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保守短編


202 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/13(火) 08:23:04.36 ID:fXtEDi+uO

「貫けッ」

ドクオの「力在る声」に従うように彼の掌から白色の光線が打ち出される。

だがジョルジュはそれを余裕を持って右腕を翳すだけで消した。

それでいい。
所詮、魔術師同士の戦いに於いて魔術等は単なる布石に過ぎないのだから。

お返しとばかりにジョルジュが数十に及ぶナイフを空間に「出現」させ、それらを射ち出す。

全てがゾッとするような速度で接近して来るのを見ながら、ドクオは前に駆け出した。

ある物は魔術で防ぎ、またある物は短剣で弾きながら距離を詰める。
一本足りとも喰らってはいけない。



203 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/13(火) 08:24:47.33 ID:fXtEDi+uO

「ハッ!やるじゃねーか!」

ジョルジュの満面の笑みが近づく。

瞬間、自分が野獣のように叫んでいるのをドクオは自覚しなかった。

一秒、一瞬、刹那よりも速く。
その意思だけを右手の糧に最短距離を短剣が走る。

それを下から迎撃するのは魔力でコーティングされたジョルジュの右の貫手。

だがそれを読んでいたドクオは、軽く弾き上げられた刃を空中で逆手に掴み直すとそのままがら空きになったジョルジュの右肩に突き立てた。

「テ…メェ…!」



204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/13(火) 08:26:12.45 ID:fXtEDi+uO

ほんの一撃。
相手の行動を奪うのに必要なのは、ほんの一撃だけなのだ。

ジョルジュは無理な体勢から慌てて左の貫手を放つもあっさりとドクオの鉄板入りの膝当てに潰される。

そして、

ピン、という軽い音と共に短剣の尻に着いていたリングが僅かな抵抗を感じさせて抜ける。

「あ…」

じゃあな、と声をかけ別れの意味を込めて蹴り押す。



205 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/13(火) 08:26:56.82 ID:fXtEDi+uO

ジョルジュの体内で短剣の刃が爆発を起こすのに数秒も掛からず、その時にはもうドクオは背を向けて歩いていたが、飛び散ったジョルジュの体から舞い上がった白い札の一枚に目を止めた。

彼は数瞬、その場で瞬きを繰り返したが口の端に笑みを浮かべると、やがて歩き去って行った。

そこには一言だけ書かれた紙が落ちているだけとなった。

「保守」、と。


[ 2009/01/13 19:12 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

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