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( ・∀・)ある日のある朝のある出来事 のようです(´∀` )


412 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/10(土) 14:10:12.52 ID:E56J2y9/0

大して頭の良いわけではない高校にある、大して強くもないサッカー部。
目標は「一回戦突破」と、努めて消極的で、控えめだというのに休日のいつもは練習三昧。

そんな休日の、今朝の事だった。

サッカー部の練習の為、僕は友人と二人で学校へと向かっていた。
僕達は特別に力不足で、顧問からも見放される存在だった。
そんな僕達は、朝早くにグラウンドへ出てグラウンドを整備し、準備をする。
そうする事で、やる気というものを見せていたのだが、やはり試合には一度も出た事がなかった。

顧問に見放されているのだから当然だし、下手なのだから出られない。
それは至極当然の事で、僕達はそれに対して悔しいと思った事は無かった。

だがしかし、最初の頃は一応頑張って、人一倍努力したつもだりだった。

それでも伸びない技術。
僕達が「諦める」という選択肢を選ぶのも当然の事だった。
だから、今日もいつものようにヘラヘラと笑いながら、友人と準備をする。

ハズだった。

( ´∀`)「今日の部活、休まないモナか?」

友人のおっとりとした声。
「サボる」のではなく「休む」といった友人。
当然僕も、

( ・∀・)「いいよ。休もうか」

と、同じようにおっとりとした声で応えた。



414 :( ・∀・)ある日のある朝のある出来事 のようです(´∀` ):2009/01/10(土) 14:12:11.59 ID:E56J2y9/0

そのまま来た道を引き返さずに、僕達は学校の向こう側にあるこの辺りでも
比較的規模の大きい商店街へと歩いていった。

だがやはり、まだ朝だという事もあって人は殆どいなかった。
いるのは休日出勤のサラリーマンに、ケバケバの女性。タバコを噴かす怖い男性。

その中にいる、僕達制服姿の二人。

開いている店も無く、これからどうしようだとか何でここに来たのか考えていると、
友人が僕の中にある友人像を壊す事を言ってのけた。

( ´∀`)「ナンパするモナ」

しかし驚く事もなく僕は黙って頷いた。
青春、というのだろうか。僕はそれに所謂憧れというものを抱いていた。
今まで練習練習という日々が、余計に僕の憧れを強くしていた。
見方を変えれば、この練習の日々も青春なのだが。

( ´∀`)「あの女の人……」

しかし僕と友人はナンパをした事がない。当然だが。
だというのに、この積極性は何だろうか。
言われるがまま友人の指さす方を見てみると、酔っぱらった女の人がベンチに嘔吐していた。



415 :( ・∀・)ある日のある朝のある出来事 のようです(´∀` ):2009/01/10(土) 14:13:03.67 ID:E56J2y9/0

( ・∀・)「……」

何故?という言葉を発する前に、友人は駆け足でその女性の下へと向かった。
止める事もせずに、僕はその場で友人を見守る事にした。

見ていると、何やら友人が背中をさすりだした。
介抱から持って行くのだろうか。しかし会話もしているようでお互い口が動き合っている。
靴に嘔吐されても、友人は女性を介抱している。
すると、女性が友人の肩に手を掛けた。
そのまま友人は女性を担ぎ、こちらにゆっくりと嘔吐の臭いを近づけさせながら歩いてきた。

( ´∀`)「この人を家まで送ってくモナ」

おっとりとした声で、お持ち帰り発言。
これには流石に、僕も驚きを隠せなかった。

( ・∀・)「お前すげーな」

ヘリウムガスでも吸ったかのように、声が裏返ってしまう。
と、同時にやはり泥酔した女性を家に送るのだから、と下心も生まれる。

( ´∀`)「別に。このままじゃ可哀想だモナ。それにナンパしたわけじゃないモナ」

が、友人はキッパリと毅然とした態度でやや声を荒げて応えた。
よいしょ、と女性を担ぎ直す。その際に、遠くで分からなかった女性の顔を見る。
目元がパッチリとした女性だった。



416 :( ・∀・)ある日のある朝のある出来事 のようです(´∀` ):2009/01/10(土) 14:14:08.52 ID:E56J2y9/0

( ‘∀‘)「あ、どうヴォウエエエエエエエエエエ」

目が合うと同時に、嘔吐する。
化粧した顔が、よほどきついのか汗で流れ落ちる。

( ´∀`)「ごめんモナ。ナンパはまた今度しようモナ」

うん、と承諾するが恐らく僕と友人の事だ。
もう「休む」という考えをしても、「ナンパ」という考えをしても行動に移せないだろう。
もしかしたらそんな考えをしないのかもしれない。

今日が最初で最後の、僕達の一日だ。
流れ星にお願いしても、短冊にお願いしても、神様にお願いしても、もう無理だろう。

ナンパというのは結局はやらず(友人は後日アレはナンパじゃないモナ。と言い張った)
仕舞いだった。

初めて休んだ今日は、ひどくあっけなく終わった。
得られたモノは、壊れた友人像に、新たに生まれた友人像。

欠伸を噛みしめ、僕は来た道を戻った。
この時間帯、きっと他のサッカー部と遭遇するというのは火を見るより明らかだろう。



417 :( ・∀・)ある日のある朝のある出来事 のようです(´∀` ):2009/01/10(土) 14:15:16.29 ID:E56J2y9/0

「サボりかよ」

と言われるだろう。
だが、それも構わない。

( ・∀・)「明日から頑張ろう」

自分に言い聞かせるように呟く。
商店街に向かう人だかりも、帰り道を歩くにつれ増えていく。

(*゚ー゚)

見覚えのある顔も、すれ違う。
振り返り、溢れてくる気持ちが、いかに僕が壊れた友人像が自分だったと実感させる。

( ・∀・)「明日は頑張ろう」

違った意味合いを込めて、僕は歩を早めた。







418 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/10(土) 14:16:25.96 ID:E56J2y9/0

終わり。
お題は
ヘリウム
流れ星
通りすがりの恋

通りすがりの恋はちょっと違ってるかも知れない。
批評は出来ればほしいです。


[ 2009/01/10 18:25 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

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