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( ^ω^)無題川 ゚ -゚)


384 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/12(月) 01:21:33.30 ID:gKeTrrvHO

そこまで酷くない雨だった。
気にしなければ普通に歩くことが出来たし、髪や制服が濡れることを嫌う人間
ならば、傘をさすかもしれない。
空を見上げれば、鼠色の雲がうっすらと空を覆い隠していた。
 
( ^ω^)「……雨」
 
人気が少なくなった玄関。
僕は雨を凌げる範囲から手を伸ばし、振りゆく雨に触れた。五月の冷たい雨
の雫が、手の平に当たってはじけ飛ぶ。
次々と、手の平に当たり、僕の肌をぬらしていく。心地よい振動が連続して響いた。



385 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/12(月) 01:23:02.14 ID:gKeTrrvHO

「なにをやってるんだ」
 
しばらくその振動を楽しんでいると、後ろから声がかかった。
振り返るとそこには、一人の少女。
 
( ^ω^)「クー」
 
僕がその少女の名を呼ぶ。
 
川 ゚ -゚)"「……」
 
すると、彼女はなにやらくすぐったそうに眉を一瞬跳ね上げた。
 
( ^ω^)「……おっ」
 
その反応が面白くて、僕はたて続けに名を呼び上げる。



387 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/12(月) 01:24:02.33 ID:gKeTrrvHO

呼ばれる度に縮こまっていく彼女だったが、そのうち腹がたったのだろう。
 
川  - )「…ッ…ッ…!」

無言の攻撃を受けることになった。ちょっと涙目の。
僕はおかしくて、思わず笑ってしまった。
 
 
 


川 ゚ -゚)「ふざけないでくれ。急に名前で呼ばれたら誰でも動揺する」
軽く息を乱しながら、彼女は僕にいった。
ごめんお。とあやまりながら、僕もなんとか笑いの衝動を押さえきる。



389 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/12(月) 01:25:06.20 ID:gKeTrrvHO

川 ゚ -゚)「ところで、ここで何をしてるんだ?」

機嫌はもう直ったのか、彼女は最初の質問を再度問いかけてきた。

( ^ω^)「人を待ってるんだぁ」

そう素直に答えると、さらに質問。

川 ゚ -゚)「だれを?」
 
( ^ω^)「人を」
 
川 ゚ -゚)「だから、だれを?」
( ^ω^)「なんでそんなに喰いつくんだお」
川 ゚ -゚)「気になるじゃないか」
( ^ω^)「なんで気になるだお」
川 ゚ -゚)「友達だからだ」



390 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/12(月) 01:26:05.96 ID:gKeTrrvHO

( ^ω^)「……友達?」

僕は思わず問いかけてしまった。

川 ゚ -゚)「そうだ、友達だからだ」

彼女は続ける。なるほどそうきたか。

( ^ω^)「ふーん。そうかお。でも名前で呼ばしてくれない人を友達というのはおかしいお」

川 ゚ -゚)「それとこれは別だ」

( ^ω^)「なにが別なんだお。その理由教えてくれお」

彼女から視線を外し、外の景色に視線を投じる。
依然として雨は降り続けていた。まだまだ止みそうにない。



392 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/12(月) 01:27:29.03 ID:gKeTrrvHO

川  - )「……それを私に言わせるのか…?」

ふと視線を戻せば、目を伏せた彼女が映りこむ。
その姿は迷子になった子どものような雰囲気に包まれている。

( ^ω^)「…」

僕はそんな彼女を見つめ続ける。
こうも弱い彼女は、いったいどうして今まで生きてこれたのだろうか。
とても不思議に思う。
 
( ^ω^)(…自分から振ったんだから、最後まで突き通せお……)
 
そんなか弱い彼女。
───まぁだからこそ僕は、恋したのかもしれないけど。



393 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/12(月) 01:28:18.31 ID:gKeTrrvHO

(   ω )「……知ってるお」

ぽつりと呟いた言葉に、俯いていた彼女は明確な反応をみせる。
途端に合わさった視線と視線。
そんな程度の会話ツールなんて、最近のおとぎ話でもありえないが、確かに僕の言い
たいことが目線で伝わった強い感覚があった。べただなぁ。

( ^ω^)「恥ずかしいんだお」




394 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/12(月) 01:29:01.88 ID:gKeTrrvHO

でもそれでも、僕は言葉にする。

はっきりと、気持ちを伝えるために。


( ^ω^)「一日そこらで慣れるもんでもないお。普段、苗字で呼び合って仲だったから尚更だお」


僕だって、正直恥ずかしい。

( ^ω^)「だからクーは恥ずかしいんだお。僕に名前で呼ばれることが……」


でも、呼んであげなくては。彼女が恥ずかしくても、ちょっと嫌がっても、
それら全てひっくるめて僕の許された特権だから。



395 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/12(月) 01:30:48.50 ID:gKeTrrvHO

川 ゚ -゚)「…」

無言の彼女。
でも、僕の言葉が伝わったことはわかる。

川*゚ -゚)「…」

みるみるうちに彼女の顔が変色したからだ。
いやそんな表現はおかしいか。まるで春先の桜のように桃色に染め上がった。

川* - )「…そう、だな……うん。あ、あたりだ」

すげーどもってる。あーもうかわいいなちくしょい。

(;  ω )「か、かえるぞー…っ!」

叫ぶように発言。思わず語尾忘れてしまった。



407 :さるさるこえーよ…:2009/01/12(月) 02:06:32.71 ID:gKeTrrvHO

川* - )「うん…」

なにをそんなにも頬赤らめてらっしゃるのか。それがどのような相手に、ましてや
誰の発言であるものにそのような反応されるとこちらも舞い上がってしまうので勘弁
して欲しい。

そんなこんなで見つけだした、置いてけぼりの大きめの傘を手に入れた。

( ^ω^)「…クー」
 
一歩の傘をさしながら、僕は彼女の名を呼ぶ。


( ^ω^)「ずっと待ってたんだお。はやく帰るお」



408 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/12(月) 02:09:34.57 ID:gKeTrrvHO

頬を赤らめたまま、棒立ちになっていた彼女は我に返ったように辺りを見渡す。
そして外で傘をさしている僕を見つけ、少し驚いたように駆け寄ってくる。


川 ゚ -゚)「…かえるか」
( ^ω^)「…お」


──多分だけど。今、僕もそうとう顔が赤いんだろうなって思う。

横にいる彼女が、これほど赤いのだから。


川*゚ -゚)
( *^ω^)


顔のほてりが直るのは、はてさていつなのだろうか。




──もうちょっと、続いていいかもって僕は思ったりしている。





おわり


[ 2009/01/12 15:40 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

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