…幼稚園の頃のことを未だに引きずっている妹が、情けないってだけの話だ。あまり気にしないでほしい」



僕はクール先輩にお辞儀をして、屋上を後にした。



328 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/16(金) 00:00:33.56 ID:OnmtC0G2O

気付けば翌日は終業式だった。
ヒートの大声が他のクラスから聞こえたが、声をかけるタイミングは結局見つからなかった。

授業は半日で終わったが、剣道部も、僕が所属するテニス部も、日が暮れるまで練習があった。

ミ#,゚Д゚彡「モララー!今年最後の練習だ!今日休んだらブッ飛ばすからなゴルァ!」

(;・∀・)「サーセン、先輩」

(#'A`)「クー様と何を話したの?ねぇ!屋上で一体何を語り合ったのよ?言え後輩がゴルァ!」

僕は休めなかった。



329 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/16(金) 00:02:48.21 ID:OnmtC0G2O

練習が終わる頃には、辺りは冷え込んだ夜になっていた。

((;・∀・))「寒い…」

部員達と別れて一人になってから、僕はポケットに手を突っ込んで駅へ向かった。

会えるかどうかはわからないけど、他に当てがなかった。

( ・∀・)(やっぱり事前に呼び出しておけば良かった…)

思いつきで行動している自分に、少し腹が立った。



330 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/16(金) 00:04:41.10 ID:OnmtC0G2O

ノハ;゚⊿゚)ノ「…ち、ちぃす」

(;・∀・)「うぉ!……ヒー、ト?」

僕の進行方向に、素直ヒートの姿があった。
2日前に僕がヒートを待っていた場所で、待ち伏せていたみたいだ。

僕の口が開こうとするのを、彼女の大声が遮る。

ノハ; ⊿ )「こ、こないだは、ゴメンッ!」

( ・∀・)「…」

ノハ; ⊿ )「いきなり言われて、ビックリしてしまっただけだッ!」

ノハ;゚⊿゚)「そ、その…私は今まで誰かの彼女になったことが無くてなッ!」

( ・∀・)「ヒーt

ノハ;゚⊿゚)「手だよな?あの時はちょっと調理実習でガスコンロを茹でてしまった時にヤケドを

( ・∀・)「ヒート!」



332 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/16(金) 00:07:21.98 ID:OnmtC0G2O

ノハ;゚⊿゚)「ち、違うッ!お前の事をを嫌いになったんじゃない!本当だッ!」

( ・∀・)「ヒート聞いて」

ノハ;⊿;)「私はッ!私はぁ…

    お前が大好きだぁッ!」

ヒートは涙目になりながら、僕の目の前で声を枯らした。

ノハ;⊿;)「今でも好きだ…ッ!今でも…」

ノハ∩⊿⊂「大好きだッ……!」



333 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/16(金) 00:10:08.14 ID:OnmtC0G2O

( *・∀・)…

うれしいこと言ってくれるじゃないのN| "゚'` {"゚` lリと思わず口からこぼれそうになるのを飲み込みながら、
僕は頭の中に書き貯めておいた文章を並べる。

( ・∀・)「ヒート。     僕は、君が冷たいなんて感じた事は無いよ」

ノハ∩⊿;)「…?」

( ・∀・)「君と一緒に行ったカラオケ屋めぐりは毎回楽しかった。
     熱い曲ばっかりだったし、ヒートが歌うまいからすぐ盛り上がったしね」


ノハ  -)(……)

( ・∀・)「だからさ」



335 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/16(金) 00:13:11.69 ID:OnmtC0G2O

( ・∀・)「だから…」

( ・∀・)「自分が冷たい人間だなんて、思わないでよ。
     僕も寂しいからさ」

ノハ ⊿)



ノハ , -)

ノハ∩ -⊂

ノハ*; -⊂「う…」


僕は、彼女に手を差し出す。

( ・∀・)つ

      (;- ∩ノハ

( *・∀・)つ ⊂(;- ∩*ノハ



338 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/16(金) 00:20:16.61 ID:OnmtC0G2O

彼女の指先が、僕の手のひらの中にある。
初めて触れた、ヒートの手。



とても冷たかった。

でも僕は、力を入れてその指先を握る。

ノハ*///)「痛いぞモララー…!」

( *・∀・)「こーしたいんだよ」

━━━━━━━━━━━

( ・∀・)『今はわからなーいことばかりだーけどー』

ノパ⊿゚)『信ーじるこの道ーを進むだけさー』

( ・∀・)ノパ⊿゚)『どんな敵でーも味方でーも構ーわなーい』

( *・∀・)ノハ*゚⊿゚)『このー手を離ーすもーんか
         真赤なー誓ーい!』

ノハ*゚⊿゚)つ⊂(・∀・* )

ノパ⊿゚)素直ヒートは冷たいようです
終わり


[ 2009/01/16 18:18 ] 総合短編 | TB(0) | CM(4)

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このコメントは管理人のみ閲覧できます
[ 2009/01/16 19:59 ] [ 編集 ]

>>1
まとめは後日になりましたが、リアルタイムで見てましたw
楽しくまとめさせていただきました、こちらこそありがとうございます
これからも頑張ってください( ^ω^)
[ 2009/01/16 23:22 ] [ 編集 ]

面白かったよ!
[ 2009/01/17 16:56 ] [ 編集 ]

リア充モララーシネ
チキショー
[ 2009/01/19 12:17 ] [ 編集 ]

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